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  • 生成AIトレンド

ChatGPT「Canvas」が正式リリース!特徴や使い方を解説

2024年12月11日、ChatGPT「Canvas」が正式リリースされました。

Canvasは、チャット対話型の生成AIとして視認性の高い画面構造や編集機能の充実さが特徴です。

今後の生成AIの進歩、そしてユーザーの活用範囲の拡大において、Canvasは大きな役割を果たすでしょう。

本記事では、正式リリースされたChatGPT「Canvas」について、概要や特徴、使い方を解説します。

ぜひCanvasの優秀さや使い方を知って、これからのAIの波に乗り遅れないようにしてください。

監修者

SHIFT AI代表 木内翔大

(株)SHIFT AI 代表取締役 / GMO AI & Web3株式会社AI活用顧問 / 生成AI活用普及協会理事 / Microsoft Copilot+ PCのCMに出演 / 国内最大級AI活用コミュニティ(会員1万人超)を運営。
『日本をAI先進国に』実現のために活動中。Xアカウントのフォロワー数は10万人超え(2025年1月現在)

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ChatGPT「Canvas」が正式リリース

ChatGPT「Canvas」
ChatGPT「Canvas」
参照:Introducing canvas(OpenAI)

2024年12月11日(日本時間)、OpenAI「12 Days of OpenAI」の4日目で、ChatGPT「Canvas」の正式リリースが発表されました。

「Canvas」は2024年10月にベータ版を提供開始しましたが、その時点で利用できたのは有料プランユーザーのみです。

今回の正式リリースにともない、利用プランに関わらず全ユーザーが使えるようになりました。

現在はブラウザ・Windowsアプリでのみ利用できます。

Macアプリやモバイル(ブラウザ・iOSやAndroidアプリ)については、近日中に利用可能になる予定です(ブラウザ・Windowsアプリで行ったCanvasでのチャットは閲覧できます)。

Canvasとは?

そもそもCanvasとは、従来の「ChatGPTとやりとりしながら生成」という仕組みに加え、チャットと生成結果を左右にわかれた画面で展開し、生成結果を直接編集できる機能です。

イメージとしては、ChatGPTと共同作業が行えるワークスペース、あるいは人間が作成したものを改善してくれるアドバイザーといえるでしょう。

2024年10月発表のベータ版では文章作成やコーディングを行えました。今回の正式リリースで、Pythonコード実行機能※やカスタムGPTへの統合が追加されたのです。
※Pythonコード:オープンソースで展開されている汎用性の高いコード

Pythonを使えば、グラフや図表などのグラフィックを簡単に作成できるので、とくに資料作りをしたい大学生や社会人にとって有用な機能です。

現在、使用モデルはGPT-4oに統合されています。

無料プランの場合、GPT-4oの利用制限※に達すると同時にCanvasも利用できなくなるので、GPT-4oの利用制限の解除を待ちましょう。
※GPT-4oでのチャットが5時間に10回程度

GPT-4oのみより精度・品質が向上

Canvasの正式リリースに際し、OpenAIは「GPT-4oのみ使用」と「GPT-4oでCanvasも使用」の2種類で人間の評価による検証を繰り返しました。

精度や品質の面では、「GPT-4oでCanvasも使用」は「GPT-4oのみ使用」より精度が30%、品質が16%向上したとされています。

Canvasの精度や品質に関する検証結果
Canvasの精度や品質に関する検証結果
参照:Introducing canvas(OpenAI)

筆者の肌感覚としても、生成される文章の内容や構成が以前より自然で洗練された印象です。

高品質な生成をしてくれるGPT-4oですが、Canvasをあわせて使用することで、より品質が高められます

参照:Introducing canvas(OpenAI)

ChatGPT「Canvas」の特徴

ChatGPT「Canvas」の特徴は以下の5つです。

  • チャット履歴と生成結果の見やすさ
  • 生成結果の編集が可能
  • コードの生成から修正まで完結
  • 外部APIへのリクエストを実行可能
  • カスタムGPTへの搭載

Canvasの活用でどのようなことが叶うのか、ぜひチェックしてChatGPTの進歩を実感してください。

以下特徴の中で触れる機能については、『ChatGPT「Canvas」の使い方』で解説します。

チャット履歴と生成結果の見やすさ

Canvasを利用すると、チャット履歴が画面左、生成結果が画面右に展開されます。

ChatGPTをはじめとする従来の生成AIでは、送信したプロンプトと生成結果が1つの画面内に表示され、縦にスクロールする仕組みでした。

数回前のやりとりを確認するには、何度もスクロールして該当箇所を探さなければならず、手間に感じた方もいるでしょう。

対してCanvasでは「左右に展開する」という革新的な仕組みを採り入れているので、「今何をしているのか」を把握しやすいのです。

また、Canvasは生成結果の長さによって自動で展開されます。

たとえばエッセイのような文章を生成するとき、ChatGPTによって「生成結果が長くなる」と判断された場合には、「Canvasを使う」と指示していなくても展開してくれるのです。

