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ChatGPTを契約書チェック・レビューに活用しよう!プロンプト例文や流れ・注意点も

契約書チェックは時間と労力を要する業務ですが、近年ではその作業効率化のためにChatGPTを活用する動きが広がっています。

しかし、ChatGPTを契約書チェックに役立てたいと思う一方で、「具体的にどう活用したらいいの?」「使う際に注意すべきことはある?」などと疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

実際、ChatGPTは契約書のリーガルチェック・レビューを効率化できますが、適切に使われなければ、思わぬ法的リスクやミスを生み、かえって作業時間が増やしてしまう可能性もあります。

そこで当記事では、ChatGPTを契約書チェックで適切に活用する方法や、プロンプトの例文、注意点を包括的に解説します。

この記事を最後まで読むことで、契約書チェックをより迅速かつ正確に行えるようになり、業務効率の向上とリスク管理の両立が可能となるでしょう。ぜひ内容を参考にしてみてください。

監修者

SHIFT AI代表 木内翔大

(株)SHIFT AI 代表取締役 / GMO AI & Web3株式会社AI活用顧問 / 生成AI活用普及協会理事 / Microsoft Copilot+ PCのCMに出演 / 国内最大級AI活用コミュニティ SHIFT AI(会員1万人超)を運営。
『日本をAI先進国に』実現のために活動中。Xアカウントのフォロワー数は10万人超え(2025年1月現在)

ChatGPTは、契約書チェック以外にもさまざまな用途で活用できます。

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※ChatGPTで契約書チェックをする前に知っておきたいこと

法務省の指針においても、AIを活用した定型的な契約書チェックは適法とされています。そのため、契約書チェックにChatGPTを活用すること自体に法的な問題はありません。

ただし、ChatGPTを活用する際は個人情報保護や情報の正確性に注意し、最終的な判断を必ず法律の専門家に委ねることが重要です。

また、AI技術と法令は常に変化しているため、最新の法令や指針を確認しながら利用するよう心がけましょう。

参考:AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第 72 条との関係について

ChatGPTで契約書チェックする流れ【5ステップ】

ChatGPTで契約書チェックを行う際の具体的な流れは、以下の5つのステップです。

  1. ChatGPTでチェックしたい契約書のコピーを用意する
  2. ChatGPTにチェックすべき事項を整理する
  3. チェックしたい契約書とプロンプトをChatGPTに送信する
  4. 回答を得たら内容を確認し、必要があれば調整する
  5. 専門家に契約書の最終レビューを依頼する

この流れを踏むことで、安全かつ効率的な契約書チェックが実現できます。順に確認していきましょう。

1. ChatGPTでチェックしたい契約書のコピーを用意する

まずは、ChatGPTに確認したい契約書のコピーをデジタル形式で用意しましょう。

コピーを用意する際は、情報保護の観点から、個人や企業を特定できる情報はあらかじめ匿名化や削除を行い、契約書チェックに必要な部分のみをChatGPTに入力できるように整備しておくことが大切です。

2. ChatGPTにチェックさせる事項を整理する

ChatGPTで契約書チェックする際には、確認させるポイントを事前に整理しておくことが大切です。

具体的には、以下のように項目をリストアップするとよいでしょう。

  • 支払い条件:金額、支払い期日、支払い方法
  • 契約期間:開始日、終了日、延長の有無
  • 守秘義務条項:情報の取り扱い、第三者への開示禁止
  • 違約金:発生条件、金額、支払方法
  • 解約条件:契約解除の条件と手続き
  • 責任範囲:当事者の責任の範囲と除外事項
  • 法的効力:準拠法、紛争解決の手段

