公開日 2024.11.01

更新日 2024.11.20

Claude

【最新】Claude 3.5 Haikuの特徴・料金・活用例を解説！SonnetやOpusとの比較も

2024年10月23日、Claude 3.5 Sonnetのアップグレードとともに、Claude 3.5 Haiku（クロード・スリーポイントファイブ・ハイク）が発表されました。

そして11月5日現在、ついにAPI、Amazon Bedrock、Google Cloud の Vertex AI での利用が可能となりました。

この発表・公開を機に「Claude 3.5 Haikuの特徴や性能は？」「Claude 3 Haikuからどう変わったの？」など、気になっている方も多いでしょう。

本記事では、新たに発表されたClaude 3.5 Haikuについて、特徴や料金・活用シーン・他のモデルとの違いをわかりやすく解説します。

この記事を読めば、Claude 3.5 Haikuの最新情報を理解でき、Claudeの効果的な活用が可能になるでしょう。

ぜひ内容を参考にしてみてください。

（株）SHIFT AI 代表取締役 / GMO他複数社AI顧問 / 生成AI活用普及協会理事 / Microsoft Copilot+ PCのCMに出演 / 国内最大級AI活用コミュニティ（会員5,000人超）を運営。
『日本をAI先進国に』実現の為に活動中。Xアカウントのフォロワー数は9万人超え（2024年9月現在）

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Claudeについてもっと深く知りたい方は、以下の記事をごらんください。

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【完全網羅】Claudeの特徴や料金、活用事例まで解説

Claude（クロード）は、アメリカのAnthropic社が開発した対話型生成AIです。高度な自然言語処理能力を持ち、人間との対話を通じてさまざまなタスクをこなすことができ、その柔軟性と応答の精度で高い評価を受けています。

Claude 3.5 Haikuとは？

Claude 3.5 Haikuは、Anthropic（アンソロピック）社のClaudeで公開されているAIモデルの中で、最速かつ高パフォーマンスなモデルです。

2024年10月23日にリリース情報が発表され、2024年11月5日よりAPI、Amazon Bedrock、Google Cloud の Vertex AI で利用できます。

前モデルのClaude 3 Haikuから大幅に性能が向上しており、多くのタスクを迅速かつ効率的に処理できるよう進化しています。

Claude 3.5 Haikuの主な特徴は以下の通りです。

低コストながら高速かつ高性能
コーディング・数学的タスクに強い
マルチモーダル対応予定である
多言語対応が強化されている

1つずつ解説します。

1.低コストながら高速かつ高性能

Claude 3.5 Haikuは、前モデルであるClaude 3 Haikuのコストとスピードを維持しながら、さらに高性能を実現したAIモデルです。

ベンチマークの評価項目の多くで、以前の最上位モデルであったClaude 3 Opusを上回る結果を示しており、特にテキスト中心のタスクでは優れたパフォーマンスを発揮します。

最新モデルのClaude 3.5 Sonnetには一部の点で劣るものの、コストパフォーマンスとスピードを重視するユーザーにとって最適な選択肢となるでしょう。

2.コーディング・数学的タスクに強い

Claude 3.5 Haikuは、プログラミングや数学関連のタスクで特に優れたパフォーマンスを見せています。

たとえば、プログラム合成の能力を評価する「HumanEval」テストでは88.1%と、他の先端モデルと比較しても際立つ高いスコアを出しています。

また、数学の能力を図る「MATH」ベンチマークでも69.2%のスコアを達成しており、数学的な推論が必要なタスクにも強みを発揮していることがわかります。

また、低いレイテンシ（遅延時間）や正確な指示追従性を備えており、大量のデータを活用したパーソナライズされた体験の生成にも適しています。

たとえば、購入履歴や価格、在庫情報に基づいたユーザー向けの製品提案や特化したタスクにおいても、効率的に活用できるモデルです。

4.多言語対応力が強化されている

Claude 3.5 Haikuは、前モデルと比べて多言語対応力が強化されたことにより、さまざまな言語で高いパフォーマンスを実現できるようになっています。

日本語や英語・フランス語などの主要な言語に関しては、人間のようなより自然な応答力と文化的なニュアンスも考慮した理解力を持ち合わせており、異文化間コミュニケーションにも最適です。

