最近、高性能な情報収集と洗練されたアウトプットが可能なGPT-4(GPT-4o)が注目を集めています。
日常的な利用だけでなく、とくにビジネスシーンで大いに活躍する機能を備え、業務効率化や生産性の向上を図ってくれるツールです。
しかし、「AI」は小難しそうですし、お金がかかるとなると、いくら“すごい”と聞いていても、具体的にどう使っていけばよいかわからず腰が引けるでしょう。
AIツール、とくにChatGPT(チャットジーピーティー)を用いた業務効率化は日本企業でも進んでいるので、今のうちに使えるようになっておかなければ、競合や周りから取り残されてしまうかもしれません。
本記事ではChatGPT-4(GPT-4o)について、基礎知識や機能、実際の活用方法などを網羅的に解説します。
これを読めば、ChatGPTをすぐに始められるだけでなく、明日から会社の業務効率化に一役買えるでしょう。
高精度のモデルとして「ChatGPT-4」の名前が広まっています。
しかしGPT-4o(ジーピーティーフォー・オー)の登場により、GPT-4は、ChatGPT Plusユーザー(有料ユーザー)がGPT-4oの使用回数制限に達した場合に使われるモデルとなりました。
そのため本記事では、“より進化したモデル”の意味で「ChatGPT4(GPT-4o)」または「GPT-4o」の表記を用います。
GPT-4o・GPT-4・GPT-3.5の違いは、のちほど詳しく解説します。
|監修者
(株)SHIFT AI 代表取締役 / GMO他複数社AI顧問 / 生成AI活用普及協会理事 / Microsoft Copilot+ PCのCMに出演 / 国内最大級AI活用コミュニティ(会員5,000人超)を運営。
『日本をAI先進国に』実現の為に活動中。Xアカウントのフォロワー数は9万人超え(2024年9月現在)
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ChatGPT4(GPT-4o)とは?特徴は4つ!
GPT-4oは、2024年5月14日にOpenAIが発表した最新のAI言語モデルです。前バージョンのGPT-3.5・GPT-4に比べて大幅に進化しています。
自然言語処理(人間が使う言葉をコンピュータで処理する技術)の分野で最先端の技術を駆使しており、さまざまなタスクにおいて高いパフォーマンスを発揮します。
GPT-4oの主な特徴は以下の4つです。
- 文章や画像、音声に対応できる
- より正確な回答ができる
- 長文の指示に対応できる
- 多くの機能を使えるようになる
それぞれの特徴について詳しく解説します。
文章や画像、音声に対応できる
GPT-4oではテキスト入力だけでなく、画像や音声も使ったAIとの対話が可能です。
GPT-4oは、マルチモーダル※なAIモデルで、「4o」の「o」は「omni(すべて)」の英単語の意味です。
※テキスト以外にも音声や画像など複数の情報を同時に処理できる
たとえば、画像をアップロードして内容を説明させたり、音声メッセージを送って内容をテキスト化したりできます。
複数の情報を同時に処理できると、AIからの応答が高速化します。
従来では、ChatGPTが入力された音声をテキストに変換したあと、さらにテキストを音声に変換して出力する処理が必要でした。複数の情報を段階的に処理するため、応答に時間がかかっていたのです。
一方で、GPT-4oはテキストと音声を同時に処理することで、応答が高速になる仕組みです。
動画のように、リアルタイムで翻訳タスクを実行できるほど高速に応対できます。
なお、動画や音声認識機能は2024年6月27日現在で実装されておらず、順次リリースされる予定です。
より正確な回答ができる
GPT-4oは、前バージョンに比べて大幅に精度が向上しています。
OpenAIから公開されていませんが、より大規模なデータでトレーニングされ、最新のアルゴリズムが適用されているためだと考えられます。
GPT-4oは文脈をより深く理解し、ユーザーの質問により正確で関連性の高い回答を提供できます。
複雑な質問だとしても、適切な情報を引き出して回答する能力が向上しています。
長文の指示に対応できる
GPT-4oは長文の指示にも対応できるため、複雑な指示でも正確に処理できます。
たとえば、論文のような長い文章の要約や、複数のステップを含むタスクの実行などが挙げられます。
この機能は、ビジネス文書の作成やデータ分析など、複雑な作業の効率化に役立ちます。
多くの機能を使えるようになる
GPT-4oは、多くの新機能を搭載しており、ユーザーのニーズに応じてさまざまなタスクを実行可能です。
たとえば、ブラウジング機能を使ってインターネット上の情報を検索したり、Advanced Data Analysis機能を使ってデータ解析を行ったりできます。
また、画像認識や画像生成、動画・音声認識※など、多岐にわたる機能が追加されています。
※動画・音声認識の機能は2024年6月27日現在では未実装で、今後リリースされる予定です。
GPT-4oを使うことで、ユーザーはたった一つのツールで多様なタスクを効率的に処理できるのです。具体的にChatGPTでできることについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:【完全網羅】ChatGPTで何ができる?全26個を紹介!活用事例や注意点も
ChatGPT4(GPT-4o)は無料で使える?
