ChatGPTの活用方法20選！国内企業や海外企業の活用事例も解説

ChatGPT（チャットジーピーティー）は、アメリカのOpenAI社が開発した対話型生成AIです。文章作成のほか、データ分析やスライド作成、文章構成、文字起こしなどに活用できます。

しかし、ChatGPTに興味はあるものの、具体的な活用方法がわからず、導入を躊躇している企業も多いのではないでしょうか。

ChatGPTは、今や多くのビジネス領域で活用されているサービスのひとつです。ChatGPTを活用しないままでは、業務効率化の機会を逃し、競合他社に後れを取ってしまう恐れがあります。

本記事では、ChatGPTの活用方法20選と国内・海外における活用事例を解説します。本記事を読めば、ChatGPTを最大限に使いこなせるようになるため、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

ChatGPTの使い方に関しては、以下の記事で詳しく紹介しています。そちらも合わせてご一読ください。

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ChatGPTの活用方法20選

ChatGPTは、以下のような場面で便利に活用できます。

• リサーチ業務
• メール文章作成
• 記事のライティング
• エクセルの関数提案
• スプレッドシートのデータ分析
• 言語翻訳
• PDFの読み込み・要約
• 文字起こし
• イラスト生成
• スライド作成
• 文章の添削・校正
• 議事録作成
• アイデアの壁打ち
• コード生成とバグチェック
• 業務マニュアル作成
• チャットボットによる対応
• 商品・サービスの企画と説明
• 契約書の作成
• FAQの作成
• SNS投稿作成

それぞれどのように活用できるのか、詳しく解説します。

リサーチ業務

ChatGPTは、膨大な情報を短時間で処理し、要点を的確に抽出できます。また、最新の情報をリアルタイムで提供できるため、市場調査や競合分析のデータ収集にも役立ちます。

たとえば、特定の業界や企業に関する情報を収集する際、ChatGPTを活用すれば手作業で情報を探す必要がないので、時間を大幅に短縮できます。

さらに、ChatGPTはトレンド情報の収集と分析にも有用です。社会の動向やニーズを素早く把握することは、企業の意思決定において重要です。

ChatGPTの活用により膨大なデータの中から重要な情報を抽出し、適切な分析を行えます。これにより、企業は市場の変化に迅速に対応し、競争力を維持・向上できます。

ChatGPTの情報収集への活用法については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事：ChatGPTで情報収集を劇的効率化！3ステップで即実践できる活用

メール文章作成

ChatGPTは適切な文法や言い回しを用い、相手に合わせた丁寧な表現で文章を作成できるため、ビジネスメールの質を向上させられます。

また、個別対応が必要な顧客へのメールも、ChatGPTで迅速に作成可能です。たとえば、顧客からの問い合わせに対する返信メールを作成する際も、顧客の質問や要望に的確に応えつつ、親身な対応を心がけた文章を短時間で作成できるでしょう。

これにより、顧客満足度の向上と業務の効率化を同時に実現できます。また、社内連絡用のメールも簡潔かつ明瞭な文章を迅速に作成できるため、社内コミュニケーションの円滑化にも貢献します。

以下の記事では、ChatGPTを活用してメールを効率的に作成するテクニックについて解説しています。メールをよりスムーズに作成したい方は参考にしてください。
関連記事：早く正確に！ChatGPTでメールを効率的に作成するテクニックを解説 

記事のライティング

ChatGPTは、与えられたトピックにもとづいて、質の高い記事コンテンツを生成できます。

• 記事の構成
• 文章表現
• 情報の正確性　など

さまざまな観点から最適化された記事を提供できるため、ブログ記事やプレスリリースの作成に役立ちます。

1．キーワードを適切に挿入する

• 検索エンジンからの評価を高める
• 記事の閲覧数を増やす

2．企業のブログ記事を作成する 

• 読者を引きつける魅力的な内容にする
• SEOに配慮した記事を効率的に作る

3．プレスリリースを作成する

• 新商品やサービスを効果的に紹介する
• メディアの注目が集まりやすい文章を短時間で生成する

これらの機能を活用することで、質の高いコンテンツの効率的な作成につながり、オンラインでの認知度や可視性の向上をもたらします。

ChatGPTのライティング活用術をさらに知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。プロンプトの作成方法や具体的なコツも紹介しているので、よりライティングの質を向上させるためのヒントが得られます。
関連記事：ChatGPTのライティング活用術8選！プロンプトやコツも紹介

