中国発のAIモデル「DeepSeek」とは?V3・R1の特徴や料金、安全性を解説!

技術革新と低コストで注目を集めるDeepSeekが、SNSやネットで大きな話題となっています。
DeepSeekのモデルは、OpenAIのGPTよりも大幅に低いコストで開発されたと噂されつつも、性能はGPTシリーズ最新のGPT-4oや推論モデルのo1に匹敵すると言われています。
一方で、ユーザーデータが中国国内のサーバーに保管されるリスクや、中国の思想に寄ったバイアスがかかっているなど、セキュリティやプライバシーに関する懸念も浮かび上がります。
本記事では、DeepSeekの基本的な特徴や使い方、企業や個人が注意すべき安全性などについて解説しています。
記事の内容を参考に、リスクを抑えつつDeepSeekを使えるようになりましょう。

監修者
SHIFT AI代表 木内翔大
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目次
DeepSeekの特徴
まずは、DeepSeekの基本的な特徴を解説します。
- GPT-4oやo1などのモデルに匹敵するAIモデルシリーズ
- 日本語でも利用可能
- オープンウェイトであり誰でも無料で利用可能
- ネット検索や推論が可能
- 超低価格で高性能なAIモデルを開発
- コスト効率が非常に高い
GPT-4oやo1などのモデルに匹敵するAIモデルシリーズ
DeepSeekは中国の企業「DeepSeek Artificial Intelligence」によって開発された、OpenAIが提供するGPT-4oやo1といった高性能AIモデルに匹敵する性能をもつAIモデルシリーズです。
とくに注目されているモデルは、DeepSeek V3とDeepSeek R1です。それぞれのモデルの特徴は以下のとおりです。
モデル | 特徴 |
---|---|
DeepSeek V3 | ・GPT-4oに匹敵する性能をもつ(以下のグラフ参照) ・高速な出力を行える ・API※1を超低コストで使える(他社比)※2 |
DeepSeek R1 | ・OpenAI o1に匹敵する性能をもつ(以下のグラフ参照) ・推論を行うことで複雑なタスクに対応できる ・APIを超低コストで使える(他社比)※2 |
※2:本記事中盤で詳細を解説(リンクをクリックすると移動します)

Reinforcement Learning
GPT-4oやo1は、高度な自然言語処理能力と生成能力で知られており、さまざまな分野で活用されています。
DeepSeek V3とR1がOpenAIのモデルに匹敵するということは、DeepSeekもまた、非常に高度なAI技術を搭載していることを示しています。
ビジネスシーンでの利用はもちろん、研究開発の分野においても、DeepSeekは強力なツールとなり得ます。
DeepSeekのV3モデルについては以下の記事で詳しく解説しているため、参考にしてみてください。
関連記事:GPT-4oを超える?DeepSeek-V3の特徴や使い方を解説!
無料で利用可能
DeepSeekはWebブラウザで使う場合において、料金が一切かかりません。
ChatGPTでDeepSeekと同程度の性能をもつGPT-4oやo1を無料で使う場合、すぐに利用制限にかかります。
一方でDeepSeekの場合、どれだけ使っても無料で、かつ制限がありません。
また、APIを使う場合も、他社モデルと比較して非常に低価格です。(料金の詳細は後述)
世界でもトップレベルの生成AIを無料で使えるのは、DeepSeekの魅力です。
日本語でも利用可能
DeepSeekは中国発の生成AIでありながらも、日本語でも利用できます。

