Gemini Advancedとは?できることや料金、無料版との違いを解説

Geminiの無料版からGemini Advancedに登録しようか検討しつつ、具体的に何がアップグレードしているのか把握しきれず悩んでいる方は多いでしょう。
Gemini Advancedにすることによって、Geminiの性能が上がったり、使用できる機能が増えたりします。そして、実はGemini Advancedでは生成AIの性能が上がるだけでなく、Googleサービス全体の使い勝手も向上します。
そこで本記事では、Geminiの有料版であるGemini Advancedの特徴や機能、無料版との違い、登録方法、さらには他のAIサービスとの比較まで、幅広く情報を提供します。
この記事を読むことで、Gemini Advancedが自分のニーズに合っているかどうかを判断できるようになり、日々の作業効率向上に役立つはずです。

監修者
SHIFT AI代表 木内翔大
弊社SHIFT AIでは、Geminiの使い方をはじめとした生成AIツールを使い方などを紹介する無料のセミナーを開催しています。
興味や関心のある方はぜひ以下よりセミナーにご参加ください。
目次
Gemini Advancedの特徴
本章では、Gemini Advancedについて特徴を紹介します。
- 100万トークンまで処理可能なGemini 1.5 Proを使える
- PDFやWordファイルを読み込める
- Pythonによるデータ分析できる
- Gemsを使える
- Google Oneで2TBまでデータ保存できる
まずはGemini Advancedの基本情報を押さえておきましょう。
100万トークンまで処理可能なGemini 1.5 Pro・2.0 Flashを使える
Gemini Advancedでは、Googleの最新AIモデルである「Gemini 1.5 Pro」と「Gemini 2.0 Flash」を利用できます。Gemini 1.5 ProやGemini 2.0 Flashは、無料版で利用できるモデル「Gemini 1.5 Flash」よりもさらに高度な性能を備えています。
さまざまなAIモデルの性能をランキングしている「Artificial Analysis」によると、Gemini 1.5 ProとGemini 2.0 Flashは全モデル中4位と5位の性能であるとされています。

また、100万トークン(日本語で60〜70万文字)という広大なコンテキストウィンドウ※により、大量のテキストデータを一度に処理できます。そのため、大容量のPDF・テキストファイルであっても、内容を正確に把握します。
※AIが対応できるトークン数
複雑なタスクや、大容量ファイルの処理などを行いたい場合は、Gemini 1.5 ProとGemini 2.0 Flashを利用できるGemini Advancedがおすすめです。
Gemini 1.5 Proについては、以下の記事で詳しく解説しているため、参考にしてみてください。
関連記事:【動画も読込可能!】Gemini 1.5 Proとは?使い方や料金を解説
PDFやWordファイルを読み込める
Gemini Advancedでは、PDFやWordファイルを読み込んで、内容を要約したり、分析したりできます。ファイル読み込み機能は、PDFやWord、txtファイルなど、さまざまな形式に対応しています。
たとえば、以下のようにPDFファイルを読み込んで、要約を依頼できます。

Gemini Advancedで使用できるGemini 1.5 Proは100万トークンまで扱えるため、ファイル読み込み機能と相性が良い点もメリットです。
この機能は無料版では使用できない上、使い勝手が良いため、Gemini Advancedの大きなメリットといえます。
Pythonによるデータ分析できる
Gemini Advancedでは、Python※によるデータ分析が可能で、データの可視化や統計分析など、さまざまなデータ分析タスクを実行できます。
※世界中で広く使われているプログラミング言語
たとえば、以下のようにデータ分析のプログラミングコードを記述し、実行できます。

Gemini Advancedは、上記のようにグラフも作成できます。データ分析だけでなくグラフを使ったレポート作成も可能になるため、活用の幅が広い機能です。
Gemsを使える
Gemini Advancedでは、Gems(ジェムズ)と呼ばれる、特定のタスクに特化したAIを作成できる機能を利用できます。
たとえば、要約に特化したGemsを作成することで、具体的なプロンプトを入力することなく、ファイルを提供するだけで内容を要約できるようになります。