エクセルの関数提案

財務分析やデータ集計など、高度な処理が必要な場面でも、ChatGPTを使えば適切な関数を素早く生成できます。

また、生成された関数はエラーが少ないため、信頼性の高い分析結果を得られるのもメリットです。手作業によるミスを防ぎ、正確なデータ処理をサポートします。

ChatGPTのエクセル関数提案機能は、ビジネスにおける意思決定の質を向上させる強力なツールといえるでしょう。

スプレッドシートのデータ分析

ChatGPTの活用で、スプレッドシート内のデータを効率的に分析できます。大量のデータから要約や傾向を自動的に抽出し、異常値も素早く検出できるので、データ分析の時間を大幅に短縮できます。

たとえば、Google Sheetsの関数やスクリプトの生成にChatGPTを使えば、複雑な分析も簡単です。

データセットのクレンジングや統計分析も自動化できるため、データの品質向上と分析の精度アップが期待できます。

さらに、ChatGPTは表の自動フォーマットやグラフの作成もサポートするので、分析結果を視覚的にわかりやすく伝えられます。

スプレッドシート作成にChatGPTを活用したい方は、以下の記事をご覧ください。
関連記事：ChatGPTとスプレッドシートを連携手順！便利に使う3つの方法も紹介

言語翻訳

ChatGPTは、高い翻訳精度と自然な表現力を持っています。専門用語やカジュアルな表現にも対応できるため、ビジネスシーンや日常会話でも活用できます。

外国語でのメールのやり取りでは、正確で適切な翻訳により、コミュニケーションをスムーズに進められます。

ChatGPTは、旅行中のコミュニケーションサポートとしても役立ちます。現地の人々と自然な言葉でやり取りできるため、旅行体験がより充実したものになるでしょう。

さらに、学術論文や技術文書の翻訳にも活用でき、専門分野の知識を必要とする翻訳作業の効率化が図れます。

ChatGPTを活用した翻訳については以下の記事で解説しています。
関連記事：ChatGPTを使った翻訳手順や使い方！プロンプト例と翻訳精度も解説

PDFの読み込み・要約

ChatGPTは、自然言語処理技術を用いて長文のPDFを短時間で読み込み、要点を的確に抽出できます。PDFの読み込み方法は複数あり、さまざまなニーズに対応できます。

ボリュームのある研究論文の要点を数分で要約し、プレゼンテーション資料に活用すれば、研究内容を効果的に伝えられるでしょう。

また、ビジネスレポートの重要部分を抽出し、経営判断の材料として活用すれば、意思決定のスピードアップが期待できます。

膨大な情報を短時間で処理し、業務の効率化を図れるのが大きな魅力です。

PDFファイルの読み込みにChatGPTを活用する方法は、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
関連記事：【無料】ChatGPTでPDFファイルを読み込む方法！画像付きで解説

文字起こし

ChatGPTは、複数の音声フォーマットに対応しており、手動での文字起こしに比べて作業の効率を大幅に向上させます。

会議の録音データをChatGPTで文字起こしすれば、議事録の作成時間を大幅に短縮できます。インタビューの音声を文字に起こして記事を執筆する際にも重宝するでしょう。

さらに、GPT-4V（GPT-4 Vision）を活用すれば、動画内の音声を自動的に文字起こしできるため、動画コンテンツの活用の幅が広がります。

音声・動画データを有効活用したい方は、ChatGPTとGPT-4Vを組み合わせて、効率的かつ効果的な業務を進められます。

文字起こしにChatGPTを活用する方法は、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
関連記事：ChatGPTで文字起こしをする手順！応用例やプロンプト例を紹介

イラスト生成

ChatGPTは、創造的なアイデアの生成やテーマ・スタイルの提案に役立ちます。

ユーザーが求めるイラストのテーマやシーンを詳細に記述することで、ChatGPTがそれに沿ったアイデアを提供してくれます。

たとえば、キャラクターデザインのアイデア出しでは、特徴や性格、背景などを入力するだけで多様なデザイン案を得られます。また、特定のスタイルや色使いの提案も可能です。

ChatGPTを活用すれば、イラスト制作のアイデア出しや方向性の決定がスムーズに進められます。

ChatGPTでイラストなどの画像を作成する方法については、以下の記事でも紹介していますのでご一読ください。
関連記事：【実例あり】ChatGPTで画像生成する4ステップ・6つのコツを解説

スライド作成

ChatGPTを使えば、プレゼンテーションスライドの内容作成や構成を効率化できます。

スライドごとの要約文やキーポイントを自動生成できるので、伝えたいメッセージを明確にし、聴衆の理解を深められます。

また、効果的なビジュアルやレイアウトの提案により、視覚的に魅力的なスライドを作成できます。

プレゼンテーションの流れに沿ったスクリプトを作成すれば、発表者は内容を順序立てて伝えられるでしょう。

スライド作成用のGPTsとして「Tome」や「Beautiful.ai」などのツールがあります。これらのツールは、ChatGPTの技術を活用し、ユーザーの入力に応じて最適なスライドデザインを提案してくれます。

