プロンプトエンジニアリング徹底解説!構築のコツから応用テクニックまで

ChatGPTなどの生成AIを使って業務を効率化したいと思っているものの、意図したとおりに出力されずに戸惑っていませんか。
多くの場合、適切なプロンプトの設計(プロンプトエンジニアリング)ができていないことが原因です。
プロンプトエンジニアリングを身に付けることで、AIに対して的確な指示を出せるため、短時間で質の高いアウトプットを得られます。
反対に、プロンプトの設計がうまくいかないと、AIのポテンシャルを十分に引き出せず、非効率な作業に時間を費やしてしまうでしょう。
本記事では、プロンプトエンジニアリングの概要から具体的なコツ、さらには応用テクニックや注意すべき課題まで詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください。

監修者
SHIFT AI代表 木内翔大
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目次
プロンプトエンジニアリングとは何か?
プロンプトエンジニアリングとは、AIに与える指示(プロンプト)を最適化して、望む出力を得る方法です。
ChatGPTのような生成AIは、入力の仕方によって出力内容が大きく変わります。
たとえば「要約して」と指示するよりも、「以下の文章を200文字以内で要約し、箇条書きで出力して」と指示した方が、狙い通りの結果を得られます。
プロンプトを最適化することで、AIからの出力を制御できます。
プロンプトエンジニアリングの重要性
なぜプロンプトエンジニアリングが注目を集めているのでしょうか。
最大の理由は、ビジネスでのAI活用効率を大きく左右するからです。
実際に、生成AIを業務に導入しても、曖昧な指示しか与えられない場合、期待した成果物が得られずに使えないと感じることが多くあります。
逆に、具体的かつ正確なプロンプトを設計できれば、営業メールや企画書のドラフト、データ分析のサポートなどを短時間で仕上げられます。
つまり、プロンプトエンジニアリングを活用できるとビジネスの質が向上するため、重要性が高まっているのです。
プロンプトの構成要素
プロンプトを作るうえで押さえておきたい要素は以下の3つです。
- 指示:何をしてほしいのか、具体的に伝える
- コンテキスト:背景や前提情報を提示する
- 出力指示:フォーマットや文字数、箇条書きなどを指定する
これらをすべて盛り込むと、AIの回答は大幅に改善します。
たとえば以下のようにプロンプトを構成すると、正確なアウトプットが得られます。
「次の文章を要約してください」
「これはウェブ記事の本文です」
「200文字以内で、箇条書きでまとめてください」
AIに「何を、どのような背景で、どう出力すればいいのか」を明確に伝えることで、期待通りの結果を得られす。
プロンプト構築のコツ
効率的にAIから欲しい回答を得るために、最低限押さえておきたい7つのコツがあります。
- 指示を具体的に
- 役割を与える
- 例を提示する
- 制約や禁止表現を設ける
- ステップを段階的に指示する
- 自己チェックを促す
- 文体・トーンを指定する
実践することで、指示が格段に伝わりやすくなります。つまり、AIにとって「何を求められているか」を理解しやすくなり、期待通りのアウトプットを手に入れられます。
プロンプトに入れる指示の例を記載しますので、ぜひ以下7つのコツを意識して使ってみてください。
コツ | 指示例 |
---|---|
指示を具体的に | 数値リストを折れ線グラフ化し、解説を2行以内にまとめてください。 |
役割を与える | あなたは言語学者として回答してください。 |
例を提示する | 以下のサンプルのように書いてください。 |
制約や禁止表現を設ける | ・200文字以内で書いてください。 ・ポジティブ表現のみ使ってください。 ・箇条書きで出力してください。 |
ステップを段階的に指示する | まずAを要約、次にBを整理、最後にCを3行でまとめてください。 |
自己チェックを促す | 誤りがある場合は訂正し、理由を加えてください。 |
文体・トーンを指定する | ・ビジネス文書で書いてください。 ・カジュアル調で出力してください。 |
プロンプトエンジニアリングの9つの応用テクニック
ここからは、もう少し高度な方法を紹介します。複雑なタスクや論理的推論が必要な場面でも効果を発揮するテクニックばかりです。
基本的なコツを押さえたうえで、以下の応用を取り入れてみると、AIから得られる回答の質やバリエーションがさらに広がります。紹介するテクニックは以下の9つです。
- Zero-shot
- Few-shot
- Chain-of-Thought
- Zero-shotCoT
- Self-Consistency
- GenerateKnowledge
- ReAct
- DirectionalStimulus
- MultimodalCoT
知らずに単純なプロンプトだけを使い続けると、AIが持つ本来のポテンシャルを十分に発揮できません。ぜひ気になるものから試してみてください。
Zero-shot
Zero-shot(ゼロショット)は、具体的な例示をまったく行わずにAIへ直接タスクを投げるテクニックです。利用すると、たとえば以下のようなプロンプトになります。
「東京都内のおすすめカフェを教えてください。理由も簡単に示してください。」