また、翻訳、要約、データ検索など複雑な言語タスクにも対応できるため、幅広い地域でのグローバルな利用が期待されます。

APIでClaude 3.5 Haikuを使う方法

続いては、APIでClaude 3.5 Haikuを使う方法を紹介します。

Claude 3.5 Haikuの紹介ページにアクセスする
紹介ページ画面中央の「Get API access」ボタンをクリックする
Anthropicの開発者コンソールにログインする
Dashboard画面中央上部の「Workbench」をクリックする
Workbench画面で右上部の「Try the upgraded 3.5 Sonnet」をクリックする
Model Settingsのモデル選択欄をクリックする
モデルの選択肢から「claude-3-5-haiku-20241022(latest)」を選択する

以下より、画像付きで手順をひとつずつ解説します。

1. Claude 3.5 Haikuの紹介ページにアクセスする

まずは、ブラウザでAnthropic公式サイトのClaude 3.5 Haikuの紹介ページにアクセスします。

2. 紹介ページ画面中央の「Get API access」ボタンをクリックする

Claude 3.5 Haikuの紹介ページを開けたら、画面中央にある黒色の「Get API access」ボタンをクリックします。

3. Anthropicの開発者コンソールにログインする

「Get API access」ボタンをクリックすると、Anthropicの開発者コンソールにアクセスします。

ログインが完了していない場合は、以下のような画面が表示されるので、画面に従ってログインしましょう。

4. Dashboard画面中央上部の「Workbench」をクリックする

開発者コンソール（Dashboard画面）を開けたら、画面中央上部の「Workbench」と書かれたタブをクリックします。

5. Workbench画面で右上部の「Try the upgraded 3.5 Sonnet」をクリックする

「Workbench」をクリックすると、以下の画面に切り替わります。

この画面の右上部の「Try the upgraded 3.5 Sonnet」と書かれた部分をクリックしましょう。

Workbench画面で右上部の「Try the upgraded 3.5 Sonnet」をクリックする

6. Model Settingsのモデル選択欄をクリックする

クリック後、Model Settingsの画面が開くので、上部のモデル選択欄をクリックしましょう。

デフオルトでは「claude-3-5-sonnet-2024620」が選択された状態となっています。（2024年11月5日現在）

7. モデルの選択肢から「claude-3-5-haiku-20241022(latest)」を選択する

モデルの選択肢が複数表示されるので、「claude-3-5-haiku-20241022(latest)」を選択しましょう。

これでAPIでClaude 3.5 Haikuが利用できる状態になりました。

モデルの選択肢から「claude-3-5-haiku-20241022(latest)」を選択する

Claude 3.5 Haikuの利用料金

Claude 3.5 Haikuは現在、API、Amazon Bedrock、Google Cloud の Vertex AI でのみ利用できますが、Claude 3 Haikuの後継モデルとして、Claudeの有料版でも利用可能となる予定です。

2024年11月現在、Claudeには以下4つのプランが用意されています。

プラン	対象	価格	利用可能モデル
Freeプラン	個人向け	無料	Claude 3.5 Sonnet
Proプラン	個人向け	20ドル（約2,990円）/月（1ユーザー）	Claude 3.5 Sonnet Claude 3 Opus Claude 3 Haiku
Teamプラン	法人向け	月額25ドル（約3,738円）/月※5名から利用可能	Claude 3.5 Sonnet
Enterpriseプラン	法人向け	営業担当に問い合わせ	Claude 3.5 Sonnet Claude 3 Opus Claude 3 Haiku

※1ドル＝約149円計算（最新の為替レートにより変動）

Proプラン・Teamプラン・Enterpriseプランが有料版であり、Proプランは個人向け、Teamプラン・Enterpriseプランは法人向けに展開されています。

現在無料版（Freeプラン）を利用していて、Claude 3.5 Haikuを利用したいと考えている方は、有料版への登録が必要である点を押さえておきましょう。

なお、Claude 3.5 Haikuと同時に発表されたClaude 3.5 Sonnetは無料版でも利用できます。

そのほか無料版でできることについては、以下の記事で詳細を解説しています。気になる方は参考にしてみてください。
関連記事：Claudeの無料版でできること＆有料版との違いは？回数制限や使い方も

Claudeの無料版遷移します。

Claude 3.5 HaikuのAPI料金は？

ClaudeのAPIの料金は、モデルごとに異なり、入力と出力のトークン数にもとづいて計算されます。

Claude 3.5 HaikuのAPIにかかる料金は、以下のとおりです。

モデル	入力	出力	プロンプトキャッシュ書き込み	プロンプトキャッシュ読み取り
Claude 3.5 Haiku	1ドル（約151円）/100万トークン	5ドル（約759円）/100万トークン	1.25ドル（約189円）/100万トークン	0.10ドル（約15円）/100万トークン