OpenAIのページで紹介されている以下プロンプトを試してみると、選択しなくてもCanvasが展開されました。
参照:What is the canvas feature in ChatGPT and how do I use it?(OpenAI

イチゴが擬似果樹である理由についての長いエッセイを書いてください
ChatGPTが生成内容から判断し自動でCanvasを展開した様子
ChatGPTが生成内容から判断し自動でCanvasを展開した様子

Canvasの自動展開について、従来のような一般的な質問と回答(例:夕食に新しいレシピを作るのを手伝ってください)に対しては展開しないようトレーニングされています。

生成結果の編集が可能

CanvasではChatGPTが生成した結果を直接編集できます。筆者目線、この機能がCanvasの最大の魅力です。

従来の生成AIでは、生成結果の修正や編集をするとき、プロンプトで指示しなければなりませんでした。

プロンプトでの指示ですから、部分的な修正を的確に伝えられなかったり、余計な部分が編集されたりした経験があるでしょう。

Canvasでは生成結果を直接編集できるので、画面の右側をまるでドキュメントのように使用して、細部まで希望が行き渡った生成を行えるのです。

さらには、直接的な編集だけでなく、ショートカット機能を利用した編集もできます。

これまで抱いていた「生成結果の編集に対するいらだち」が軽減されることで、ChatGPTの活用がより身近になるきっかけになるでしょう。

コードの生成から修正まで完結

Canvasを使えば、環境の切り替えをせずに、コードの修正から結果確認までを実行できます。

実際の出力結果をChatGPT上(コンソール欄)で見ながら調整できるので、グラフィックの完成度を高められるでしょう。

コンソール欄に出力したとき、エラーが生じた場合には、ChatGPTが改善案やコード案を的確に提供してくれます。

コードの生成は基本的にPythonコードで行われ、生成後に他の言語に移殖可能です。

ただし、コード生成後にCanvasで実行できるのは、現在Pythonコードで書いた場合のみですから注意してください。

外部APIへのリクエストを実行可能

Canvasには、ブラウザ内でPythonコードから直接外部APIにリクエストを送信できる機能が搭載されています。この機能は今回の正式リリース時に追加されました。

この機能によって、ChatGPT内で外部のデータをリアルタイムに取得できるのです。

たとえば以下のようなシーンで活用できるでしょう。

  • 天気予報サイトから最新の気象データを取得
  • 為替レートのリアルタイム情報を抽出
  • ニュースサイトから最新記事のデータを即座に取得
  • 外部APIのレスポンスのテストや整形

GPT-4oにはウェブ検索機能こそありますが、この機能を活用すれば、より新鮮でピンポイントな情報収集が可能になるのです。

カスタムGPTへの搭載

「カスタムGPT(あるタスクに特化したGPTsのうち自作したもの)」にもCanvasを組み込めます。この機能は今回の正式リリース時に追加されました。

作成する時点でCanvasを使用するかどうか設定できるので、チャットのたびに選択する必要がなく便利です。

GPT作成画面「機能」の欄に「Canvas」があり、チェックを入れるだけで反映されます。

CanvasはカスタムGPTにも設定可能
CanvasはカスタムGPTにも設定可能

コードや文章作成など、より専門的な作業でCanvasを活用したい方は、ぜひあなた専用のカスタムGPTを作ってみてください。

ChatGPT「Canvas」の使い方

ChatGPT「Canvas」の使い方を以下の項目にわけて解説します。

  • Canvasの起動方法
  • プロンプト入力欄の使い方
  • エディタの見方
  • エディタでの生成結果の編集方法

実際の出力結果もあわせて解説しますので、ぜひ参考にして、Canvasを使ってみてください。

Canvasの起動方法

Canvasの起動方法には以下3つがあります。どの方法でも構いませんが、筆者個人的には1つ目の方法がもっとも手軽です。

  • チャット欄「ツールを表示」から「キャンバス」を選択
  • チャット欄にコマンド「/canvas」を入力
  • プロンプトに「キャンバスで展開してください。」と記載
Canvasを起動する方法
Canvasを起動する方法