指示がシンプルなぶん、AIの回答も幅広くなりやすく、意図とズレる可能性もあります。
「とりあえず何か回答が欲しい」「おおまかなアイデアを出したい」など、スピード重視の場面に適しています。
Few-shot
Few-shot(ヒューショット)は、似たような入力例と出力例を少数用意して提示し、AIにその形式を学ばせるテクニックです。利用すると、たとえば以下のようなプロンプトになります。
例1:入力「鮭の調理法」出力「バターでソテーし、塩コショウする」
例2:入力「鶏肉の調理法」出力「オーブンで焼き、ローズマリーを加える」
本番:入力「豚肉の調理法」→出力は同じ形式で回答してください。
少しの例示があることで、AIは出力パターンを把握しやすくなります。レポートやレビュー、指定の書式で回答させたいケースなどに有効です。
Chain-of-Thought
Chain-of-Thought(チェインオブソート)は、AIに思考プロセスを段階的に示させることで、より論理的で正確な回答を導くテクニックです。利用すると、たとえば以下のようなプロンプトになります。
「りんごが10個あり、3個を食べ、さらに5個をもらった場合、最終的にりんごは何個になるかを順序立てて説明してください。」
数学的計算や論理問題など、途中の考え方も把握したい場合に大変役立ちますが、プロンプトが長くなりやすい点には注意が必要です。
Zero-shotCoT
Zero-shotCoT(ゼロショットシーオーティー)は、具体的な例を示さずに「段階的に考えてください」という指示を加える方法です。利用すると、たとえば以下のようなプロンプトになります。
「段階的に考えてみましょう。大阪の観光名所を5つ挙げて、それぞれの特徴を説明してください。」
Chain-of-Thoughtの要素を部分的に採用しつつ、例示を省くので、スピード重視のシーンに合っています。
短時間で論理的思考を促す出力が得られる一方、Chain-of-Thoughtほどの深さは期待しにくい場合があります。
Self-Consistency
Self-Consistency(セルフコンシステンシー)は、複数回同じ質問をさせて多様な回答を生成し、比較・統合して最も整合性の高い答えを導きます。利用すると、たとえば以下のようなプロンプトになります。
「以下の質問に対して3種類の回答をそれぞれ生成し、最後に回答同士を比較して最適な内容を一つにまとめてください。質問:北海道旅行のおすすめプランを教えてください。」
計算負荷は増しますが、アイデア収集やブレインストーミング用途に非常に効果的です。
いろいろな視点からの回答をまとめて、最終的なベストアンサーを探りたいときに使えます。
GenerateKnowledge
GenerateKnowledge(ジェネレイトナレッジ)は、最初にAIに関連知識(背景情報)を生成させ、その後で本題を回答させる二段階構成のテクニックです。利用すると、たとえば以下のようなプロンプトになります。
「最初に、東京都内の主要な美術館をすべて列挙してください。次に、おすすめの美術館を三つ選び、その理由を簡潔に教えてください。」
深みのある応答が期待できますが、プロンプトがやや長文化しがちです。
大量の背景知識が必要な場合や、新たなトピックを学習させたい場面に、より正確かつ豊富な内容が得られます。
ReAct
ReAct(リアクト)は、Reasoning(推論)とActing(行動)を組み合わせ、複数ステップや外部ツールの連携を行う高度なテクニックです。利用すると、たとえば以下のようなプロンプトになります。
「以下のニュース記事を一度要約してから日本語に翻訳し、500文字程度のレポート形式にまとめてください。必要に応じて専門用語の定義も付けてください。」
設定が複雑になる分、長いワークフローを一括で処理させたいときに威力を発揮します。
テキスト要約→翻訳→再構成など、一連の作業をまとめて指示するケースに向いています。
DirectionalStimulus
DirectionalStimulus(ディレクショナルスティーミュラス)は、文体やトーンを明確に指示して文章を生成させる方法です。利用すると、たとえば以下のようなプロンプトになります。
「落ち着いた敬語を使って説明してください。専門用語はあまり使わず、初心者にもわかりやすく配慮してください。」
対象読者やブランドイメージに合わせた文章が得られます。
マーケティング文章やサービス紹介など、一貫した文体が求められる場合に有効です。
MultimodalCoT
MultimodalCoT(マルチモーダルシーオーティー)は、テキストだけでなく画像や音声なども組み合わせ、段階的に推論を行うテクニックです。利用すると、たとえば以下のようなプロンプトになります。
「添付画像に写っている建物の特徴を説明し、さらにその歴史的背景を段階的に考えて解説してください。」
より総合的な判断を下せる反面、データの準備やプロンプト設計は複雑になります。
画像解析とテキスト評価を同時に扱うなど、マルチモーダルなタスクに対応したいときに役立ちます。
大手企業の公式プロンプトエンジニアリングガイド
OpenAIやAnthropic、Googleなどの大手企業は、プロンプトエンジニアリングに関する公式ドキュメントやガイドを公開しています。
公式ドキュメントやガイドを参照すれば、最新の機能や推奨される使い方などを効率よく把握できます。
とくに困ったときや、高度な活用を試みたいときには、公式ドキュメントを活用しましょう。