※2024年11月5日現在の価格

Claude 3.5 Haikuは、現在公開されている新しいモデルの中で、入力・出力ともに最も安価で利用できます。

Claudeの料金やプランについては、以下の記事でも解説しています。詳細を知りたい方は、あわせて参考にしてみてください。
関連記事：【2024年最新】Claude の料金プランを解説！API の価格・他ツールとの比較も

Claude 3.5 Haikuの活用シーン4選

Claude 3.5 Haikuは、より高度な機能が不要で、迅速かつコストを抑えたモデルを必要とするユーザー向けのモデルです。

特に、以下のようなシーンでの活用に向いています。

コード補完
インタラクティブなチャットボット
データの抽出とラベル付け
リアルタイムのコンテンツ監視

具体的な活用シーンを把握することで、実際の利用イメージも持ちやすくなるでしょう。

１つずつ順番に解説します。

1.コード提案・補完

Claude 3.5 Haikuは、迅速に最適なコードを提案・補完できるため、開発ワークフローの加速に役立ちます。

コーディングプロセスを合理化し、生産性を向上させたいソフトウェアチームやエンジニアに最適です。

ちなみに、Claudeを活用したコーディング作業においては、リアルタイムで視覚的なコンテンツを生成できる機能Articrafts機能も注目されています。

以下の記事で紹介しているので、興味がある方は合わせて確認してみてください。
関連記事：【初心者でも簡単】Claude「Artifacts」機能の使い方をやさしく解説

2.インタラクティブなチャットボット

Claude 3.5 Haikuは、チャットボットとしても高いパフォーマンスを発揮します。

会話の応答が速く、多くのユーザーとのやりとりを簡単に処理できるので、顧客対応やオンライン教育、電子商取引の現場でスムーズなエンゲージメントを提供可能です。

多数のユーザーとリアルタイムにコミュニケーションを取りたい企業や個人にとっても理想的です。

3.データの抽出とラベル付け

Claude 3.5 Haikuは、大量のデータから必要な情報を自動的に抽出・分類することが得意です。

たとえば、金融機関が取引データを整理する際や、医療分野での患者データ分析など、大量の非構造化データを扱う場面で役立ちます。

手作業では膨大な時間がかかるタスクを効率化し、業務の負担を軽減します。

4.リアルタイムのコンテンツ監視

Claude 3.5 Haiku は、推論機能とコンテンツ理解機能の向上により、信頼性の高い即時のコンテンツモデレーションを実現します。

投稿されたコンテンツを瞬時に評価・管理し、不適切な内容を自動でフィルタリングしてくれるため、ソーシャルメディアやオンラインコミュニティが健全な環境を維持するのに役立ちます。

活用シーンとあわせてClaudeの基本的な使い方を確認したい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
関連記事：Claudeの使い方をやさしく解説！回答精度が上がるプロンプトの書き方のコツも紹介

Claude 3.5 Haikuの安全性

Claude 3.5 Haikuは、安全性に重点を置いて設計されたAIモデルです。

Anthropic社が多言語対応や複数のポリシー領域に関する評価を徹底的に行い、様々なコンテンツに対して適切かつ安全に対応できるように調整されています。

開発過程では、特に機密情報の安全な取り扱いに重点が置かれ、リスクの特定と軽減がしっかり行われました。

社内テストの結果、Claude 3.5 Haikuは誤情報や不適切なコンテンツの生成を抑え、Anthropicの厳格な安全基準をクリアしていることが確認されています。

これにより、金融、医療、教育といった高い信頼性が求められる分野でも、安全に利用できることが期待されています。

さらに、企業向けには、AIの安全な活用をサポートするガイドラインも提供されています。

これには、ロールベースのアクセス制御、データの暗号化、使用状況の監査が含まれ、企業が安心してClaude 3.5 Haikuを導入・運用できる環境も整えられています。

Claudeの安全性については以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひあわせて参考にしてみてください。

Claude 3.5 HaikuはSonnet, Opusとどう違う？

続いては、Claude 3.5 Haikuと、現在Claudeで公開されている他のモデル、Claude 3.5 Sonnet・Claude 3 Opusの違いを紹介します。