中国企業が開発したため、もっとも得意な言語は中国語、ついで英語ですが、日本語でも十分使えます。
わざわざプロンプトを中国語や英語に変換する必要がないため、使いやすい生成AIといえます。
オープンウェイトであり誰でも無料で利用可能
DeepSeekはオープンウェイトで公開されており、誰でもDeepSeekのモデルを無料でダウンロードし、利用できます。
オープンウェイトとは、AIモデルの学習済みパラメータ(重み)が公開されていることを意味します。
パラメーターは、AIが答えを出すときに、どれぐらい情報を大事にするかを決める「つまみ」や「スイッチ」のようなものです。
AIは学習中に、このつまみを何度も回して、上手く答えられる設定を見つけていきます。たとえば、ラジオの音量や音質を自分好みに調整するように、AIもパラメータを調整しながら最適な答えを探します。
オープンソースという単語を聞いたことがある方は多いと思いますが、オープンウェイトとは別物です。オープンソースは学習データやパラメータ、学習プロセスなどをすべて公開する一方、オープンウェイトはあくまでパラメータのみを公開します。
DeepSeekがオープンウェイトで提供されていることは、ユーザーにとって以下のメリットがあります。
- 無料で利用できるため、コストを抑えながら最新のAI技術を試せる
- ネット上ではなくローカル環境(パソコンやスマホ)で実行可能
- DeepSeekのモデルをベースにカスタマイズやファインチューニングが可能※
※AIモデルを特定の領域に特化させたり、回答の仕方を調整したりする手法
オープンウェイトであることによって、特定の用途に特化したAIモデルを開発したり、DeepSeekの技術を応用した新しいサービスを創出したりする道が開けます。
ネット検索や推論が可能
DeepSeekは、ネット検索機能と高度な推論能力を兼ね備えており、最新の情報にもとづいた回答生成や、複雑な問題解決が可能です。
従来のAIモデルは、学習データに基づいて回答を生成するため、学習データに含まれない新しい情報や、リアルタイムな情報に対応することが苦手でした。
しかし、DeepSeekはネット検索機能を活用することで、常に最新の情報を取り入れ、より関連性が高く正確な回答を提供することができます。
※ただし2025年2月24日時点で、サーバーや技術的な問題でネット検索機能は使用不可
また、DeepSeek R1というモデルでは、推論能力も高く評価されています。単に質問に答えるだけでなく、質問の意図を深く理解し、論理的な思考にもとづいて回答を生成できます。
推論を行うことで、通常よりもユーザーの意図を汲み取りやすくなったり、回答の質が高まったり、ハルシネーション(嘘)が少なくなったりします。
これらの機能により、DeepSeekは情報収集、調査、分析といった業務を大幅に効率化できます。
さまざまな技術を応用することで超低予算の開発を実現