ChatGPTでスライドを作成する方法については、以下の記事でも紹介していますのでご一読ください。
関連記事：誰でもできる！ChatGPTでスライド作成をする際の流れを徹底解説

文章の添削・校正

ChatGPTは、文法エラーの検出と修正が可能で、語彙の選択や表現の改善を提案できます。レポートやエッセイの誤字脱字を自動的に修正し、読みやすく洗練された文章に仕上げられます。

また、ビジネスメールの文章改善も行えるため、相手に良い印象を与え、コミュニケーションの効果を高められるでしょう。

さらに、ブログ記事の構成チェックにも役立ち、読者を引き付ける魅力的な記事が作成できます。

ChatGPTで文章を校正する方法については、以下の記事でも紹介していますのでご一読ください。
関連記事：ChatGPTを使った文章校正の方法を徹底解説！プロンプト例も紹介

議事録作成

ChatGPTは、会議の内容から重要なポイントを抽出し、わかりやすくまとめます。これにより、議事録作成に費やす時間を大幅に節約し、参加者の情報理解を助けられます。

たとえば、長時間にわたる会議の議事録を要約すれば、決定事項や行動計画を明確に把握できます。

また、長文の記事やレポートを要約できれば、内容を素早く把握し、効率的に情報を処理できるでしょう。

ChatGPTで議事録を作成する方法については、以下の記事でも紹介していますのでご一読ください。
関連記事：【無料】ChatGPTで面倒な議事録作成を効率化！プロンプトやAIツールも紹介

アイデアの壁打ち

ChatGPTを壁打ち相手にすれば、アイデアの整理や問題解決がスムーズに行えます。

ビジネスプランやプロジェクトのアイデア出しでは、ChatGPTとの対話を通じて、さまざまな視点や可能性を探れます。また、プレゼンテーション内容の確認と改善にも便利です。

ChatGPTに内容を説明すれば、論理の飛躍や不明瞭な点を指摘してもらえるでしょう。さらに、個人的な悩みや問題に対するアドバイスも得られます。

ChatGPTは、客観的な立場から建設的なフィードバックを提供してくれるため、問題解決の糸口を見つけられます。

アイデア出しにも用いるデータ分析については、以下の記事でも紹介しています。
関連記事：ChatGPTを使ったデータ分析！プロンプトや可視化する方法も解説

コード生成とバグチェック

ChatGPTはデバッグ作業の補助としても活用でき、コードの問題点を指摘し修正案を提案してくれるため、開発の効率が向上します。

さらに、コードのレビューや改善点の提案も可能です。最も良い方法に基づいたアドバイスにより、コードの品質を高められます。

加えて、バグやエラーの検出にも役立ちます。プログラミングの生産性と品質を向上させたいなら、ChatGPTを積極的に活用するのがおすすめです。

アイデアを用いたプログラミングについては、以下の記事でも紹介しています。
関連記事：ChatGPTでプログラミングが超効率的に！？4つの活用法や注意点などを紹介！

業務マニュアル作成

ChatGPTは、わかりやすい表現で手順書やガイドラインを素早く作成できます。たとえば、新入社員向けのトレーニングマニュアルを作成する場合も、業務の流れや注意点を明確に説明できます。

また、システム操作マニュアルの作成にも役立ちます。ユーザーが迷わずに操作できるよう、ステップバイステップで手順を示せます。

これにより、業務の標準化と効率化を促進し、ミスや手間を減らせます。さらに、マニュアルの更新や改訂も簡単に行えるため、常に最新の情報を提供できるのがメリットです。

ChatGPTを活用したマニュアル作成については、以下の記事でも紹介しています。
関連記事：【プロンプトあり】ChatGPTを用いた社内マニュアル作成の5ステップ徹底解説

チャットボットによる対応

ChatGPTを活用すれば、簡単な問い合わせに対する顧客対応を自動化できます。

よくある質問や基本的な問い合わせに対して、適切な回答を即座に提供できるため、顧客満足度の向上と対応時間の短縮が期待できます。

カスタマーサポートの自動化では、問い合わせ内容をAIが分析し、関連する情報を提示できます。これにより、オペレーターの負担を軽減できます。

また、FAQの自動応答機能を実装しておけば、顧客は24時間いつでも必要な情報を得られます。

近年では、カスタマーハラスメント対策としてAIを導入する企業が増えており、従業員のストレス軽減にも有効です。

商品・サービスの企画と説明

ChatGPTは、新商品の企画やサービス説明にクリエイティブなアイデアを提供できます。商品やサービスのコンセプトを入力することで、ユニークな特徴や利点を提案してくれます。