GPT-4oは無料ユーザーでも利用可能です。しかし、使用回数に制限(5時間に10回程度のやりとり)があります。
そのため、ビジネスで活用する場合は有料サービス(ChatGPT Plus:月額20ドル)の利用を推奨します。
無料ユーザーが利用できる機能は、以下の表のように、GPT-4o以外にもさまざまです。
「高精度で高速なAIとの対話を体験してみたい」という方は、ぜひ今すぐChatGPTの利用を始めてみてください。
項目 | 無料ユーザー | 有料ユーザー |
GPT-4oの利用 | ◯(回数制限あり) | ◯(回数制限ありだが無料ユーザーの5倍) |
インターネット検索 | ◯ | ◯ |
データの分析・チャート作成 | ◯ | ◯ |
画像認識機能 | ◯ | ◯ |
ファイルのアップロード | ◯ | ◯ |
メモリ機能 | ◯ | ◯ |
GPTストアの利用(他人のGPTsを使える) | ◯ | ◯ |
GPTsの作成 | × | ◯ |
GPT-4の利用 | × | ◯(回数制限への到達時) |
画像生成(DALL•E) | × | ◯ |
音声会話 | × | ◯ |
また、ChatGPTの有料プランにはPlus・Team・Enterpriseの3つがあり、Plusは個人、TeamとEnterpriseは会社や組織向けです。
それぞれ価格や性能、できることが異なります。
どのような違いがあるのか、Plus・Team・Enterpriseプランがどのようなものか、以下の記事で解説しています。
「個人用がいいか会社用がいいかわからない」「どのプランにするか迷う」という方はぜひ参考にしてください。
また、ChatGPTの有料版(Plus)に登録を検討している方は、以下の記事を参考してみてください。
関連記事:【画像あり】ChatGPT Plusと無料版の違いは?料金や登録方法を解説
英語が苦手でもOK!ChatGPT4(GPT-4o)は日本語対応
GPT-4oは、日本語にも対応したAIモデルです。
英語が苦手な方でも、自然な日本語でAIと対話できるので安心してください。
日本語の文法や語彙、文化的なニュアンスまで理解しているため、ビジネス文書の作成や翻訳、学習支援など、さまざまな場面で活用できます。
さらに、敬語やタメ口などの表現も適切に理解し、出力可能です。
また、日本語・英語間の翻訳も高精度で行えるため、国際的なコミュニケーションにも役立ちます。
GPT-4oは日本語でのスムーズな対話が可能で、日本のユーザーにとって非常に使いやすいツールです。
【実演】ChatGPT4(GPT-4o)で利用できる機能
GPT-4oは多様な機能を備えた高度なAI言語モデルです。
では、具体的にどのような機能を備えているのでしょうか?