ChatGPTにチェックさせる項目を事前に決めておけば、効率的で漏れのない確認が可能となります。

3. チェックしたい契約書とプロンプトをChatGPTに送信する

契約書チェックの項目を整理できたら、ChatGPTのチャット欄で契約書のファイルとプロンプトを送信し、リーガルチェックやレビューを依頼します。

プロンプトで具体的かつ専門的な指示を出すことで、より正確で実用的な解析結果が得られます。

ChatGPTでの契約書チェックプロンプト送信画面

4. 回答を得たら内容を確認し、必要があれば調整する

ChatGPTからの回答を確認し、契約書に含まれる問題点やリスクを慎重に検討します。

結果をていねいに見直し、重要なポイントが見落とされていないかしっかり確認しましょう。

複数のポイントに関してチェックを依頼している場合は、それぞれの情報を総合的に判断し、契約書全体のリスクを評価することが重要です。

回答内容にもとづき、必要に応じて先方への確認や調整を行いましょう。

ChatGPTでの契約書チェックの結果画面

5. 専門家に契約書の最終レビューを依頼する

最終段階として、契約書は専門家(弁護士や法務担当者)に最終的なレビューを依頼します。

ChatGPTは補助ツールに過ぎないため、先述の通り、最終的な法的判断や契約書の適法性については、人間の専門家の確認が不可欠です。

ChatGPTで使える契約書チェックのプロンプト例12選【そのまま活用OK】

続いては、ChatGPTでの契約書チェックの際に使えるプロンプトの例文を12個紹介します。

  1. 全体的なレビュー
  2. リスクの確認
  3. 契約期間と終了条件のチェック
  4. 守秘義務条項の確認
  5. 支払い条件の確認
  6. 義務と責任の明確化
  7. 法的適合性の確認
  8. 解釈に余地のある条項の確認
  9. 変更・更新条項の確認
  10. 条件不履行時の対応策の確認
  11. 競業禁止条項の確認
  12. ライセンス条項の確認

契約書チェックを依頼する際には「企業法務の専門家」の役割を指定し、どの要件について重点的に確認するかを明示することで、より目的に合ったレビューや提案が得やすくなります。

紹介する例文を、必要に応じてコピーやアレンジしながら活用してください。

以下の記事では、ChatGPTの活用方法を20個解説しています。この機会にぜひチェックしてください。

ChatGPTの活用方法20選
ChatGPTの活用方法20選!国内企業や海外企業の活用事例も解説

ChatGPTの活用方法20選!国内企業や海外企業の活用事例も解説

本記事ではChatGPTの活用方法、国内・海外の活用事例、企業への導入手順などを解説しています。ChatGPTを活用すれば、ビジネス領域における業務効率化につながります。記事を読んでChatGPTを使いこなし、ビジネスを加速させましょう。

1. 全体的なレビュー

プロンプト:

契約書全体の品質を確認したいときに使用します。特に、潜在的なリスクや曖昧な点を包括的に見つけたい場合に便利です

2. リスクの確認

プロンプト:

契約書内で特定のリスク要因や不明確な部分を見つけたいときに使います。特に曖昧さが双方に不利益をもたらす可能性がある場合に有効です。

3. 契約期間と終了条件のチェック

プロンプト:

契約の有効期間や終了に関する条件の妥当性を確認したいときに使います。特に契約終了時のペナルティや義務の明確化に役立ちます。

4. 守秘義務条項の確認

プロンプト:

機密情報の扱いに関する条項が適切かどうかを確認したいときに使用します。特に情報の漏えいリスクを避けるために有効です。

5. 支払い条件の確認

プロンプト:

支払いに関する条項が明確であり、問題がないか確認する際に使用します。遅延や支払い条件の不明確さがリスクとなる場合に特に役立ちます。

6. 義務と責任の明確化

プロンプト:

各当事者の役割や責任が明確であるか確認したいときに使います。特に責任回避が可能な表現がないかをチェックするために有効です。

7. 法的適合性の確認

プロンプト:

契約書が現行の法律や規制に適合しているかどうか確認する際に使用します。特に業界特有の規制に注意を払いたい場合に有効です。

8. 解釈に余地のある条項の確認

プロンプト:

契約書内で異なる解釈が生じる可能性がある箇所を見つけたいときに使用します。特に争点となり得る部分を予測したい場合に便利です。

9. 変更・更新条項の確認

プロンプト:

契約内容の変更や更新に関する条件が公平か確認したい場合に使います。特に一方に有利な変更権限が含まれていないかチェックする際に有効です。

10. 条件不履行時の対応策の確認

プロンプト:

契約違反が生じた場合の対応策が妥当か確認する際に使用します。特に違約金や補償条項が双方にとって公平かどうかを確認したいときに有効です。

11. 競業禁止条項の確認

プロンプト:

競業禁止条項が適切であるか確認する際に使います。特に、地域や期間の制限が合理的かどうかをチェックするのに役立ちます。

12. ライセンス条項の確認

プロンプト:

ライセンスや知的財産に関する条項が明確かどうかを確認する際に使用します。特に使用権の範囲が明示されているかを確認したいときに便利です。

ChatGPTで契約書チェック・レビューする際の注意点

ChatGPTで契約書チェック・レビューを進める際には、以下3つの重要な注意点があります。

  1. 情報を鵜呑みにしない
  2. 同じ情報が返ってこない場合もある
  3. 個人情報や機密情報の流出に気を付ける

注意点を把握することで、法的リスクやトラブルを避けながらChaGPTを効果的に活用しやすくなるため、ぜひ参考にしてみてください。

1つずつ詳しく解説します。

1. 情報を鵜呑みにしない

ChatGPTは、膨大なデータにもとづいてアドバイスや指摘を提供しますが、その内容が必ずしも正確であるとは限りません。

先述の通り、契約書は法的な意味合いが非常に大きい文書であり、最終的な決定は必ず弁護士や法務の専門家によって行われるべきです。

予期せぬリスクや法的問題を最小限に抑えるためにも、出力された結果をそのまま鵜呑みにして判断するのは危険ですので避けましょう。

2. 同じ情報が返ってこない場合もある

ChatGPTの回答において、一貫性が保証されない可能性がある点にも注意が必要です。

ChatGPTは、その時点で利用可能なデータや学習内容を基にしているため、同じ契約書でもタイミングやプロンプトの微妙な違いによって、異なる指摘やアドバイスを出すことがあります。

そのため、重要な情報は必ず保存しておき、必要に応じて見直す習慣を持つことが推奨されます。

3. 個人情報や機密情報の流出に注意する

ChatGPTに契約書を入力する際には、個人情報や機密情報の漏えいリスクに対して十分な注意が求められます。

契約書の内容をそのまま入力するのではなく、機密性の高い情報を削除し、内容を抽象化して入力することで、情報漏えいリスクを低減することが可能です。

また、ChatGPTのプライバシーポリシーやデータ取り扱い規約をしっかり確認し、データがどのように保存・共有されるのかを理解しておくことも重要です。

まとめ:ChatGPTを適切に活用して契約書チェックを効率化しよう

本記事では、ChatGPTを契約書チェックで適切に活用する方法や、プロンプトの例文、注意点を解説してきました。

契約書チェック業務は多大な時間と専門的知識を要する作業ですが、ChatGPTを活用することでその効率を大幅に向上できます。

ただし、ChatGPTの活用にあたっては情報の正確性や個人情報保護に十分留意し、最終的な判断は必ず法律の専門家に委ねることが重要です。

本記事で紹介した内容を参考に、ぜひ適切な方法でChatGPTを契約書チェック業務に有効活用してみてください。

契約書チェック以外でも、生成AIを積極的に活用して社内の業務効率化を目指したい方は、弊社SHIFT AIが提供しているオリジナルのセミナーにご参加ください。

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記事を書いた人

福原瑶子

SEO&ライティング歴5年以上。
ChatGPTやClaude、Notion AIのような文章生成AIツールやMidjourneyのような画像生成AIツールを駆使し、記事作成やプライベートにも積極的に活用。
生産性をアップできる便利なアプリやツール・拡張機能の情報を探すのが好き。