どのモデルを利用すべきか検討している場合には、ぜひ参考にしてみてください。

モデル	特徴	長所	用途
Claude 3.5 Haiku	短い応答や要約、簡潔な情報提供に特化したモデル	処理速度が速く、応答が迅速	質問応答や要約作成、短文生成など
Claude 3 Opus	最も高度な推論能力と知識を持つ最高性能モデル	全体的なバランスが良く、多様なタスクに対応	複雑な分析や研究開発、大規模なデータ処理など
Claude 3.5 Sonnet	高度な自然言語処理と深い洞察を提供するモデル	長文の処理や複雑な問題解決に優れている	リアルタイムでコンテンツ生成や編集が可能複雑なテキスンテンツ生成など

それぞれを詳しく解説します。

Claude 3 Opus

Claude 3 Opusは、最も高度な推論能力を持つ、複雑なタスクに最適化されたモデルです。

知識の広さと深さがあるため、複雑なデータ分析や研究開発、大規模なデータセット処理などに適しています。

全体的なバランスが良く、多様なタスクに対応できるのが強みです。

Claude 3.5 Haikuと同様に、有料版（Pro, Team, Enterprise）のみで利用可能です。

また、APIで利用する場合の料金は以下のとおりです。

モデル	入力	出力
Claude 3 Opus	15ドル（約2,242円） / 100万トークン	75ドル（約11,213円） /100万トークン

現在はClaude 3 Opusのみ利用できますが、2024年内にはClaude 3.5 Opusのリリースが予定されています。

Claude 3.5 Sonnet

Claude 3.5 Sonnetは、長文処理と高度な自然言語処理を得意とし、複雑なテキスト生成やリアルタイムコンテンツの生成に優れたモデルです。

Claude 3 Opusの2倍の速度で応答でき、画像解析も可能である点が大きな特徴です。

日常業務や画像を使った分析に対して高精度な回答が得られ、コストパフォーマンスが良い点も評価されています。

無料版・有料版（Pro, Team, Enterprise）両方で利用可能ですが、有料版では無料版の5倍の回数、新機能の早期アクセス可能などのメリットがあります。

APIで利用する場合の料金は以下のとおりです。

モデル	入力	出力
Claude 3.5 Sonnet	3ドル（約448円）/100万トークン	15ドル（約2,242円）/ 100万トークン

Claude 3.5 Sonnetについては以下の記事で詳しく解説しています。気になる方は参考にしてみてください。
関連記事：Claude 3.5 Sonnetは無料で使える最強モデル！始め方や使い方をわかりやすく解説！

Claude 3.5 HaikuとGPT-4o, GPT-4o miniの違いは？

Claudeに関心がある方の中には、OpenAIのChatGPTを利用していて、性能や特徴の違いが気になっている方も多いでしょう。

Claude 3.5 Haiku、OpenAIのGPT-4o、およびGPT-4o miniには、それぞれ異なる強みと用途に最適化されたAIモデルであり、特徴的な違いがあります。

Claude 3.5 Haiku：迅速な質問応答や要約、コード補完といったリアルタイムアプリケーションに最適
GPT-4o：複雑な文章生成や深い分析、クリエイティブなマルチモーダルタスクに適し、特に高精度を要する場面で有効
GPT-4o mini：コスト効率が良く、日常的な短文やデータ処理に向いており、頻繁に応答が求められる場面に最適

以下で違いを深堀りします。

処理速度の比較

処理速度においては、Claude 3.5 Haikuが特に優れており、毎秒23トークンの高速な応答を提供できるため、リアルタイムでの対応が必要なアプリケーション、たとえばコード補完やチャットボットに非常に適しています。

コンテキストウィンドウ

モデル	コンテキストウィンドウ (トークン数)
Claude 3.5 Haiku	200,000
GPT-4o	200,000
GPT-4o mini	128,000

Claude 3.5 HaikuとGPT-4oは200,000トークンのコンテキストウィンドウを備えており、長文の処理や複雑な分析が求められるタスクに向いています。GPT-4o miniは128,000トークンで短めですが、日常的なデータ処理や短文のやり取りには十分対応できます。

対して、GPT-4oとGPT-4o miniは中程度の速度で応答するため、リアルタイム対応が重要でない場面に適しており、複雑なタスクを処理する際の安定性が期待されます。

コストの比較

モデル	入力コスト	出力コスト（100万トークンあたり）
Claude 3.5 Haiku	1ドル（約151円）/100万トークン	5ドル（約759円）/100万トークン
GPT-4o	2.50ドル（約380円）/100万トークン（Batch APIで1.25ドル）	10.00ドル（約1,521円）/100万トークン（Batch APIで5.00ドル）
GPT-4o mini	0.15ドル（約29円）/100万トークン	0.60ドル（約91円）/100万トークン