ターゲット顧客の属性を考慮した魅力的な説明文を生成できるため、商品やサービスの価値を効果的に伝えられます。

たとえば新商品企画の集団発想では、ChatGPTが多様なアイデアを発案することで議論が活性化し、斬新な発想が生まれるでしょう。

契約書の作成

ChatGPTは、標準的な契約書の作成にも便利です。契約の目的や条件に合わせた契約書を迅速に生成できるため、業務の効率化が図れます。

たとえばNDA（秘密保持契約）の作成では、守秘義務の範囲や期間、違反時の措置などを明確に定めた契約書を作成できます。

また、業務委託契約書の作成にも活用できます。委託内容や報酬、知的財産権の帰属などを適切に規定しておけば、トラブルを未然に防げるでしょう。

ChatGPTを活用すれば法的リスクを軽減しつつ、スムーズな契約締結を実現できます。

ChatGPTを活用した契約書作成やチェックについては、以下の記事でも紹介しています。
関連記事：ChatGPTを契約書チェック・レビューに活用しよう！プロンプト例文や流れ・注意点も

FAQの作成

ChatGPTは、製品マニュアルやサービス利用ガイドなどの長文ドキュメントから、重要なポイントを自動的に抽出し、質問と回答の形式で整理することが可能です。

これにより、FAQの作成に要する時間と手間を大幅に削減できます。

たとえば、製品マニュアルからFAQを作成することで、ユーザーが知りたい情報に素早くアクセスできるようになります。

サービス利用ガイドからFAQを作成すればユーザーの利便性を高まり、問い合わせ対応の負担を軽減できるでしょう。

SNS投稿作成

ChatGPTは、SNS投稿の作成にも有効です。魅力的なキャッチコピーやハッシュタグの提案だけでなく、投稿内容のアイデア出しや校正も行えます。

ターゲットオーディエンスや投稿の目的に合わせて、最適な文章を生成できるため、効果的なSNSマーケティングを実現できます。

たとえば、TwitterやInstagramの投稿文の作成では、短い文字数で印象的なメッセージを伝えるための工夫を提案してくれます。

イベント告知文の作成に活用すれば、イベントの魅力を引き出し、参加を促すような文章を生成できます。

ChatGPTの活用により、SNS上でのブランディングと効果的なコミュニケーションを実現できます。

ChatGPT以外の生成AI活用事例について知りたい方は、以下の記事をご一読ください。

自社で生成AIを導入する前にさまざまな活用事例を把握しておくと、導入戦略や運用方法のヒントが得られるでしょう。

ChatGPTを活用したインスタ運用については、以下の記事でも紹介しています。
関連記事：ChatGPTでインスタ運用を効率化｜5つのプロンプト例とGPTs

国内・海外企業におけるChatGPTの活用事例

ここでは、ChatGPTの活用事例を国内・海外・自治体に分けて紹介します。

• ChatGPTの活用事例（国内企業）
• ChatGPTの活用事例（海外企業）
• ChatGPTの活用事例（自治体・教育現場）

具体的な活用方法や活用結果について解説するので、自社に取り入れられないか参考にしてみてください。

ChatGPTの活用事例（国内企業）

まずは、国内企業の活用事例を見ていきましょう。

• 株式会社ニトリ
• キヤノンマーケティングジャパン株式会社
• 伊藤忠商事株式会社
• パナソニック株式会社

それぞれ詳しく解説します。

株式会社ニトリ

ニトリは2023年12月にAIを導入し、商品情報の自動収集とECサイト「ニトリネット」への反映を実施しました。

従来、商品情報は担当者が手作業で収集していましたが、このプロセスを自動化することで作業負担が大幅に軽減され、業務の効率化につながりました。

また、クラウドサービス「Lazuli PDP」を用いて外部データベースから情報をAIで収集し整理したことで、商品掲載数の増加が可能になりました。

この取り組みは、新規顧客の獲得と製品の信頼性向上に寄与しています。

参考：ニトリが始めたAIで商品掲載作業の自動化＆作業負担軽減につなげる商品ページ拡充施策とは（ネットショップ担当者フォーラム）

ChatGPTのマーケティングへの活用については以下の記事をご覧ください。
関連記事：コピペOK！17のChatGPTのマーケティングプロンプトや注意点を解説

キヤノンマーケティングジャパン株式会社

キヤノンマーケティングジャパンは、映像技術とAIを活用した「映像DXシリーズ」を導入し、さまざまな業種・業務の現場課題を解決しています。

たとえば、製造業向けの「労災防止ソリューション」と「侵入検知サービス」は、24時間365日AIカメラが設備を監視し、事故防止や作業効率の向上を図ります。

従来の手動監視システムでは人員不足や誤報による問題がありましたが、AI導入によって誤報の削減と高精度な監視が可能となり、作業中断や遅延の減少に貢献しています。

参考：現場の課題を映像とAIで解決する映像DXシリーズ（キヤノングループ）

伊藤忠商事株式会社

伊藤忠商事は2023年7月から、全社的にChatGPTを導入し、約4200人の従業員がこのAIツールを利用できるようになりました。この施策の主な目的は業務効率の改善です。大手商社がこのような大規模なAI導入を行うのは画期的で、商社業界全体にとって生成AI活用の新しい道を切り開く取り組みとなっています。

