GPT-4oやGemini 1.5 Proを超える「Claude 3.5 Sonnet(ソネット)」がリリースされました。
Claude 3.5 Sonnetだけではなく、Artifacts(アーティファクツ)と呼ばれるコンテンツを視覚化できる機能もリリースされ、SNSで盛り上がりを見せています。
しかし「すごそうだけど、結局何ができるの?」や「どうやって使っていいのかわからない」などを考えている方は多いでしょう。
そこで本記事では、Claude 3.5 Sonnetが従来のモデルから進化した点や、話題のArtifactsの使い方、活用例などを紹介します。
本記事を読めばClaude 3.5 Sonnetの概要が掴めるだけでなく、業務での具体的な使い方まで身につけられるでしょう。
|監修者
(株)SHIFT AI 代表取締役 / GMO他複数社AI顧問 / 生成AI活用普及協会理事 / Microsoft Copilot+ PCのCMに出演 / 国内最大級AI活用コミュニティ(会員5,000人超)を運営。
『日本をAI先進国に』実現の為に活動中。Xアカウントのフォロワー数は9万人超え(2024年9月現在)
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【GPT-4o超え】Claude 3.5 Sonnetの特徴
まずは、Claude 3.5 Sonnetの特徴を解説します。
- 多くの分野で他モデルの性能を上回る
- Opusの2倍の速度で出力できる
- APIはOpusの5分の1の料金で利用できる
- 無料ユーザーでも利用できる
Claude 3.5 Sonnetの進化したポイントを確認してみてください。
多くの分野で他モデルの性能を上回る
Claude 3.5 Sonnetは、生成AIの性能を測るベンチマークテストにおいて、GPT・Gemini・Llamaの最新モデルや、これまで最高性能モデルとされたClaude 3 Opusよりも多くの項目で高い数値を叩き出しています。
それぞれのベンチマークテストの意味は以下のとおりです。
ベンチマークテスト | テスト概要 | Claude 3.5 Sonnetの結果 |
---|---|---|
大学院レベルの推論(GPQA) | AIが高度な学術的質問に答える能力を測定し、大学院生レベルの思考力が求められる。 | 59.4% |
学部レベルの知識(MMLU) | 一般的な大学学部レベルの幅広い知識をAIが持っているかを評価する。 | 88.7% |
コーディング能力(HumanEval) | AIがプログラミングの問題を解決し、正確なコードを生成できるかを測定する。 | 92.0% |
多言語数学(MGSM) | AIが複数の言語で数学の問題を理解し解決する能力を評価する。 | 91.6% |
テキストに基づく推論(DROP) | AIが長文を読んで理解し、その内容に基づいて推論や回答を行う能力を測定する。 | 87.1 |
混合評価(BIG-Bench-Hard) | さまざまな難しいタスクを組み合わせて、AIの総合的な能力を評価する。 | 93.1% |
数学問題解決(MATH) | AIが高度な数学の問題を解く能力を測定する。 | 71.1% |
小学校レベルの数学(GSM8K) | AIが小学校レベルの数学の問題を解く能力を評価する。 | 96.4% |
この表から、Claude 3.5 Sonnetが多くの分野で高い性能を示していることがわかります。
とくに、コーディング能力、多言語数学、混合評価、小学校レベルの数学では90%を超える高いスコアを達成しています。
大学院レベルの推論や数学問題解決などの高度なタスクでも高い成績を収めており、Claude 3.5 Sonnetが幅広い分野で優れた能力をもつことを示しています。
Opusの2倍の速度で出力できる
Claude 3.5 SonnetはClaude 3 Opusと比較して、2倍の出力速度を実現しています。
以下は、Claude 3 Opus(左)とClaude 3.5 Sonnet(右)の比較動画です。
Claude 3.5 Sonnetの方が、Opusよりも非常に早く出力していることがわかります。
Claude 3 Opusは性能が高いものの、GPT-4oやGemini 1.5 Proと比べて出力速度が遅い点がデメリットでしたが、Claude 3.5 Sonnetで解消できたといえるでしょう。
APIはOpusの5分の1の料金で利用できる
Claude 3.5 SonnetはClaude 3 Opusよりも高性能であるにもかかわらず、OpusよりもAPI利用料金が5分の1になりました。
価格の比較表を以下に示します。
モデル | 入力価格(100万トークンあたり) | 出力価格(100万トークンあたり) |
---|---|---|
Claude 3.5 Sonnet | $3 | $15 |
Claude 3 Opus | $15 | $75 |
Claude 3 OpusのAPI利用料金は、GPT-4oやGemini 1.5 Proと比較しても高い水準でした。しかし、Claude 3.5 Sonnetは低コスト化を実現し、企業や開発者は高度なAI機能を、より低コストで自社のアプリやサービスに組み込めるようになります。
AIの導入を検討している中小企業や、コスト最適化を重視する大企業にとって、魅力的な選択肢となるでしょう。
無料ユーザーでも利用できる
Claude 3 Opusは有料ユーザーのみに提供されていましたが、Claude 3.5 Sonnetは無料ユーザーでも利用できます。
有料ユーザーよりも回数制限が厳しかったり、一部機能が利用制限されたりしますが、それでも最高性能のモデルを無料で利用できる点は魅力的です。
