Gemini 1.5 FlashとProの違いは何?機能や料金を徹底比較

2024年7月24日にGoogleは、GeminiシリーズにGemini 1.5 Flashを搭載しました。
これまでGemini 1.5 Proを使用してた人からすると、Gemini 1.5 Flashは何が違うのかピンと来ないでしょう。
そこで、本記事ではGemini 1.5 Flashの機能や料金について解説し、Gemini 1.5 Proとの比較を行っていきます。
実際に、2024年9月24日に最新モデルがリリースされた両モデルのどちらを使うべきかについても言及します。
これまでGemini 1.5 Proだけを使ってきた人も、Gemini 1.5 Flashと使い分けを行い、さらなる効率アップを実現しましょう。

監修者
SHIFT AI代表 木内翔大
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目次
Gemini 1.5 Flashとは?

出典:Google
Gemini 1.5 Flashは、2024年5月14日に開催されたGoogleの年次イベントで発表された最新のAIモデルです。
このモデルは、Gemini 1.5 Proの優れた知識とスキルを引き継ぎつつ、軽量化と高性能化を両立させた画期的な設計となっています。
Gemini 1.5 Flashの特筆すべき点は、その優れたコストパフォーマンスです。従来のモデルと比較して10分の1のコストで利用できるにもかかわらず、高い処理能力を維持しています。
Geminiシリーズの中で応答速度が最速です。Gemini 1.5 Flashを理解すれば、リアルタイムでのAI活用や大量のデータ処理を効率的に行いたい人に、生産性の向上や効率アップをもたらすでしょう。
Gemini 1.5 FlashとGemini 1.5 Proの違いは?
Gemini 1.5 FlashとGemini 1.5 Proの主な違いを以下の表にまとめました。
Gemini 1.5 Flash | Gemini 1.5 Pro | |
---|---|---|
コンテキストウィンドウ | 100万トークン | 200万トークン |
処理速度 | 625.4 tokens/s | 129.6 tokens/s |
コスト(1Mトークンあたり) | 12.8万トークンまで入力 $0.075 出力 $0.312.8万トークン以上 入力 $0.3 出力 $0.6 | 12.8万トークンまで入力 $1.25 出力 $5.0012.8万トークン以上 入力 $2.5 出力 $10.00 |
これらの違いを理解することで、場面に応じて適切なモデルを選べるでしょう。
ここからは、それぞれの違いについてさらに詳しく解説するので、最後までご覧ください。
コンテキストウィンドウの大きさ
コンテキストウィンドウとは、モデルが一度に処理できるトークン数です。この数字が大きいほど、一度により多くの情報を処理できます。
Gemini 1.5 Proのコンテキストウィンドウの大きさは、200万トークンとなっており、100万トークン処理できるGemini 1.5 Flashの倍の数字です。
なお、Gemini 1.5 Flashの100万トークンでも、GPT-4o(12万トークン)や、Claude 3(20万トークン)よりも大きなコンテキストサイズです。
より多くの情報を一度に扱う場合は、Gemini 1.5 Proを選ぶといいでしょう。
処理速度
生成AIを使用していて、気になるもののひとつに処理速度があげられます。いくら良質な成果物が得られても、レスポンスが遅ければ副業や業務などの現場では使いにくいでしょう。
1秒間に処理できるトークン量を比較すると、129.6 tokens/sであるGemini 1.5 Proに対して、Gemini 1.5 Flashは625.4 tokens/sでした。
Gemini 1.5 Flashの方が、約5倍早く処理が行われるという結果になりました。
この処理速度は、リアルタイムでの対話システムや、大量のデータ分析が求められるビジネス環境において、威力を発揮します。
コスト
Gemini 1.5 FlashとGemini 1.5 Proのコストは以下のとおりです。
Gemini 1.5 Flash | Gemini 1.5 Pro | |
---|---|---|
コスト(1Mトークンあたり) | 12.8万トークンまで入力 $0.075 出力 $0.312.8万トークン以上 入力 $0.3 出力 $0.6 | 12.8万トークンまで入力 $1.25 出力 $5.0012.8万トークン以上 入力 $2.5 出力 $10.00 |
2つのモデルを比べると、Gemini 1.5 Flashの方がはるかに安いことがわかります。
Gemini 1.5 Flashは単なる経費節約にとどまらず、AIプロジェクトの規模拡大や、より長期的な運用を可能にします。
コストを抑えつつ高性能なAI機能を導入したい場合は、Gemini 1.5 Flashを使用するといいでしょう。
Gemini 1.5 Flashの使い方
ここからは、Gemini 1.5 FlashをGoogle AI Studioで使用する方法を説明します。