GPT-4oで実際に利用できる主要な機能を、具体的な例を交えながら説明します。
- ブラウジング(検索)
- Advanced Data Analysis(データ解析)
- GPT-4V(画像認識)
- DALL・E3(画像生成)
- メモリ機能
- GPTs(カスタム機能)
- 音声・動画認識機能
生産性が大幅に向上する機能ですから、ぜひ実際に使ってみてください。
ブラウジング(検索)
GPT-4oのブラウジング(検索)機能では、リアルタイムでインターネット上の情報にアクセスし、そのデータをもとに回答を生成できます。
GoogleやYahoo!といった検索エンジンのような使い方ができる、ということです。
以下の画像は、GPT-4oに「今日の東京の天気は?」と質問した例です。
参照したデータ元も示しつつ、具体的な天気から外出時の注意まで教えてくれました。
この機能は天気だけでなく、ニュースやスポーツの結果、株価情報など、常に変化するデータを必要とする質問にとくに有用です。
Advanced Data Analysis(データ解析)
Advanced Data Analysisは、複雑なデータから分析してくれる機能です。
ビジネス分析や科学研究など、データをもとに意思決定する場面でとくに威力を発揮します。
たとえば以下の画像では、CSVデータから概要と売上の折れ線グラフを出力してくれています。
情報が多くあるデータを可視化してくれるので、分析や計画立案の手間が省けるでしょう。
解析だけでなくチャート(グラフ)も作成できるため、GPT-4oはビジネスにおいても活用の幅が広いAIモデルです。
ChatGPTを利用したデータ分析は以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:ChatGPTを使ったデータ分析!プロンプトや可視化する方法も解説
GPT-4V(画像認識)
GPT-4V(Vision)は画像認識機能であり、GPT-4oの機能に含まれています。
この機能により、AIは画像を分析し、内容を詳細に説明したり、画像に関連する質問に回答したりできます。
たとえば、料理の写真をアップロードして「この料理の名前と主な材料は?」と質問すると、料理名や材料、調理法を教えてくれます。
実際に筆者が以前作ったユッケ丼の写真をアップロードして質問したところ、以下の回答が返ってきました。
画像のように、GPT-4Vの機能は画像の内容を詳細に分析し、関連する情報を提供できます。
さらにGPT-4oは、画像から文字を読み取る技術(OCR)も向上しています。
前身のGPT-4では、日本語の読み取りが苦手とされていました。
一方でGPT-4oでは、以下の画像のように、手書きの日本語で書かれたものでも内容を的確に読み取れています。
ほかにも、看板に書かれた英語の即座翻訳や、領収書の仕訳といったタスクの精度が向上し、より利便性が高まっています。
DALL・E3(画像生成)
DALL・E3(ダリ・スリー)は、GPT-4oに統合された最新の画像生成AIで、テキストの説明から高品質な画像を生成できます。
前バージョンであるDALL•E 2よりも、詳細で正確な画像を作成する能力が向上しています。
たとえば「未来的な東京の街並みを、空飛ぶ車と緑豊かな垂直庭園のある高層ビルで描いてください」と指示すると、DALL・E3は以下のような画像を生成します。
DALL・E3なら商品のコンセプト画像や広告ビジュアルの素案を作成できますので、デザイナーやマーケティング担当者にとって非常に便利でしょう。
ただし、使用時には著作権や肖像権などの法的・倫理的問題に注意が必要です。
ChatGPTでの画像生成方法に関しては、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:【実例あり】ChatGPTで画像生成する4ステップ・6つのコツを解説
メモリ機能
GPT-4oのメモリ機能は、以下画像のように、ユーザーとのチャットの履歴を保持するものです。
ChatGPT自体が過去のやり取りからユーザーの好みや傾向を記憶し、一貫性のある応答をすることで、継続的な会話を可能にします。
この記憶は、チャットの消去に関わらず残り続けるので、新しいチャットのたびにユーザー特有の情報を教え込まなくてよいのです。
また、メモリ機能のオフや不要なメモリの削除もできます。
削除する場合は、ChatGPTの画面右上のアイコンから設定に進み、「パーソナライズ→管理する」と進んでください。
プライバシーに関わる機密情報を守りたい場合は、メモリ機能をオフにして利用すれば安心です。
万が一オフを忘れた場合は、メモリの管理を行って、不要な情報を削除しましょう。
GPTs(カスタム機能)
GPTsは、ChatGPTの機能を拡張し、特定の目的に特化したAIをカスタムできる機能です。
ユーザーのニーズに合わせてAIをカスタマイズし、専門的なタスクを効率的に実行できます。
GPTsの作成は簡単で、専門的なプログラミング知識を必要としません。
目的やデータソース、応答スタイルなどを指定するだけで、独自のGPTを設計できます。
たとえば、以下のような応用が可能です。
- 法律相談に特化したGPT
- 企業の製品サポートに特化したGPT
- 教育支援のチューターGPT
- 企業の業務サポートGPT
- クリエイティブ支援のアートGPT
- 健康管理のアドバイスGPT
ただし、GPTsの中身が他人に抜き取られる「プロンプトインジェクション」と呼ばれる攻撃を受ける場合があります。
個人情報や機密情報を入力したGPTsは、非公開設定にすることが推奨されます。
また、ユーザー自身でGPTsを作成するだけでなく、他者が作成したGPTを使うこともできます。
便利でおすすめしたいGPTsを6つ紹介しますので、ぜひ使ってみてください。
- WebPilot
- Consensus
- Canva
- Logo Creator
- Smart Slides
- Vox Script