上記のように、プロンプトをほとんど入力することなく、理想の回答を得られます。
Gemsの特徴や使い方については、以下の記事で詳しく解説しているため、参考にしてみてください。
関連記事:GeminiのGemsとは?使い方やGPTsとの違い、活用例を解説!
Deep Researchを利用できる
Gemini Advancedでは、通常のAIによるリサーチを強化させたDeep Researchを利用できます。
Deep Researchは、Geminiが入力されたプロンプトをもとにゴールまでの道筋を自ら立てて、30〜50程度のソースを検索して回答を行います。
ソースにはGoogle検索に加えてYouTubeも含まれており、多角的な視点から情報を集めます。
また、リサーチには3〜5分程度かかります。それだけ多くの情報を参照し、精査しているということなので、必然的に通常のリサーチよりも信頼性が高くなります。
昨今話題のPerplexityやFeloといったAI検索エンジンにまったく引けを取らない性能であるため、リサーチ業務を効率化したい方は、Gemini Advancedへのアップグレードを検討してみてください。
Google Oneで2TBまでデータ保存できる
通常のGoogleアカウントでは、ストレージ容量が5GBに制限されていますが、Gemini Advancedを利用すると容量が大幅に拡大され、2TBまでのデータを保存できるようになります。
これは、Gemini Advancedに登録することで、Google Oneと呼ばれるGoogleが提供するクラウドストレージサービスにも同時に登録することになるためです。つまり、Gemini Advancedにアップグレードすることで、高性能なAIアシスタントの利用だけでなく、Google Oneのさまざまな特典も同時に享受できます。
2TBの容量があれば、個人が使用する範囲内であれば写真、動画、ドキュメントなど、さまざまなデータを心配することなく保存できます。
Gemini Advancedを利用することで、AIの能力が向上するだけでなく、Googleが提供する他のサービスの利便性も高まるのです。
【1ヶ月無料】Gemini Advancedへの登録方法
Gemini Advancedの登録方法は以下のとおりです。
- Geminiのウェブサイトにアクセス
- 画面右上の「Gemini Advancedを試す」をクリック
- Google Oneのページに移動して「トライアルを開始する」をクリック
Gemini Advancedを利用するために必要なGoogle Oneへの登録は、月額2,900円です。ただし、Gemini Advancedは1ヶ月間の無料トライアルが用意されているため、気軽に使い始められます。

また、Gemini Advancedの登録に関しては、以下のポイントに注意しましょう。
- 無料トライアルは、1つのGoogleアカウントにつき1回のみ利用可能
- 無料トライアル期間終了後は、自動的に有料プランに移行する
- 解約は、Google Oneのページから実行可能
まずは無料のトライアル期間でGemini Advancedを試してみましょう。
Gemini Advancedに登録した後は、各種機能の使い方を知るために以下の記事も参考にしてみてください。

Google Gemini(ジェミニ)の使い方・始め方を解説!
Gemini(ジェミニ)はGoogleが開発した生成AIで、性能の高さと豊富な機能が人気となり、多くの方に使われています。本記事では、Geminiの無料版と有料版の違い、テキスト生成や画像認識などの主要機能の活用法、スマートフォンでの利用方法まで網羅的に解説しています。
Gemini Advancedと無料版を比較してみた!
Gemini Advancedは無料版と比べて、さまざまな機能が強化されています。ここでは、文章生成、文章要約、データ分析の3つの機能に焦点を当て、無料版とGemini Advancedの違いを具体的に見ていきましょう。
文章生成
Gemini Advancedは高度な言語モデルであるGemini 1.5 Proを使用しているため、無料版よりも高精度で自然な文章を生成できます。
たとえば、同じプロンプトで文章を生成した場合、Gemini Advancedの方がユーザーの意図を汲んだ出力をしやすくなります。

上記のように、Gemini AdvancedのGemini 1.5 Proは、プロンプトに対して適切な回答を行なっています。また、出力されている文章も自然です。一方で、無料版のGemini 1.5 Flashは、少々的外れな回答を出力しました。
このように、Gemini Advancedは無料版と比べて、より自然で人間らしい文章を生成できたり、プロンプトの意図を正確に把握してくれたりしやすくなります。
文章要約
Gemini Advancedは、100万トークンという広大なコンテキストウィンドウを備えているため、無料版よりも長い文章を要約できます。
たとえば、同じプロンプトで文章を要約した場合、Gemini Advancedの方がより重要な情報を正確に抽出できます(10万文字以上の資料を提供)。

上記では、無料版は「日本語で」の指示を無視していたり、全文を読み取れていないような回答を出力したりしています。一方で、Gemini Advancedでは、10万文字を超える資料の内容を把握して、しっかり要約してくれています。
このように、Gemini Advancedは無料版と比べて、大容量の資料であっても正確に文章を要約できるのです。
データ分析
Gemini Advancedは、無料版では利用できないデータ分析機能を備えており、Pythonによる高度なデータ分析を行えます。
たとえば、以下のようにプログラミングコードを記述し、分析やグラフ作成のタスクを実行できます。今回も、同じプロンプトで無料版・Advancedを比較してみましょう。
提供したプロンプトは次のとおりです。「提供されたデータから読み取れるトレンドを分析して、レポートを作成してください。」