>OpenAIの公式ドキュメントはこちら

>Anthropicの公式ドキュメントはこちら

>Googleの公式ドキュメントはこちら
プロンプトについて、さらに幅広い事例を知りたいという方は、ぜひ以下の記事も参考にしてみてください。
プロンプトエンジニアリングの課題
プロンプトエンジニアリングが進化する一方、悪意ある使い方やセキュリティリスクが増えている点にも注意が必要です。
たとえば敵対的なプロンプトやプロンプトリークによって、AIが意図せず機密情報を漏らしたり、不正アクセスに加担してしまうおそれがあります。
リスク | 特徴 |
---|---|
敵対的なプロンプト | AIに危険な情報や不適切な回答を生成させる指示 |
プロンプトインジェクション | 悪意あるコードや命令を注入し、システムの制御を狙う手口 |
ジェイルブレイク | 倫理ガイドラインを強制的に解除させ、違法行為などを回答させる方法 |
こうした課題を踏まえ、利用者側がモラルとセキュリティ意識を高めることが必須です。
プロンプトエンジニアリングでAI活用を加速
本記事では、プロンプトエンジニアリングの概要・重要性・基本的なコツや応用テクニック、そして課題までを一通り解説してきました。
まずは、プロンプトの3要素を意識しつつ、簡単なZero-shotやFew-shotから試してみましょう。
「生成AIを使って副業に挑戦してみたいけれど、プロンプト設計が難しくて挫折してしまいそう…」とお悩みの方へ。
弊社SHIFT AIの無料セミナーでは、プロンプトエンジニアリングの基礎から、AIを活用できる人材としてのロードマップまでを具体的に学べます。
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記事を書いた人

野口啓介
WEBライター、SNSマーケター、クリエイティブ
クリエイティブと業務効率化において様々なAIツールをフル活用し、成果を出している
- SHIFT AIではメディア記事執筆を担当
- Instagramを中心としたSNSマーケティング
- AIクリエイティブ – AIを駆使した映像制作
- ・Midjourney、Runway、Suno
- 業務効率化 – AIを活用したアプリ作成
- ・Dify、Cursor、replit、GPTs
- 実績・成果
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