それぞれのGPTsについて解説します。
WebPilot
WebPilot(ウェブパイロット)は、ウェブサイトから情報収集できるGPTsです。
ChatGPTの標準機能であるブラウジングよりも情報収集能力が高いため、リサーチ時に活用することが推奨されます。
チャットに特定ページのURLを記載し「要約してください」と送信すれば、以下のようにページの内容をわかりやすく要約してくれます。
内容をわかりやすくまとめてくれるので、ニュース記事の要点を掴んだり、製品のレビューを探すときにも便利です。
Consensus
Consensus(コンセンサス)は、学術論文を分析し、内容の要約や翻訳などが可能なGPTsです。です。
情報源は2億件以上の化学分野の論文で、データは毎月更新されているので、新鮮かつ信頼できる情報を得られるでしょう。
たとえば「最近の気候変動が農業生産に与える影響について教えてください」と質問すると、以下のように、複数の学術論文から得られた結論を出力します。
1つのテーマについて、複数の論文を読み解くコストが削減されるので、研究やレポートに用いる情報を素早く手に入れられます。
Canva
Canva(キャンバ)は、デザイン作成を助けてくれるGPTsです。
作りたい物を送信して詳細の質問に答えると、デザインに適切なテンプレートを提案してくれます。
たとえば以下のようなやりとりを経て、計5つのテンプレートが提案されました。
リンクをクリックするとCanvaの編集ページに移動します。あとはデザインを微調整したり、メッセージを入れたりすれば、デザイン作成の完了です。
CanvaのGPTsを使えば、デザインの効率が向上し、プロのような仕上がりを実現できます。
Logo Creator
Logo Creator(ロゴ クリエイター)は、企業やブランドのロゴデザインを支援するGPTsです。
ユーザーの要件に基づいて、独自のロゴデザインを生成し、複数のバリエーションを提供します。
以下のようにロゴのモチーフを送信すると、ロゴのテイストや詳細さ、配色、作成枚数の選択に移りました。
今回の場合、以下のようにロゴが出力されました。
Logo Creatorを使うことで、簡単にロゴを作成できるだけでなく、複数のロゴ案を比較して最適なものを選べますので、ぜひ使ってみてください。
Smart Slides
Smart Slides(スマート スライド)は、簡単にプレゼンテーション資料を作成できるGPTsです。
以下のように、チャットにスライドのテーマを送るだけで、データを収集して自動的にスライドを作成してくれます。
さらに、使いたいデータや表示するテキスト、レイアウト、カラーチャートなどを指定して、より詳細に作り込んだスライドを作ることも可能です。
一から作り込まなくてよいので、会議でのプレゼンテーションや授業での発表に役立ちます。
ChatGPTでスライドを作成する詳しい流れや方法は、以下の記事をぜひ参考にしてください。
Vox Script
Vox Script(ボックス スクリプト)は、YouTube動画の要約に役立つGPTsです。
YouTube動画のURLをおくるだけで、以下画像のように、動画の概要をまとめてくれます。
サービスのアップデート情報や学術発表のように、視聴や内容の理解に時間がかかる動画の場合、資料作成のために毎回すべて資料するのは手間がかかります。
英語の動画であれば、翻訳にも時間がかかるでしょう。
Vox Scriptを使えば、動画内容の理解や翻訳にかかる手間が省けて、業務時間を大幅にカットできます。
その他のおすすめGPTsに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
音声・動画認識機能
2024年6月27日時点、アプリ版では音声入力が利用できます。
そして今後、音声・動画認識に以下のような機能が追加される予定です。
- 音声から感情を理解・感情のある音声の生成
- リアルタイムでの動画認識
- 画面共有
- 動画ファイルの読込・認識
音声認識機能はより発展し、以下動画のように、人間の発する音声から感情を理解したり、感情の乗った音声を生成できるようになります。
次に以下の動画では、目の前の風景をChatGPTに見せながら、状況を解説してもらっています。
ChatGPTがリアルタイムで状況を把握し、命令を実行できることで、これまで実現できなかった処理も可能になるでしょう。
さらにタブレットやPCと画面共有をしながら対話できるので、以下の動画のように、ミーティングへの参加や教師役が可能となります。
音声・動画認識機能は、ユーザーの作業効率だけでなく、情報のアクセス性を高め、意思決定や学習、コミュニケーションの質を向上できるでしょう。
音声機能(ボイスモード)に関しての最新情報は、以下の記事からご確認ください。
関連記事:ChatGPTの会話機能「ボイス(音声)モード」とは?利用開始時期や活用例を解説
SearchGPT
SearchGPT(サーチ・ジーピーティー)はインターネット上の情報を瞬時にまとめることに特化したAIで、GoogleやYahooでの検索に代わるものとして注目を集めています。
SearchGPTを活用することで、インターネット上の情報を参考にして回答を生成できるため、信頼性が高まります。
ただし、2024年7月26日時点でSearchGPTは一般公開されておらず、利用できません。SearchGPTをいち早く使いたい方は、ウェイティングリストに登録することで一般公開後に早めのアクセスが可能になります。
SearchGPTをいち早く使ってみたい方は、以下のリンクからウェイティングリストに登録しましょう。
ウェイティングリストのリンクはこちら>https://chatgpt.com/search
SearchGPTについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:【ググる時代は終わり】SearchGPTとは?使い方や活用例を解説!