DeepSeekは、最新技術と独自のアルゴリズムを融合し、従来の生成AIと比べて圧倒的なコストパフォーマンスを実現しています。
DeepSeekに主に使われている技術を以下に示します。
技術名 | 概要 | 特徴・メリット |
---|---|---|
Mixture-of-Experts (MoE) | 膨大なパラメータを複数の「エキスパート」(部分モデル)に分割し、入力に応じて必要なエキスパートのみを動的に呼び出す方式。 | ・無駄な計算を減らし、モデルの規模が大きくても推論コストを抑えられる ・大規模モデルでありながら省メモリ・高速化が期待できる |
マルチヘッド潜在アテンション (MLA) | 複数の文脈情報を同時に扱いつつ、メモリ消費を抑えながら長文を処理する手法。 | ・大量のトークン(長い文章)を一度に扱えるため、長文要約や長大テキストの推論が可能 ・メモリ効率を高め、計算リソースの節約が可能 |
マルチトークン予測 (MTP) | ・1ステップで複数のトークン(AIが文章を扱う際に単語や文章を区切って作る最小単位)を生成する仕組み。 ・逐次出力(1トークンずつ順番に生成する方式)に比べ、まとめて推測することで高速化を図る。 | ・応答速度が向上し、大量テキスト生成や会話型AIでのレスポンス改善に寄与 ・逐次生成によるタイムラグを低減し、ユーザー体験を向上 |
強化学習による最適化 | 高度な推論能力を獲得するため、強化学習を組み合わせてモデルを微調整するアプローチ。 | 複雑なタスクや論理的推論での精度が向上し、予期せぬ能力が獲得される場合も |
知識蒸留・モデル圧縮 | ・高性能モデルで学習した知識を、小型のモデルに移し替える技術。 ・推論精度を保ちつつモデルサイズや必要リソースを削減する。 | ・エッジデバイス(スマホやタブレットなど)や低スペック環境でもAIを利用できる可能性が広がる ・学習済みの高性能モデルを活かして、軽量モデルでも比較的高い性能を発揮できる |
上記の技術を活用して、DeepSeekは開発コストを約600万ドル(約9億円)に抑えたといわれています。
同じ性能のAIモデルを作ろうとすると、数百億円はかかるとされているため、DeepSeekは極めて効率的に開発されたといえます。
コスト効率が非常に高い
DeepSeekは高性能でありながら、前述したとおり低予算で開発されているため、OpenAIなどの競合他社と比較して大幅に低い価格でAPIを提供しています。
以下は、DeepSeek V3とR1の料金です。
Model | コンテキストウィンドウ | 最大推論トークン | 最大出力トークン数 | 1M トークン入力料金 | 1M トークン出力料金 |
---|---|---|---|---|---|
deepseek-chat (V3) | 64,000 | – | 8,000 | $0.07 | $1.10 |
deepseek-reasoner (R1) | 64,000 | 32,000 | 8,000 | $0.14 | $2.19 |
たとえば、V3と比較されることが多いGPT-4oは、1Mトークンあたり、入力に$2.50、出力に$10のコストが必要です。
つまり、DeepSeek V3のコストは、GPT-4oの入力コストの約2.8%、出力は約10.8%のコストになります。
OpenAIのGPT-4oに限らず、Googleやその他のAI企業と比較しても、非常に競争力に優れた価格設定です。
DeepSeekのコスト効率の高さは、AI導入のハードルを下げ、より多くの企業がAI技術を活用するきっかけとなるでしょう。
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DeepSeekへの登録方法と使い方(Web版・API)
DeepSeekをWebで使う方法と、APIで使う方法を解説します。
注意!
DeepSeekへの登録は、記事後半で紹介する「DeepSeekの安全性が懸念される理由は?」を確認した後に自己責任で行なってください。
Web版の登録方法と使い方
DeepSeekをWebブラウザで使う場合は、以下の手順を踏みましょう。
アカウント作成またはログイン
ここで、電話番号またはメールアドレスとパスワードを入力するか、Googleアカウントを使用してログインできます。

今回はGoogleアカウントでログインしていきます。
使用するGoogleアカウントを選択して「次へ」をクリックすると、DeepSeekのWeb版にアクセスできます。

ログインが完了すると、以下のようなインターフェースが表示されます。

スマホアプリ
DeepSeekはスマホアプリでも利用できます。AndroidとiOSがリリースされており、以下のリンクからダウンロードできます。
注意!
DeepSeekへの登録は、記事後半で紹介する「DeepSeekの安全性が懸念される理由は?」を確認した後に自己責任で行なってください。
APIプラットフォームの登録方法と使い方
DeepSeekはAPIを通じてプログラムやアプリケーションに統合することが可能です。以下の手順に従って利用を開始してください。
アカウント作成またはログイン
APIを利用するには、DeepSeekプラットフォームにログインする必要があります。
電話番号またはメールアドレスとパスワードを入力するか、Googleアカウントを使用してログインを行います。

今回はGoogleアカウントでログインしていきます。ログイン後、API管理用のダッシュボードが表示されます。
APIキーの取得
ダッシュボードのメニューから「API Keys」を選択します。