また、伊藤忠商事では、ブレインパッドやシグマクシスなどと共同で「生成AI研究ラボ」を立ち上げ、生成AIのビジネス利用に向けた実証研究を進めています。

社内のビジネスチャット「Benefitter」とのAPI連携を通じて業務効率の向上が期待されています。

今後は議事録作成や調査業務などへの応用を検討しているほか、特化型生成AIの開発も視野に入れているそうです。

参考：伊藤忠商事が｢社内版ChatGPT｣を4200人に導入開始…“商社が使う生成AI”への期待（Business Insider）
参考：ChatGPT等の生成AIを用いた企業の業務変革や新規ビジネス開発支援を行う「生成AI研究ラボ」の設立について（伊藤忠商事株式会社）

パナソニック株式会社

パナソニック株式会社は、AIアシスタントサービス「PX-GPT」を全社員に展開し、生産性向上と業務プロセスの進化を目指しています。従来の課題として、部門間の情報共有と業務効率化がありました。

この課題を解決するために、Microsoftの「Azure OpenAI Service」を活用し、セキュアな（情報やシステムが安全に保護された）環境でのAI利用を促進しています。

技術職のみならず全社員がAI技術を活用し、新しいビジネスアイデアの創出や業務の効率化が期待されています。

参考：AIアシスタントサービス「PX-GPT」をパナソニックグループ全社員へ拡大 国内約9万人が本格利用開始（パナソニック株式会社）

ChatGPTの活用事例（海外企業）

つづいて、海外企業での活用事例を3つ紹介します。

• Expedia（エクスペディア）
• Slack（スラック）
• コカ・コーラ

詳しく見ていきましょう。

Expedia（エクスペディア）

Expediaは、ユーザーの旅行計画体験を向上させるため、アプリにChatGPTを導入しました。従来の旅行計画では、複数のウェブサイトやアプリを行き来する手間が課題となっていました。

ChatGPTを利用することで、ユーザーは対話形式で旅行計画を進められ、ホテル、フライト、レンタカーの予約を一元管理できる仕組みです。

これにより、旅行計画がシンプルで直感的になり、ユーザーの満足度向上が期待できます。Expediaは、新機能を通じて新規顧客の獲得と製品の信頼性向上を目指しています。

とくに、AIの力を活用してユーザーエクスペリエンスを改善することで、競合他社との差別化を図っているのが特徴です。

参考：ChatGPT Can Now Assist With Travel Planning in the Expedia App（Expedia公式サイト）

Slack（スラック）

Slackは、ユーザーの生産性向上と業務効率化を目指し、ChatGPTアプリを導入しました。

従来、ユーザーはさまざまなアプリ間を行き来して情報を検索する必要があり、多くの時間が費やされていました。

ChatGPTアプリにより、ユーザーはSlack内で直接対話形式のサポートを受け、会話の要約、リサーチ、文章作成などを即時に行えるようになりました。

これにより、情報検索や整理にかかる時間が大幅に削減され、業務効率の向上につなげています。

とくにプロジェクトの進行やタスク管理においてAIの力を活用することで、よりスムーズなコミュニケーションと迅速な意思決定が可能になりました。

参考：Why we built the ChatGPT app for Slack（Slack公式サイト）

コカ・コーラ

コカ・コーラ社は、ChatGPTを活用してマーケティングとカスタマーエクスペリエンスの向上を目指しています。

ベイン・アンド・カンパニーとの提携により、ChatGPTとDALL·E（ダリ）を活用した高度なAI技術を導入し、ブランドの強化とマーケティング活動の最適化を実現しました。

具体的には、消費者の嗜好やトレンドに基づいたパーソナライズされたマーケティングメッセージを生成し、広告キャンペーンの効果を最大化しています。

消費者からのフィードバックをリアルタイムで分析し、迅速に対応することで、製品やサービスの改善を図っています。

これにより、消費者へのパーソナライズされたアプローチが可能になり、競争力のある市場での優位性が期待されています。

参考：ベイン･アンド･カンパニーが、OpenAIとの業務提携を発表（ベイン・アンド・カンパニー プレスリリース）

ChatGPTの活用事例（自治体・教育現場）

最後に、自治体や教育現場でのChatGPTの活用例を見ていきましょう。

• 東京都
• 東京都教育委員会

詳しく解説します。

東京都

東京都は、2023年8月から約5万人の都職員に対し、ChatGPTの業務利用を解禁しました。この決定は、文章の要約やキャッチフレーズ作成など業務の効率化を目指しています。