ChatGPT4(GPT-4o)・GPT-4・3.5の違いは?
ChatGPT-4(GPT-4o)、GPT-4、そしてGPT-3.5は、いずれもOpenAIが開発した高度なAI言語モデルですが、それぞれに特徴や違いがあります。
以下の表を用いて、これらのモデルの主な違いをわかりやすく説明します。
特徴 | GPT-3.5 | GPT-4 | GPT-4o |
性能 | 低い | 高い | 非常に高い |
パラメーター数※ | 約3,550億個 | 約1兆個 | 約1兆個 |
学習時期 | 2022年1月 | 2023年12月 | 2023年10月 |
文脈理解 | 良好 | 優れている | 非常に優れている |
メモリ機能 | あり | あり | あり |
カスタム機能(GPTs)の作成 | なし | あり | あり |
画像生成 | 不可 | 可能 | 可能 |
画像認識 | 不可 | 可能 | 可能 |
Advanced Data Analysis | 不可 | 可能 | 可能 |
ファイルのアップロード | 不可 | 可能 | 可能 |
料金 | 無料 | 有料 | 一部有料 |
※AIモデルが学習した知識を表現する数値。数値は非公開であるため予測。
「3.5より4、4より4o」という順で性能が高まり、利用できる機能が増えています。
とくにGPT-4やGPT-4oは、GPTs作成の機能が備わっているので、より個々人の好みや目的に沿った出力を叶えてくれます。
文章生成だけでなく、ブラウジングやデータ解析、カスタム機能をより高精度な状態で使って作業効率を高めたいならば、ぜひ有料版のChatGPTを利用してみてください。
また、GPT-4o mini(ジーピーティーフォー・オー・ミニ)と呼ばれる、GPT-4oよりもさらに応答が速く、低コストなモデルが2024年7月に発表されました。
GPT-4o miniについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
ChatGPT-3.5と4の違いに関して詳しくは、以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:ChatGPT-3.5とChatGPT-4の違い!料金・機能・使い方の違いをわかりやすく解説
また、さらに上位のモデルであるGPT-5のリリースも噂されています。GPT-5について公式情報を知りたい方は、以下の記事をご確認ください。
関連記事:【公式情報あり】ChatGPT-5のリリースはいつ?気になる料金や性能も解説!
2024年9月13日より、ChatGPTでは「OpenAI o1」というモデルも利用できるようになりました。OpenAI o1については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:OpenAI o1とは?6つの特徴や利用制限、GPT-4oとの違いを解説
ChatGPT4(GPT-4o)の活用事例
文章や画像の高精度な生成ができるGPT-4oは、ビジネスのさまざまな場面でも役立ってくれます。
たとえば以下のような業務や作業に活躍できるモデルです。
- プログラミングコードの実行・バグチェック
- メールの作成
- 業務マニュアルの作成
- 議事録の作成
- 企画リサーチ・競合リサーチ補助
- さまざまな観点からのアイデア出し
- タスク管理
- FAQ(よくある質問)の作成
- APIを用いたチャットボット作成
メールやマニュアル、議事録は、必要なときに都度作りがちなものですが、GPT-4oを使えば迅速に作成でき、他業務の時間を確保できます。
企画や競合リサーチ、アイデア出しも、GPT-4oが出力したものを参考に行えば、ゼロから始める必要がありません。
会社サイトに設置するFAQ(よくある質問)も同様で、ChatGPTに質問や回答を送信して微調整するだけで完成するので手軽です。
そしてAPIを用いたチャットボット※作成は、人件費の削減や業務効率化、顧客満足度の向上に役立ちます。
※チャットボット:テキストや音声で質問への回答や情報提供、タスクの実行を行うプログラム
ChatGPTの活用事例については以下の記事もあわせてごらんください。
関連記事:ChatGPTの活用方法17選!国内企業や海外企業の活用事例も解説
ChatGPT4(GPT-4o)を使う注意点は4つ
GPT-4oは非常に強力なAIツールですが、使用する際にはいくつかの注意点があります。
- 誤情報の場合がある
- 機能や使用回数に制限がある
- 標準機能や拡張機能が使用不可になる場合がある
- 情報漏洩の可能性がある
とくに重要な上記4つの注意点について説明します。
誤情報の場合がある
非常に高い精度を持つGPT-4oは、完全に正確な情報を提供するわけではありません。
AIは膨大なデータセットをもとに学習していますが、誤った情報や古い情報を含んでいる可能性があります。
たとえば、最新の科学的発見やニュースに関する質問に対して、正確な回答を提供できない場合があります。