上記3つの方法はプロンプト送信時にCanvasを起動する方法ですが、Canvasを開いてからプロンプトを送信することも可能です。

その場合は、まず「キャンバスを開いてください。」と送信し、次に実行してほしいプロンプトを送信しましょう。

このようにすると、チャット上に「New」のCanvasが表示されて利用可能になります。

プロンプトでCanvasを開くよう指示
プロンプトでCanvasを開くよう指示

Canvasのエリアをクリックすると左右にわかれた画面が展開され、通常の画面でプロンプトを送信してもCanvasを展開した画面に切り替わります。

Canvasのエリアをクリックすると左右にわかれた画面が展開
Canvasのエリアをクリックすると左右にわかれた画面が展開

プロンプト入力欄の使い方

Canvasのプロンプト入力欄は、ファイルの添付やウェブ検索など、通常のチャット入力欄と同様に使えます。

ただし、有料プランで利用できる「理由(o1モデル)」は、Canvas上では使用できません。

Canvas画面のプロンプト入力欄
Canvas画面のプロンプト入力欄

さらに、プロンプト入力欄に「@」を送信すると、ピン留めしているGPTsを呼び出せます。

チャット履歴・生成結果の左右の幅は、間のラインにカーソルを合わせれば変更可能です。

エディタの見方

エディタ画面について、画面右上には「生成結果に対する操作」、右下には「ショートカット機能」があります。

画面右上「生成結果に対する操作」に含まれる機能は以下の4つです。

  • 生成履歴
  • 操作を戻す・進む
  • コピー
  • 実行(コード生成時のみ)
Canvas画面右上にある機能

コード生成時に「実行」をクリックすると、Canvas画面の下部に「コンソール欄」が現れ、その欄に生成されたグラフィックが表示されます。コンソール欄も上下の幅を変更可能です。

コード生成時に「実行」をクリックすると「コンソール欄」が出現
コード生成時に「実行」をクリックすると「コンソール欄」が出現

画面右下「ショートカット機能」に含まれる機能は、テキスト生成時とコード生成時で異なります。

テキスト生成時の機能は以下の5つです。

  • 絵文字を追加
  • 最終仕上げを追加(推敲)
  • 読解レベルの調整:ターゲットの年齢層を指定できるスライダー
  • 長さ調整:生成するテキストの長さを調整できるスライダー
  • 編集を提案:ChatGPTが改善案を考えて提案してくれる
テキスト生成時のショートカット機能
テキスト生成時のショートカット機能

コード生成時の機能は以下の5つです。

  • コメント追加:何をしている部分なのか説明、可読性を向上
  • ログ追加:デバッグ用のログやprintステートメント(print()関数)をコードに追加
  • バグ修正:ChatGPTがコード内のバグを検出し、自動的に修正
  • 言語移植:多様なプログラミング言語に変更(JavaScript・Python・Java・TypeScript・C++、PHP)
  • コードレビュー:バグの早期発見やコード品質の向上
コード生成時のショートカット機能
コード生成時のショートカット機能

ショートカットを選択するだけで、さまざまな編集が簡単に行えて便利です。

使用したいショートカットをクリックすると上矢印が出ますので、再度クリックして実行しましょう。

エディタでの生成結果の編集方法

エディタでは、ショートカットやプロンプトでの全体の編集だけでなく、生成結果の特定の部分に対して追記や削除ができます。

テキストを生成した場合は書式の変更も可能です。今回はテキストを生成した場合を例にして解説します。

編集したい箇所を選択すると、以下の編集項目が表示されます。

  • ChatGPTに質問する
  • 太字(Windows:Ctrl + B / Mac:⌘ + B)
  • 斜字(Windows:Ctrl + I / Mac:⌘ + I)
  • 見出し設定
Canvasのエディタで可能な編集
Canvasのエディタで可能な編集

各項目をクリックすれば編集可能ですが、エディタに直接「##(見出し2になる)」を入力したり、選択箇所でパソコンのショートカットキーを使用したりしても編集できます。

1つ目の「ChatGPTに質問する」を行う際は、画面左下のプロンプト入力欄に一度記載してから、コピー&ペーストするのがおすすめです。

「ChatGPTに質問する」をクリックすると以下のように編集内容の入力欄が表示されるのですが、ひらがなを変換してEnterキーを押すと送信されてしまうためです。

「ChatGPTに質問する」をクリックすると編集内容の入力欄が表示
「ChatGPTに質問する」をクリックすると編集内容の入力欄が表示

また、表示される編集項目以外にも「箇条書き(番号あり・番号なし)」を反映できます。箇条書きを使いたいときは、エディタに直接以下のように入力しましょう。

  • 番号あり:- (半角ハイフン + 半角スペース)
  • 番号なし:1.(半角英数字 + 半角ピリオド)
箇条書きは直接編集して反映
箇条書きは直接編集して反映

Canvasは1画面でサクサク操作できる画期的な機能!

2024年12月11日に正式リリースされたChatGPT「Canvas」は、チャット履歴と生成結果が左右にわかれた画面で展開されます。

もっとも大きな魅力は、ChatGPTの生成結果を直接編集できる点です。

その他の特徴や機能を考えると、Canvasは、ChatGPTと共同作業が行えるワークスペース、あるいは人間が作成したものを改善してくれるアドバイザーといえます。

Canvasのリリースで、ChatGPTはもちろん生成AI自体の活用がより身近になり、「AIと共同で何かを作る」という場面がより増加するでしょう。

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記事を書いた人

木村凛日

フリーランスのSEOライター・ディレクター。
AIツールを活用したリサーチ・画像生成を日々行っています。
200名以上のWebライターの育成経験あり。
メディア分析・リライトも担当しています(他メディア)。
パンダが好きです。