出典:Google
まずはGoogle AI Studioのページにアクセスしましょう。
「Sign in Google AI Studio」をクリックし、Googleアカウントを使用してログインします。
ログインが完了すると、Google AI Studioの画面に遷移するので、右上の「Model」で「Gemini 1.5 Flash」を選択すれば、設定完了です。

Modelでは、Gemini 1.5 Proも選択できます。実行する内容に合わせて、切り替えて使用しましょう。
Gemini 1.5 Flashの活用事例
高速の処理速度と、低コストが特徴のGemini 1.5 Flashは、さまざま場面で活用可能です。
本章では、主な活用事例として以下の3つについて解説します。
- 文書の翻訳
- プレゼンテーション資料作成
- データの抽出
Gemini 1.5 Flashの活用を検討されている人は、参考にしてください。
事例1:文書の翻訳
Gemini 1.5 Flashを活用した文書の翻訳は、これまでのプロセスを大きく変える可能性も秘めています。
Gemini 1.5 Flashの高速処理能力により、短時間で大量の文書を翻訳できるようになったからです。
たとえば、国際的なプロジェクトや多言語コンテンツの制作において、作業効率の大幅な向上をもたらすでしょう。
専門用語が多い文書でも、豊富な多言語データベースをベースとした高い翻訳精度で、効率的な作業を可能にします。
Gemini 1.5 Flashを活用することで、副業や業務で言語の壁を低減し、海外進出をより円滑に進められるでしょう。
事例2:プレゼンテーション資料作成
プレゼンテーション資料作成の効率アップにGemini 1.5 Flashは有効です。
テーマと概要を入力するだけで、スライド構成、見出し、箇条書きなどを自動で生成可能です。
画像やグラフの提案も指示してくれるため、デザインに関する知識がなくても魅力的な資料が作成できるでしょう。
Gemini 1.5 Flashの回答内容をもとに修正・追加することで、短時間で高品質な資料ができあがります。
また、Gemini 1.5 Flashの高速処理能力を活用すれば、対象者ごとに資料を使い分けたい場合に有効です。
アイデアの構築や内容の洗練に多くの時間を割きたい人は、Gemini 1.5 Flashをおすすめします。
事例3:データの抽出
Gemini 1.5 Flashは、PDF、スプレッドシート、Webページなどの形式に対応しており、データの抽出に適しています。
たとえば、ファイルから必要な情報だけを抽出し、整理された一覧表を作成することも可能です。
そのため、従来は手作業で行っていた時間のかかる作業が、大幅に短縮されるでしょう。
抽出条件を指定すれば、より精密なデータ抽出も可能です。
Gemini 1.5 Flashの高速処理を活用すれば、大量のデータ処理を効率よく実行できます。
市場動向分析や顧客行動など、データをもとに意思決定したい人は、Gemini 1.5 Flashを活用するといいでしょう。
Gemini 1.5 FlashとGemini 1.5 Proのどちらを使うべきか
Gemini 1.5 Flash と Gemini 1.5 Pro のどちらが有効かは、具体的なニーズと使用目的によって異なります。
Gemini 1.5 Flashは、高速処理と低コストが特徴であるため、リアルタイムでの応答が求められる場面や、予算に制約がある場合に適しています。
一方、Gemini 1.5 Proは、より複雑で高度なタスクに対応する能力を持っており、精度と深い理解が必要な場面で有効です。
プロジェクトの規模、要求される精度、処理速度、予算などの要因を総合的に考慮して判断しなければなりません。
ただ、どちらか一方だけを使用するのではなく、適切に使い分けることをおすすめします。
双方の特性を理解し使い分けることで、Geminiの効果を最大化するできるでしょう。
Gemini 1.5 FlashとGemini 1.5 Proの違いを理解して使い分けよう
本記事では、Gemini 1.5 FlashとGemini 1.5 Proの違いをまとめ、どちらを使うべきかを提案しました。
コンテキストウィンドウやコスト、処理速度など、双方にはそれぞれ強みがあり、どちらか一方だけを使えばいいというわけではありません。
違いを明確に把握することで使い分けができ、より効率よく使用できるでしょう。
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記事を書いた人

中島正雄
Webライター、ITコンサルタント、パーソナルトレーナーとして大阪を拠点に活動中。
自身はAIを活用して執筆時間をおよそ半分に削減。またコンサル先からもAIで業務改善につながったと喜ばれている。
SHIFT AIではSEOメディアにライターとして関わる。趣味はプロレス観戦
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