従来、膨大な文章作成と情報整理に時間がかかっていましたが、ChatGPTの導入によってこれらの課題が解決され、業務のスピードと正確性が向上しました。

Microsoftの「Azure OpenAI Service」を利用して安全な利用環境を整備することで、行政サービスの質向上が期待されています。

また、個人情報や機密情報を入力しないガイドラインも策定されており、都民サービスの向上を目指しています。

参考：東京都　職員のChatGPT利用を解禁（テレ朝news）
参考：「文章生成AI利活用ガイドライン」の策定について（東京都）

ChatGPTの自治体への活用については以下の記事をご覧ください。
関連記事：自治体の生成AI活用事例10選！導入状況や活用のメリットまで紹介

東京都教育委員会

東京都教育委員会は、生成AIサービス「exaBase 生成AI powered by GPT-4」を導入し、都内9つの高等学校で活用しています。

生徒のAIリテラシー向上と教科学習の支援を目的としており、効率的な学習支援とAI技術の普及に役立てています。

具体的には生徒と教員に個別IDを発行し、授業でAIを用いた教育を実施しています。その結果、生徒同士の議論が活発化し、AIに対する理解が深まりました。

またこの取り組みは、全国の教育機関でのAI活用のモデルケースとして期待されています。AIの活用によって教育現場での学習支援を強化し、生徒の主体的な学びを促進する狙いです。

参考：東京都教育委員会が「exaBase 生成AI」を採用 〜9校の都立学校で各生徒と教員にIDを発行、AIリテラシーの指導、各科目の授業で活用〜（ExaWizards ニュース）

ChatGPTの教育への活用については以下の記事をご覧ください。
関連記事：ChatGPTは教育に活用できる？活用事例やメリットを徹底解説

ChatGPTを活用するメリット

ChatGPTの活用には、以下のようなメリットがあります。

• 業務時間を大幅に短縮できる
• アイデアの創出や活動をサポートできる
• 時間や場所を問わず利用できる
• 多言語に対応している

使い方次第では幅広い業務に活用できるので、生産性が大きく向上するでしょう。それぞれ詳しく解説します。

業務時間を大幅に短縮できる

ChatGPTを使えば、業務に関する質問に対して即座に回答が得られるため、検索エンジンを使ったり、関連書籍を調べたりする時間を大幅に削減できます。

今まで情報収集や問題解決のために費やしていた時間を、より生産的な業務に充てられるのがメリットです。

たとえば、プログラミングに関する質問をChatGPTに投げかければ、適切なコードや解決策を素早く得られるため、開発業務の効率が大幅に向上します。

また、法律や規制といった複雑な質問に関しても、関連情報を即座に提供してくれます。

このように、ChatGPTを活用すると業務の生産性を高め、時間を有効に活用できるでしょう。

アイデアの創出や活動をサポートできる

ChatGPTは、特定のテーマに関する質問や相談を通じて新しい視点や方法を提案してくれるため、アイデア創出や問題解決に役立ちます。

1. 新製品開発

• 製品コンセプトや目的に基づく斬新なアイデア提案
• 製品の改善点の提示

2. マーケティング戦略立案

• 多角的な視点の提供
• 市場トレンドや消費者ニーズの分析支援

3. 事業計画策定

• ビジネスモデルの提案
• リスクと機会の分析サポート
• 対話を通じた発想の拡張
• ブレインストーミングのサポート
• 異なる業界や分野からのアイデア適用

従来の発想にとらわれない新しい可能性を探れるので、イノベーションの促進にもつながります。

ChatGPTでは、音声入力でもやり取りも可能です。以下の記事では音声入力機能でできることや方法を解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
関連記事：ChatGPTで音声入力・音声会話機能は何ができる？設定・使用法・デバイスを徹底解説

時間や場所を問わず利用できる

ChatGPTは、インターネット接続さえあればいつでもどこでも利用できます。時間や場所に制約されず、必要な情報を得られるのがメリットです。

たとえば、深夜や早朝に仕事をしているときに急に疑問が生じた場合でも、ChatGPTに質問すれば即座に回答を得られます。

また、出張先やリモートワーク中でも、手元のデバイスからChatGPTにアクセスできるため、業務の継続性を維持できます。

さらに、時差のある海外の顧客やパートナーとのコミュニケーションにおいても、ChatGPTの活用によって迅速な情報共有や問題解決が可能になります。

ChatGPTは働き方の柔軟性を高め、ビジネスの機動力を向上させてくれるでしょう。

多言語に対応している

ChatGPTは、英語をはじめとする多くの言語で質問に答えられるため、グローバルなビジネス環境において大きな力を発揮します。

外国語の文献や資料を読む際も、ChatGPTを活用すれば内容の翻訳や要約を素早く行えます。これにより、言語の壁を越えて、世界中の情報にアクセスできるようになるでしょう。