このため、GPT-4oが提供する情報を鵜呑みにせず、とくに重要な決定を行う場合は、他の信頼できる情報源と照らし合わせることが大切です。
誤情報を避けるためには、AIの回答を検証し、必要に応じて専門家の意見を求めましょう。
ChatGPTの誤情報・誤回答への対策は以下の記事で解説しています。
機能や使用回数に制限がある
GPT-4oの利用には、プランによって機能や使用回数に制限がかかります。
とくに無料プランの場合、1日の使用回数は「5時間に約10回」とされています。※
※回数制限は変更される可能性あり
10回以上のチャットや大量のデータ処理が必要なタスクでは、容易に制限に達してしまい、制限の開放を待つ間の作業が止まってしまうでしょう。
この制限を回避するためには、有料プランへのアップグレードを検討することが一つの方法です。
有料プランでは、より多くのチャット(無料ユーザーの約5倍とされている)が可能なので、効率的にGPT-4oを活用できます。
標準機能や拡張機能が使用不可になる場合がある
GPT-4oは、標準機能や拡張機能を提供していますが、これらの機能が一時的に使用不可になる場合があります。
たとえば、システムのメンテナンスやアップデート中、サーバーの負荷が高い場合です。
一部機能の利用制限や応答の遅延が生じてしまいます。
過去には、たとえば2023年3月にGPT-4がリリースされた際、サーバーへのアクセスが集中して一部ユーザーが使用できなくなりました。
また、ChatGPTのUIや仕様の更新により、特定の拡張機能が一時的に使用不可になったケースもあります。
このような状況でも慌てないために、とくに重要なタスクでは余裕を持った計画が重要です。
また、定期的にOpenAIの公式サイトやサポートページを確認し、システムの状態やメンテナンス情報を把握しておくことも有効です。
情報漏洩の可能性がある
GPT-4oを使用する場合、情報漏洩のリスクにも注意が必要です。
AIとの対話中に入力したデータは、OpenAIのサーバーに送信され、処理されます。このため、機密情報や個人情報は慎重に取り扱う必要があります。
しかし、情報漏洩のリスクは完全には取り払えないものですから、心配や不安があるでしょう。
このリスクに対応するために、ChatGPTにはオプトアウト設定があります。オプトアウトの設定に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:ChatGPTのオプトアウトで情報漏えい対策!概要や設定方法を解説
オプトアウト設定は、入力した情報をChatGPTが学習しないようにする機能で、誰でも無料で行えます。
この機能を用いることでデータの流出を防げますから、情報漏洩のリスクに大きな不安を抱えている方はぜひ設定してください。
情報漏洩のリスクや対策は、以下の記事で詳しく解説しています。
業務をサクサクに!ChatGPT4(GPT-4o)の始め方や使い方
では、GPT-4oの始め方・使い方について、以下5つに分けて説明します。
- 登録・ログイン方法
- 画面の見方・使い方
- APIの利用方法
- アプリの使い方
- 解約方法
実際の画面も掲載しますので、ぜひ参考にしてください。
登録・ログイン方法
GPT-4oの登録・ログイン方法は以下の通りです。
- ChatGPT公式サイトにアクセスし「Start now」ボタンをクリック
- 「サインアップ」ボタンをクリック
- 必要な情報を入力してアカウントを作成
まずはChatGPT公式サイトで「Start now」ボタンをクリックしてください。
出典:ChatGPT公式
「サインアップ」ボタンをクリックするとアカウント作成画面に移動します。アカウントの作成は以下いずれかで行えますので、好みのものを選びましょう。
- メールアドレス
- Googleアカウント
- Microsoftアカウント
- Appleアカウント
メールアドレスで登録する場合は、パスワードの設定をしたのち、登録したメールアドレスに届いた確認メールを開きましょう。
開いたら「メールアドレスの確認」のボタンをクリックし、必要な情報を入力してアカウント作成は完了です。自動でChatGPTの画面に移動します。
画面の見方・使い方
ChatGPTの画面では、以下の主要な機能を利用できます。
場所 | 機能 |
左側(サイドバー) | 過去の対話履歴・新規チャット・サイドバーを閉じる |
右上 | 設定・ChatGPTのカスタマイズ |
下 | 入力フィールド |
サイドバーには過去のチャット履歴が表示されます。いつでも内容を確認できるので、継続的なやりとりが可能です。
各チャット履歴の右にある「•••」をクリックすると、以下の4つが行えます。
- 共有する
- 名前を変更する
- アーカイブする
- 削除する
他者にチャット内容を共有したいときは、「共有する」を選べば共有用のURLが発行されます。
チャットを開始すると自動でタイトルがつきますが、話題が何か不明になるケースもあります。わからなくならないよう、各チャットの話題ごとに名前をつけておくのがおすすめです。