上記のように、Gemini Advancedの方は、ファイルの中身をPythonを用いて分析し、グラフ付きのレポートを作成してくれました。一方で無料版では、数値の分析は行わず、分析の手法に関する回答を出力してしまいました。また、Pythonを使えないためグラフの作成もできません。
データ分析やグラフ作成などのタスクも生成AIで効率化したいと考えている方は、Gemini Advancedを利用してみましょう。
Gemini Advancedに関するよくある質問
Gemini Advancedに関するよくある質問を2つまとめました。
それぞれの回答を参考に、使用するAIツールを選択してみましょう。
GeminiとChatGPTの違いは何ですか?
以下に、GeminiとChatGPTの違いをまとめます。
特徴 | Gemini※ | ChatGPT |
---|---|---|
開発元 | OpenAI | |
モデル | Gemini 1.5 Flash、Gemini 1.5 Pro | GPT-4、GPT-4o、GPT-4o mini、o1-preview、o1-mini |
対応トークン数 | 最大100万トークン | 最大128,000トークン |
処理できるデータ形式 | 画像、音声、テキストなど複数のデータを同時に処理 | 画像、音声、テキストなど複数のデータを同時に処理 |
情報源 | 事前に学習したデータ以外にも、Googleのリアルタイム情報を基づく | 事前に学習したデータに基づく (ネット検索も可能) |
画像生成 | 可能だが不安定 | 可能 |
会話 | 不可 | ボイスモードでまるで人間のように会話できる |
価格 | 有料プラン:月額2,900円 | 有料プラン:月額20ドル(約3,100円) |
無料版の制限 | ・データ分析やファイル読み込み不可 ・無料でもネット検索やGoogle連携サービスなど無制限に使用可能 | ・無料でも数回程度なら有料版の機能を使用可能。ただし、ネット検索や上位モデル(GPT-4oやo1など)の使用などの回数制限が厳しい ・制限後は基本的にテキスト生成のみ |
特徴的な機能 | ・Googleサービスとの連携 ・GemsでカスタムGemini作成 ・特定のAndroidスマホ上で利用可能 | ・GPTsでカスタムChatGPT作成 ・ボイスモード ・生成テキストの部分修正 |
上記のように、機能面ではChatGPTに軍配が上がります。しかし、GeminiはGoogleサービスとの連携機能やネット検索機能などを無料でも無制限に使用できる点で、ChatGPTよりも万人受けする生成AIサービスといえます。
GeminiとClaudeの違いは何ですか?
GeminiとClaudeの違いを以下に示します。
特徴 | Gemini※ | Claude |
---|---|---|
開発元 | Anthropic | |
モデル | Gemini 1.5 Flash、Gemini 1.5 Pro | Claude 3.5 Sonnet、Claude 3 Opus、Claude 3 Haiku |
対応トークン数 | 最大100万トークン | 最大200,000トークン |
処理できるデータ形式 | 画像、音声、テキストなど複数のデータを同時に処理 | 画像、テキストなど複数のデータを同時に処理 |
情報源 | 事前に学習したデータ以外にも、Googleのリアルタイム情報を基づく | 事前に学習したデータに基づく (ネット検索も不可) |
画像生成 | 可能だが不安定 | 不可 |
会話 | 不可 | 不可 |
価格 | 有料プラン:月額2,900円 | 有料プラン:月額20ドル(約3,100円) |
無料版の制限 | ・データ分析やファイル読み込み不可 ・無料でもネット検索やGoogle連携サービスなど無制限に使用可能 | ・無料でも数回程度なら有料版の機能を使用可能。ただし回数制限が厳しい。 |
特徴的な機能 | ・Googleサービスとの連携 ・GemsでカスタムGemini作成 ・特定のAndroidスマホ上で利用可能 | ・Projects機能でカスタムClaude作成 ・Artifactsでリアルタイムでアプリやサイトを作成 |
機能数や無料での使い勝手などを重視するなら、Geminiがおすすめです。一方で、Claude 3.5 Sonnetは日本語力に定評があるため、ライティングタスクメインで生成AIを使うならClaudeでもよいでしょう。また、Artifactsと呼ばれる、テキストだけでアプリやサイトを作成できる機能も、他の生成AIにはない魅力的な機能です。
Gemini Advancedにアップグレードして作業をもっと効率的に!
Gemini Advancedは、Googleが開発した最高性能モデル「Gemini 1.5 Pro」を搭載したプランです。また、無料版に比べて使える機能が多いため、業務の幅が広がります。
本記事を読んでGemini Advancedがニーズに合っていると感じた方は、ぜひ公式サイトよりアップグレードの手続きを行ってみてください。今なら1ヶ月無料で使えるため、期間中をテストとして活用するのもよいでしょう。
弊社SHIFT AIでは、Geminiをはじめとした生成AIを活用し、これからの時代に必要とされる「AI人材」になるためのロードマップを解説するセミナーを、定期的に開催しています。
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記事を書いた人

SHIFT AI TIMES編集長
大城一輝
フリーランスとしてライター、ディレクター、生成AIコンサルタントとして活動している。AI活用の講師も多数経験。
SHIFT AIではオウンドメディア(SHIFT AI TIMES)の編集長を担当。
また、SHIFT AIのモデレーターとしてコミュニティ運営や講師にも携わっている。
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