また、海外の顧客とのコミュニケーションや多言語対応のWebサイト開発においても、ChatGPTの活用が便利です。

ChatGPTの多言語対応力は、グローバルビジネスの展開を加速し、国際的な競争力の向上に貢献します。

ChatGPTを活用するデメリット

ChatGPTを活用する際には、以下のようなデメリットがあることを認識しておく必要があります。

• 常に正しい情報を提供するとは限らない
• 倫理的な問題を引き起こす可能性がある
• 個人情報や機密情報が漏洩するリスクがある
• 過度に依存すると考える能力が低下する

詳しく解説します。

常に正しい情報を提供するとは限らない

ChatGPTは、膨大なデータを基に回答を生成するため、誤った情報や古い情報を含む場合があります。

そのため、ChatGPTから得た情報を鵜呑みにせず、必ず事実確認を行うことが重要です。

信頼できる情報源と照らし合わせ、情報の正確性を検証しましょう。また、ChatGPTに情報の出所を尋ねることで、情報の信頼性を判断する材料にもなります。

ChatGPTの回答は参考程度に留め、最終的な判断は人間が行うようにしてください。

倫理的な問題を引き起こす可能性がある

ChatGPTは、特定の質問に対して偏った見解を示すケースがあるため、利用には注意が必要です。

たとえば、政治的な話題や社会的な問題に関する質問に対して、ChatGPTが一方的な意見を述べる可能性があります。

このような場合、ChatGPTの回答をそのまま受け入れるのではなく、他の情報源と照らし合わせ、多角的な視点から検討することが重要です。

なお、ChatGPTの回答が倫理的に問題がある場合は、利用を控えるかプロンプトを変更してみましょう。

個人情報や機密情報が漏洩するリスクがある

ChatGPTに会社の機密情報や個人のプライバシーに関する質問をする際は、情報漏洩のリスクを認識しておく必要があります。

ChatGPTを使用する際は、必要最低限の情報のみを入力し、個人情報や機密情報を含む質問や入力は避けてください。

また、社内でChatGPTを利用する場合は、情報管理に関するガイドラインを設けたりオプトアウト設定をしたりして、セキュリティ対策を講じることが重要です。

関連記事：ChatGPTには情報漏洩リスクがある｜個人・機密情報はどうやって守る？
関連記事：ChatGPTのオプトアウトで情報漏えい対策！概要や設定方法を解説

過度に依存すると考える能力が低下する

ChatGPTに質問すればすぐに回答が得られるため、自分で調べたり考えたりする機会が減る可能性があります。

過度にChatGPTに依存すると、独立した思考力や問題解決能力が衰える恐れがあります。

このようなデメリットを防ぐためには、ChatGPTの使用を補助的なツールとして位置付け、情報の確認や深堀りは自分で行うことが大切です。

ChatGPTから得た情報を出発点として自分の頭で考え、分析する習慣をつけておけば、思考力や問題解決能力を維持・向上できます。

ChatGPTを企業に導入する手順

ChatGPTを企業に導入する際は、正確なステップを踏む必要があります。

ChatGPTの導入目的の明確化はもちろん、社内での共通意識を醸成しておくことも重要です。

具体的には、以下のステップに従って導入を検討してみましょう。

ステップ	内容	主な取り組み
ステップ1	生成AI活用の戦略化	・活用目的と対象業務の明確化- 現状分析と改善領域の特定 ・必要リソースの見積もりと投資計画の策定
ステップ2	生成AI推進基盤の構築	・推進チームの組成- ガイドラインの策定 ・生成AI環境の構築 ・導入・浸透計画の設計 ・予算確保
ステップ3	パイロットプロジェクトの実施	・適切な対象業務の選定 ・性能、精度、業務への影響、ユーザー反応の評価 ・改善点の洗い出しとロードマップの修正 ・成果の社内共有
ステップ4	全社員の活用浸透	・全社員向け教育プログラムの実施 ・プロンプトデータベースの作成や共有 ・優れた活用事例の表彰
ステップ5	システムへの統合	・既存システムやワークフローとの連携 ・日常的なタスクへの生成AI活用
ステップ6	事業化	・ビジネスモデルの構築 ・製品・サービスの開発 ・マーケティング戦略の策定 ・販売チャネルの構築 ・顧客サポート体制の整備 ・効果測定と改善の継続
ステップ7	文化形成	・経営層のコミットメント ・社内啓蒙活動 ・成功事例の共有 ・コミュニティ形成 ・評価制度の導入