選択後、画面下部の「Create new API key」ボタンをクリックします。

ポップアップが表示されるので、APIキーに名前をつけて入力します。
名前を入力後「Create API key」をクリックします。

作成されたAPIキーが表示されます。
このキーは一度だけ表示されるため、忘れないようコピーをして安全に保存してください。

これでAPIキーの作成が完了です。このAPIキーを使用して、DeepSeekの機能をアプリケーションやスクリプトで活用できます。
注意!
DeepSeekへの登録は、次章で紹介する「DeepSeekの安全性が懸念される理由は?」を確認した後に自己責任で行なってください。
DeepSeekの安全性が懸念される理由5選
DeepSeekは2025年2月時点で、SNSやネットなどで安全性の面で話題になっています。本章では、その主な理由を5つ紹介します。
- 中国寄りのバイアスがかけられているから
- 利用方法によっては中国に情報が渡ってしまうから
- 各国が一斉に規制し始めているから
- GPTの出力を再利用(蒸留)している可能性があるから
- チャイナモバイルへのリンクが隠されていたから
中国寄りのバイアスがかけられているから
DeepSeekが話題になっている理由の一つに、中国寄りのバイアスがかけられているのではないかという懸念があります。
DeepSeekは中国の企業によって開発されたAIモデルであり、学習データや開発体制において、中国の影響を受けている可能性が指摘されています。
AIモデルのバイアスは、生成される回答やテキストの内容に偏りをもたらす可能性があり、ユーザーは注意が必要です。
具体的には、DeepSeekが中国の政治体制や社会的価値観を反映した回答を生成する可能性や、中国に不都合な情報を検閲する可能性が懸念されています。

AIモデルのバイアスは、技術的な問題であると同時に、倫理的、社会的な問題でもあります。
DeepSeekを利用する際には、バイアスの存在を認識し、生成された回答を批判的に評価する必要があるでしょう。
利用方法によっては中国に情報が渡ってしまうから
DeepSeekの利用方法によっては、情報が中国に渡ってしまう可能性があるという懸念も、話題になっている理由の一つです。
DeepSeekは中国の企業が運営しており、ユーザーが入力したデータや利用履歴は、中国国内のサーバーに保存される可能性があります。
We store the information we collect in secure servers located in the People’s Republic of China.
引用:DeepSeek Privacy Policy(DeepSeek)
そのため、機密情報や個人情報をDeepSeekに入力する際には、注意が必要です。
DeepSeekのプライバシーポリシーによると、ユーザーのデータは、中国の法律に基づいて管理されるとされています。中国の法律では、政府機関が企業のデータにアクセスすることが認められており、DeepSeekに保存された情報が中国政府に開示されるリスクも否定できません。
とくに、企業がビジネスでDeepSeekを利用する場合、営業秘密や顧客情報など、機密性の高い情報が中国に渡ってしまうリスクが懸念されます。
また、日本政府もDeepSeekの業務利用に関して、各省庁に注意喚起を行っています。国内安全保障の観点からも、非常に重大なリスクと言えます。
参考:DeepSeekの利用に注意 政府が各省庁に喚起(日本経済新聞)
DeepSeekをビジネスで利用する際には、データの取り扱いに関するリスクを十分に理解し、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。
個人で使用する場合も、個人情報や機密情報は入力しないようにしましょう。
各国が一斉に規制し始めているから
前述したように、DeepSeekは情報漏洩リスクが大きいため、世界各国で規制が始まっています。
国/地域 | 対応内容/措置 |
---|---|
アメリカ | ・米議会で「DeepSeek禁止」の超党派法案提出 ・米海軍は「潜在的なセキュリティと倫理上の懸念」を理由に、隊員に対し「いかなる立場でも」DeepSeekを使用しないよう警告 |
台湾 | 「国家の情報セキュリティを危険にさらす可能性がある」との理由で、公的機関・重要インフラ事業者に対しDeepSeekの使用禁止を勧告。 |
韓国 | 韓国の個人情報保護規則に十分対応していないことを理由に、同アプリの新規ダウンロードを停止 |
韓国、アイルランド、フランス、オーストラリア | DeepSeek社に対し、ユーザーデータの取り扱いに関する詳細説明の提出を要求。 |
イタリア | データが中国へ送信されていないかの説明を求め、20日以内の回答を要求。 |
日本 | ・政府が各省庁に使用を控えるように注意喚起 ・国民にアプリダウンロードを控えるように注意喚起 |
各国の対応を見るだけで、DeepSeekの安全性に対する懸念の強さが伺えます。
上記の表も参考にしつつ、利用は自己責任で行いましょう。
GPTの出力を再利用(蒸留)している可能性があるから
DeepSeekが話題になっている理由として、GPTの出力を再利用(蒸留)している可能性があるという指摘も存在します。
蒸留とは、高性能なAIモデル(教師モデル)の知識を、より軽量なAIモデル(生徒モデル)に伝達する技術です。
DeepSeekが、OpenAIのGPTモデルの出力を蒸留することで、高性能かつ低コストなモデルを開発したのではないかという憶測が広がっています。
DeepSeek自身は、学習データの詳細を公式には公開していません。しかし、DeepSeekに「あなたを開発したのは?」と質問すると、「OpenAIです」や「Microsoftです」と答えることがあるという報告があります。