さらに、チャットが増えると履歴をさかのぼりにくくなりますから、使用しない履歴はアーカイブ(保存)するか削除しましょう。
アーカイブした履歴は、画面右上「設定」から確認やアーカイブの解除ができます。
また、右上のアイコンをクリックすると「ChatGPTをカスタマイズする」と表示されます。
「ChatGPTをカスタマイズする」では、ChatGPTの返答の仕方や口調を指示できます。フォーマルやタメ口など、あなたの好みに合わせて設定してみてください。
さらに、趣味や興味を入力すれば、より適切で関連性の高い回答を得られるようになります。
APIの利用方法
GPT-4oでは、API※を利用して独自のツールを開発できます。
※API:他のアプリケーションやサービスと連携する仕組み
プログラミングの知識が必要ではありますが、ニーズに沿ったツールを作成できるので、業務効率や顧客満足度の向上に非常に有用です。
APIの利用手順は以下の通りですので、APIを使いたい方はぜひ参考にしてください。
- OpenAIアカウントでログイン
- 右上のアイコンをクリック
- 「Your profile」を選択
- 「User API keys」を選択
- 「Create new secret key」をクリック
- 任意の名前を入力して「Create secret key」をクリック
- 発行されたAPIをコピー
- 任意のソフト・アプリケーションでAPIを呼び出す
※APIの呼び出し方は利用環境によって異なります。各ソフト・アプリケーションの操作方法を確認が必要です。
アプリの使い方
GPT-4oはモバイルアプリ・デスクトップアプリでも利用可能です。
どちらのアプリも、画面の表示はブラウザ版と大きく変わりません。ブラウザ版と異なるのは以下2点です。
- 音声でテキストを入力できる
- チャット履歴を検索できる
アプリ版では、入力フィールドの右側にあるヘッドホンのようなマークから音声入力ができます。
また、サイドバー上部の検索欄にワードを入力すると、チャット履歴を検索できて便利です。
では、モバイルアプリとデスクトップアプリそれぞれについて、使い方や特徴を説明していきます。
モバイルアプリ
モバイルアプリは、App StoreまたはGoogle Playストアで「ChatGPT」アプリをインストールし、OpenAIのアカウントでログインすれば開始できます。
サイドバーは非表示になっていて、左上の2本線をタップすると表示されます。
バックグラウンド状態(画面オフの状態)でも音声でチャットしたい場合は、サイドバー下部「•••」から「バックグラウンドでの会話」をオンにしてください。
デスクトップアプリ
デスクトップアプリは、2024年6月27日現在、Macユーザー向けに提供が開始されています。Windows版は2024年後半にリリース予定です。
デスクトップアプリのメリットは、ブラウザを使わずChatGPTを利用できる点と「option+space※」のショートカットキーで瞬時にChatGPTを呼び出せる点です。
※Mac版の場合
デスクトップアプリとブラウザ版ChatGPTの相違点を以下にまとめます。アプリを導入する際の参考にしてみてください。
項目 | デスクトップアプリ | ブラウザ |
アクセス方法 | デスクトップアプリをインストールして使用 | Webブラウザを使用してアクセス |
プラットフォーム | macOS | 任意のOS (Windows, macOS, Linux など) |
インターネット接続 | 必須 | 必須 |
デバイスの依存性 | インストールされたデバイスに依存 | どのデバイスからでもアクセス可能 |
アクセス性 | ショートカットで瞬時にアクセス可能 | ブラウザを開く必要性あり |
デスクトップアプリのインストールはこちらから実施できます※。
※2024年6月27日時点ではMac版のみ
ChatGPTのアプリは便利ですが、詐欺を狙った偽物も存在します。本物のアプリを安心して使いたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:偽物に注意!本物のChatGPTアプリの使い方・利用料金を解説
解約方法
ChatGPTの有料プランの解約は以下の手順で行います。
- ChatGPT画面「設定」から「マイプラン」を選択
- ポップアップ下部「サブスクリプションを管理する」をクリック
- 「プランをキャンセル」をクリック
ブラウザから有料プランに登録していた場合、アプリでは解約できず、ブラウザでの操作が必要です。同様に、アプリでの登録ならアプリで操作しましょう。
また、有料プランの解約は、次回請求日の24時間前には完了することをおすすめします。自動的に課金されてしまうためです。
解約後は、有効期限内であれば有料プランを利用できるので、「解約するのを忘れそう」という方は先んじて解約手続きをしておきましょう。
他の生成AIとChatGPT4(GPT-4o)の違いは?