なお、Claude 3.5 Sonnetはスマホ版のClaudeでも利用可能です。
気になる方は、以下のリンクからアプリ※をインストールしてみてください。
※2024年6月時点ではiOS版のみ
インストールはこちら>Claude by Anthropic
【1分で完了】Claude 3.5 Sonnetの利用方法
Claude 3.5 Sonnetを利用するには、以下の手順を踏みましょう。
- トップページでアカウントを作成する
- 自分の名前を入力する
- 利用規約を確認する
- 対話を開始する
本章を参考に、Claude 3.5 Sonnetを利用できるようにしてみてください。
1.トップページでアカウントを作成する
まずはトップページからアカウントを作成しましょう。
Googleアカウント、もしくはメールアドレスで登録します。
電話番号を入力すると、確認コードの入力を求められます。
入力したら次に進みましょう。
2. 自分の名前を入力する
次に自分の名前を入力しましょう。
入力した名前は、Claudeとの対話時に使用されることがあります。なお、入力した名前は後からでも変更可能です。
3. 利用規約を確認する
名前を決めたら、利用規約や注意点を確認します。
確認が完了すれば、「Sounds Good, Let’s Begin」をクリックしましょう。
4. 対話を開始する
すぐにClaudeとの対話を開始できます。
無料プランで利用できるのはClaude 3.5 Sonnetのみであるため、特別な設定は不要です。
ウィンドウにプロンプト(命令文)を入力して、対話を楽しみましょう。
新機能「Artifacts」がリリース
Claude 3.5 Sonnetのリリース発表と同時に、「Artifacts(アーティファクツ)」という機能も発表されました。
- 生成したコンテンツを表示できる機能
- Artifactsを有効化する方法
- Artifactsの利用方法
本章では、Artifactsの特徴や使い方について解説します。
生成したコンテンツを表示・編集できる機能
Artifactsは、Claudeが生成したコンテンツを専用ウィンドウで表示できる機能です。この機能の主な特徴は以下のとおりです。
機能 | 説明 |
---|---|
リアルタイム表示 | Claudeが作成したコンテンツをすぐに確認できる |
作業の継続性 | 一度作成したものをもとに、さらに改良を加えられる |
Artifactsは、コード、ドキュメント、HTML、SVG、Mermaid図、Reactコンポーネントなど、さまざまな種類のコンテンツに対応しています。
Artifactsによって、プログラミングや文書作成、ウェブデザイン、図表作成など、多岐にわたる作業をClaudeと協力して進められるようになります。
Artifactsを有効化する方法
まずは、以下の手順でArtifacts機能を有効化しましょう。
- Claude.aiにログイン
- 画面右上のユーザーアイコンをクリック
- ドロップダウンメニューから「Feature preview」を選択
- Artifactsをオン
上記の手順によって、Artifactsを利用する準備が整いました。
次に、具体的な使い方について解説します。
Artifactsの利用方法
Artifactsは、Claudeがプロンプトを受け取り、別ウィンドウでの表示が必要と判断した場合に表示されます。
つまり、Artifactsを有効化すれば、他に設定やプロンプトは必要ありません。
Artifactsで表示されたコンテンツは対話によってブラッシュアップも可能です。一度でうまくコンテンツを生成できなくても、複数回対話を重ねて理想のコンテンツを生成しましょう。
また、Artifactsで生成したコンテンツのコードやテキストデータはダウンロード・コピーが可能です。
【実践】Claude 3.5 SonnetとArtifactsの活用例6選
Claude 3.5 SonnetとArtifactsを実際に使った事例をいくつか紹介します。
- 資料をマインドマップで可視化
- 業務フローをシーケンス図で可視化
- アプリやゲームの開発
- Webサイトの作成
- グラフィックの作成
- データ分析・チャート作成
本章で活用事例を確認し、自分のビジネスに活かすヒントを探してみましょう。
資料をマインドマップで可視化
ClaudeにPDFファイルやWordファイルを読み込ませ、それを視覚的にわかりやすくまとめる方法です。
今回は論文をClaudeに読み込ませ、マインドマップでまとめています。
まとめたい資料をClaudeに提供し「資料の内容をマインドマップでまとめて」というプロンプトを入力するだけで出力されます。
業務フローをシーケンス図で可視化
商品開発やトラブルシューティングなどのフローを、タスク間の相互作用を時系列に沿って視覚的に表現するシーケンス図で表現する方法です。
シーケンス図で表現することで、各フローの関係性が理解しやすくなります。
マインドマップと同様に、プロンプトに「シーケンス図で出力して」と入力するだけで生成されます。
アプリやゲームの開発
マインスイーパーやシューティングゲームなど、シンプルなゲーム・アプリであればClaude上で生成できます。
難しいプロンプトは必要なく、ゲーム名と簡単な特徴を伝えるだけでゲームが生成されます。
ビジネスだけでなく、プログラミングの勉強としても活用できる機能です。
スライド作成
Claudeでは、トピックを指定するだけでスライドも作成できます。
パワーポイントやGoogleスライドのように、ユーザーがページを移動する仕様で出力されます。
スライドの内容を具体的に伝えることで、上記の例よりもさらに作り込まれたスライドも生成されます。