これは、DeepSeekがGPTモデルの出力を学習データとして利用している可能性を示唆するものです。もしDeepSeekがGPTモデルの出力を蒸留している場合、OpenAIの利用規約に違反する可能性があります。
OpenAIの利用規約では、AIの出力を利用して競合するモデルを学習することを禁止しています。
DeepSeekが実際に蒸留を行っているかどうかは不明ですが、その可能性が指摘されていることも、DeepSeekが注目を集める一因となっています。
チャイナモバイルへのリンクが隠されていたから
最新のセキュリティ調査によると、DeepSeekのコード内部に意図的に隠されたリンクが存在することが判明しました。
具体的には、ユーザーがDeepSeekにログインまたは登録を行った際、背後で作動する仕組みとして、CMPassport.comというサイトへのリンクが隠蔽されているのです。
このサイトは、アメリカで既に規制対象となった中国移動通信(チャイナモバイル)が運営しているオンラインレジストリです。
セキュリティ専門家の解析では、この隠しリンクを通じて、ユーザーの個人情報や検索履歴、オンラインでの行動データが中国側のサーバーに送信される可能性が示唆されています。
中国移動通信は過去、アメリカ国内でのデータ漏洩や不正アクセスの懸念から厳しい規制を受けた経緯があり、今回の発見はユーザーや国際社会に大きな不信感を呼び起こす結果となっています。
参考:DeepSeek coding has the capability to transfer users’ data directly to the Chinese government
DeepSeekを安全に使用する方法は?
セキュリティの観点から危険性が高いDeepSeekですが、以下の方法ではリスクを抑えつつ活用できます。
- ローカルでモデルを動かす
- API経由の別アプリを活用する
もっとも安全性が高い方法は、オープンウェイトをダウンロードして完全にローカル環境で構築することです。
インターネットに接続しない「オフライン状態」で運用すれば、外部にデータが送信されるリスクは大幅に低減されます。
ただし、ある程度スペックの高いデバイスが必要な上、構築の難易度が高いため、開発者や研究者向けの手法といえます。
次に、APIを経由したアプリを使用することも、Webアプリ版DeepSeekを使うよりも安全性が高いです。
DeepSeekのAPIを叩いているアプリとしては、PerplexityやGroqなどが挙げられます。これらのサービスで入力した内容は中国ではなく、そのサービスが運用する国のサーバーに保存されます。