高精度で多機能なGPT-4oは、他の生成AIとどのような違いがあるのでしょうか?
以下の表は、GPT-4oとClaude・Perplexity・Copilot・Geminiの主な違いをわかりやすくまとめたものです。
あなたがどの機能の利用を目的とし、何を優先したいのか、ぜひ考えながら比較してください。
特徴 | ChatGPT | Claude | Perplexity | Copilot | Gemini |
開発元 | OpenAI | Anthropic | Perplexity AI | Microsoft | |
主な特徴 | ・高性能、高速 ・多機能 | 3つの高性能モデルを使用可能 | 検索エンジンと統合されたAI | Microsoft Office製品と統合可能 | Googleサービスと統合可能 |
使用可能 モデル | ・GPT-3.5 ・GPT-4 Turbo ・GPT-4o ・DALL•E 3 | ・Claude 3 Haiku ・Claude 3.5 Sonnet ・Claude 3 Opus | ・Perplexity ・GPT-4o ・Claude 3.5 Sonnet ・Claude 3 Opus ・Sonar Large 32K ・Stable Diffusion XL ・DALL•E 3 ・Playground v2.5 | ・GPT-4 Turbo | ・Gemini 1.0 Pro ・Gemini 1.5 Pro ・Gemini 1.5 Flash |
ChatGPT4(GPT-4o)を無料で使用する方法3選
GPT-4oは無料ユーザーでも利用可能ですが、使用回数に制限があるので“完全に無料で使えるツール”とは言えません。
しかし実は、GPT-4oモデルを無料で使える方法があります。
今回は3つのおすすめなツールを紹介します。
- 教えてAI
- invisivility
- リートン
「できるだけ費用を抑えて使いたい」という方は、ぜひ利用してみてください。
天秤AI(教えてAI)
出典:天秤AI公式
「天秤AI」は、GPT-4oの技術を活用した無料の質問応答サービスです。
大きな特徴は、計8つのモデルから最大6つを選択して、同時に出力できることです。
さまざまなモデルで一度に出力でき、複数のサービスでプロンプト(指示文)を入力する手間が省けます。
さらに複数の出力を比較できるので、使いやすさや利用目的にマッチした出力内容を得られて便利です。
そして「プロンプトを呼び出す」をクリックすると、同じくGMOからリリースされている「教えてAI」で検索してプロンプトを利用できます。
invisibility
invisibilityは、無料のAIチャットボットサービスで、2024年6月27日現在はMac専用です。
「option+space」のショートカットキーで簡単に呼び出せて便利に使えます。
テキスト入力もしくはスクリーンショットでプロンプトを送信可能で、文章要約や質問への回答をしてくれます。
自然な日本語で出力してくれるので、「日本語でも不自由さを感じずに使いたい」という方におすすめです。
リートン
出典:リートン公式
リートンは、AI技術を活用した文章作成支援ツールです。無料で使用回数に制限なく利用できます。
日本語の文章生成に特化していて、ビジネス文書や創作活動をサポートしてくれます。
モバイルアプリ版もリリースされているので、外出先でも手軽に利用できます。
プロンプトを提案してくれますし、直感的に操作できる見た目なので、「AIツールは使うのが難しそう」とイメージしている方は、ぜひリートンを使ってみてください。
GPT-4oの基礎知識を押さえて実際に活用してみよう
GPT-4oは、マルチモーダルで、回答の正確性や多様な機能が特徴のAIモデルです。
テキストの読み取りやデータ分析、アイデアの提案もしてくれるので、ビジネスシーンではとくに業務効率化に大きく役立ってくれます。
将来的には音声や動画もリアルタイムで認識できるようになるため、ChatGPTの存在自体がより日常的なものになっていくでしょう。
今日、多くの人が、ChatGPTに「難しそう」「自分には使えなさそう」と感じています。
しかし、実はポイントさえ知っておけば、誰でも簡単に使いこなせるツールです。ぜひ、ChatGPT-4を使って、今日から業務を効率化させてみてください。
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