詳しい導入方法を知りたい場合は、以下の記事も参考にしてみてください。

ChatGPTの活用に関するよくある質問

ChatGPTの活用に関するよくある質問は以下の3つです。

• ChatGPTとBing AIの違いはなんですか？
• ChatGPTの利用料金はいくらですか？
• ChatGPTでなくなる仕事はありますか？

質問に対する回答を確認して、ChatGPTの導入を検討してみてください。

ChatGPTとBing AIの違いはなんですか？

ChatGPTはBing AIよりも多機能であり、最新モデルを活用できる点が強みで、Bing AIはMicrosoftの生成AIサービスで、ExcelやWordなどのOffice製品と連携できる点が強みです。

なお、Bing AIは、現在ではCopilot（コパイロット）という名称に変更されています。

ChatGPTとBing AIの具体的な違いについては、以下の記事を確認してみてください。
関連記事：ChatGPTとBing AIの違いを徹底比較！用途別の使い分け方も

ChatGPTの利用料金はいくらですか？

ChatGPTには大きく4つの料金プランがあり、利用できる機能や性能に違いがあります。

プラン	料金	主な機能
無料版	無料	・GPT-3.5 Turboを利用可能 ・基本的なチャット機能を搭載。	一般ユーザー向け
ChatGPT Plus	月額20ドル（EUおよびUKでは月額23.80ドル）	・GPT-4へのアクセス ・優先レスポンス時間 ・新機能への優先アクセス ・DALL·E 3による画像生成が可能。	個人ユーザー向け、より高度な機能を利用したい人におすすめ
ChatGPT Team	月額30ドル/ユーザー（年契約の場合は月額25ドル/ユーザー）	・Plusプランの機能 ・チームでの共同作業機能 ・管理コンソール機能 ・ワークスペース管理機能	チームや中小企業向け
ChatGPT Enterprise	要問い合せ	・Teamプランの機能 ・無制限のGPT-4アクセス ・拡張コンテキストウィンドウ ・優先サポート ・ドメイン検証 ・分析機能を搭載。	大企業やエンタープライズ向け

各プランは、ユーザーの規模や利用目的に応じて選択でき、企業のニーズに合わせた最適なAIソリューションを提供します。

ChatGPTの料金については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事：【2024年最新】ChatGPT4（GPT-4o）の料金プランを徹底解説！API料金も紹介

ChatGPTでなくなる仕事はありますか？

ChatGPTに代表されるAIの発展により、将来的に一部の仕事がなくなる、あるいは大きく変化する可能性があります。

実際にOpen AI社とペンシルベニア大学の論文によると、米国労働者の約8割がAIによる影響を受けることが判明しました。

高賃金な仕事ほど影響を受ける可能性が高いとされており、具体的な職業としては以下が該当します。

• 技術サポート
• データ入力
• カスタマーサービス
• 管理職
• 販売職
• 会計士
• ソフトウェア開発者
• 金融アナリスト
• コンテンツクリエーター（デザイナー・ライターなど）
• マーケティング担当者
• 法務アシスタント
• 研究アシスタント

ただし、これらの仕事が完全に消滅するわけではありません。AIの活用を通じて、業務の効率化や高度化が進むと考えられます。

定型的な事務作業をAIが肩代わりすることで、人間はより創造的で付加価値の高い業務に注力できるようになります。

また、AIによるデータ分析は、人間の意思決定をサポートし、より正確で迅速な判断を可能にします。

AIの導入により、一部の仕事が自動化される一方で、新たな仕事も生まれると予想されます。

AIを活用した新サービスの開発、AIと人間が協働する新しい働き方など、AIがもたらす変化に適応し、活用していくことが重要です。

参考：GPTs are GPTs: An Early Look at the Labor Market Impact Potential of Large Language Models

ChatGPTを効果的に活用しよう！

ChatGPTは、リサーチ業務やライティングなどビジネスにおけるさまざまな場面で活用できる強力なツールです。

業務の効率化や生産性の向上、創造性の促進など、多くのメリットがあります。一方で情報の正確性や倫理的な問題、過度な依存などのデメリットにも注意が必要です。

企業がChatGPTを導入する際は、目的を明確にし、利用シーンを特定したうえで、ルールやガイドラインの策定が求められます。

また従業員への教育・トレーニングを行い、適切な利用促進も重要になるでしょう。

生成AIのより詳しい活用方法や導入ステップを学んでキャリアアップに役立てたい方は、ぜひSHIFT AIの無料セミナーにご参加ください。