また、以下のクラウド上で生成AIアプリ・サービスを構築できるプラットフォームでもDeepSeekのAPIを使えます。
ただし、API経由でもオンラインで使う以上リスクはあります。また、PerplexityやGroqも、入力したデータを学習に使われることがあります。
利用する際には、やはり個人情報や機密情報を入力すべきではありません。
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DeepSeekについてよくある質問
DeepSeekについてよくある質問を3つ用意します。
DeepSeekは商用利用可能ですか?
DeepSeekは商用利用が可能であり、特にMITライセンスの元でリリースされているため、無償での商用利用や改変が許可されています。
このライセンスにより、ユーザーはDeepSeekのモデルを自由に使用したり、他の大規模言語モデル(LLM)のトレーニングに利用したりできます。
ただし、MITライセンスは無保証で提供されているため、DeepSeekの使用や改変、再配布に起因するいかなる問題や損害についても、開発者や配布者は一切責任を負いません。
また、再配布や派生作品を作成する際は、元の著作権表示およびライセンス文を必ず保持する必要があります。これらの条件に同意の上、自己責任でDeepSeekを活用してください。
DeepSeekが今後のAI市場に与える影響は?
DeepSeekの登場は、とくに以下の4つの観点からAI業界に影響を与えると考えられます。
観点 | 主要なポイント | 具体的効果・期待される変化 |
---|---|---|
1. オープンウェイトモデルの普及 | – 大企業によるクローズドモデルが主流だった – DeepSeekは高性能なオープンウェイトモデルを公開 | – AI技術の「民主化」が進み、より多くの企業・研究機関が活用しやすくなる – 独自カスタマイズや新たなモデル開発が促進される |
2. AIモデルの低価格化 | – DeepSeekが低コストで高性能なAPIを提供 – 競合他社も価格競争に巻き込まれる可能性 | – AIモデルのコモディティ化が進み導入ハードルが大幅に下がる – 中小企業やスタートアップでも先進的なAI活用がしやすくなり、新規ビジネスが生まれやすくなる |
3. 推論重視のAI開発へのシフト | – DeepSeek R1の1.58ビット量子化モデルなど、低リソースで高精度な推論を実現 – 従来の“学習フェーズ”よりも“推論フェーズ”の最適化を重視する流れ | – エッジデバイスでも高性能AIが動作しやすくなり、AIの活用範囲が広がる – 省エネ化・高速化により、ハードウェア要件が緩和されることで運用コスト削減にもつながる |
4. AI半導体市場への影響 | – 高性能GPUへの依存度が下がる可能性 – 専用の推論エンジン(データフロープロセッサ等)の需要増 | – NVIDIAなど既存GPUメーカーに加え、新興プレイヤー(SambaNova、Groq等)の市場参入が活性化 – 汎用プロセッサ/特殊用途プロセッサの競争が激化し、より多様なチップ設計が進む |
DeepSeekの登場は、AI業界に競争をもたらし、技術革新を加速させる起爆剤となるでしょう。
一方で、DeepSeekには暗い噂も多く流れています。AIの普及とともに、セキュリティリスクには十分注意する必要があるでしょう。
DeepSeekとはどういう意味ですか?
「DeepSeek」という名前は、「深度」(Deep)と「求索」(Seek)という二つの言葉を組み合わせたものです。
これは、より深い理解を求め、探索を行うという意味を込められているといわれています。
DeepSeekの性能とリスクを理解して安全に使おう
DeepSeekは、超低価格ながらも高性能を誇る最先端AIモデルとして注目を集めています。
一方、隠されたチャイナモバイルリンクや中国寄りのバイアスなど、セキュリティ面での懸念も指摘されています。
利用者は利便性に魅かれると同時に、情報漏洩やプライバシー侵害のリスクにも十分注意し、リスク管理を徹底する必要があります。
DeepSeekは未来のAI利用を切り拓く革新的なツールでありますが、安全面に注意して利用するようにしましょう。
弊社SHIFT AIでは、ChatGPTやDeepSeekなどの生成AIを活用して、副業で収入をアップさせたり、転職でキャリアアップしたりするためのノウハウをセミナーで提供しています。
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記事を書いた人

SHIFT AI TIMES編集長
大城一輝
フリーランスとしてライター、ディレクター、生成AIコンサルタントとして活動している。AI活用の講師も多数経験。
SHIFT AIではオウンドメディア(SHIFT AI TIMES)の編集長を担当。
また、SHIFT AIのモデレーターとしてコミュニティ運営や講師にも携わっている。
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