Webサイトの作成
ClaudeはWebサイトを構築するHTMLコードも生成できるため、WebサイトもClaude上で表現できます。
上記画像のプロンプトは「TwitterのUIを再現したWebサイトを作成してください。」と入力しただけです。
さらに複数回対話を重ねれば、より洗練されたWebサイトも作成できるでしょう。
グラフィックの作成
SVGと呼ばれる画像フォーマットを活用することで、グラフィックも表現できます。
ChatGPTのDALL•E 3のようにリアルな画像は出力できませんが、Claude上でも簡単な画像であれば出力できるようになりました。
SVGのフォーマットで作成された画像は、サイズ変更しても品質が劣化せず、使い勝手がいい点が特徴です。
データ分析・チャート作成
Claudeにデータを提供すれば、データ分析からチャートの作成まで可能です。
上記の例のように、SEOメディアのデータをコピペで提供すれば、ビジネスでも即活用できそうな資料が完成します。
なお、プロンプトは以下のとおりです。
あなたはプロのSEOコンサルです。 このデータを元にして、私のSEOメディア分析をArtifactsで行なって下さい。折れ線グラフ・円グラフ・棒グラフなどの視覚的要素をふんだんに用いてください。
Claudeはエクセルやスプレッドシートは読み込めませんが、分析したいシートの数字をコピペで提供するだけでもデータ分析は可能です。Artifactsによって、Claudeのデータ分析の幅が大きく広がりました。
弊社ではさまざまなAIツールの使い方に関する無料資料を配布しています。
本記事に加え、さらにClaude 3.5 Sonnetの活用方法を知りたい方、他のツールにも関心がある方は、以下のリンクから資料を確認してみてください。
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新機能「Projects」とは?特徴や使い方を紹介
Claude 3.5 SonnetとArtifactsが発表された後日、新たな機能である「Projects」も発表されました。
本章では、Projects機能の特徴や使い方を解説します。
チャットボットを作成できる機能
ProjectsはChatGPTのGPTsのように、特定のタスクに特化したチャットボットを作成できる機能です。
事前に命令文や資料を提供できるため、プロンプトを毎回入力する手間が省けます。
Projectsの特徴や、GPTsとの違いを以下に示します。
機能 | Claude Projects | ChatGPT GPTs |
---|---|---|
対象ユーザー | Claude ProとTeamプランの有料ユーザー | ChatGPT Plusの有料ユーザー |
共有と公開 | チーム内での共有のみ可能 | GPT Storeを通じて一般公開可能 |
コンテキストウィンドウ | 200,000トークン | 128,000トークン |
収益化 | 不可 | 予定あり |
コンテンツのリアルタイム表示 | Artifacts利用可能 | 不可 |
外部サービス連携 | 不可 | API利用可能 |
他者のチャットボット利用 | 不可 | GPT Storeで可能 |
GPT Storeによる一般公開やAPI連携が可能である点で、GPTsの方が機能面で優れているといえます。
しかしClaudeではArtifactsを利用できるため、前述したようなコンテンツのリアルタイム表示が可能である点が魅力です。
Artifactsを利用したClaudeならではのProjectsを活用できれば、GPTsよりも使い勝手のいい機能になるでしょう。
Projectsの始め方
Projectsを始める際は、PC画面左側のメニューから「Projects」をクリックします。
クリックすると、Projectsの管理画面に遷移します。
ここでは、過去に作成したProjectsを使ったり、新たにProjectsを作成できたりします。
Projectsの使い方
Projects管理画面の「Create Projects」をクリックすると、以下の画面に遷移します。まずは、Projects名と概要を記載しましょう。今回は例として、メールの下書きを作成するProjectsを作成します。
「Create Project」をクリックすると、以下の画面に遷移します。
今回はメールの下書きをしてもらうために「Set custom instructions」にプロンプトを組み込みます。
「Save Instructions」をクリックすれば完了です。参照してほしいファイルがある場合は「Add Content」をクリックしてファイルを提供しましょう。
作成したProjectsは、以下のように動作します。
上記のように、Artifactsが作動してメールの下書きを作成してくれました。
本章を参考にして、ぜひProjectを作ってみてください。
2024年後半にOpusとHaikuの新モデルがリリース予定!
開発元のAnthropicによると、2024年後半には、Claude 3 OpusとClaude 3 Haikuの3.5バージョンがリリースされると発表されています。
Claude 3 Opusは、Claude 3.5 Sonnetリリース前までは最高性能モデル、Haikuは高速・低コストなモデルです。
どちらも優秀なモデルであるため、3.5バージョンになればClaude 3.5 Sonnetを超える性能になることが期待されています。
参考:Claude 3.5 Sonnet(Anthropic)
Claude 3.5 Sonnetを使って生産性をさらに高めよう
Claude 3.5 Sonnetは、GPT-4oやGemini 1.5 Proよりも性能が高く、出力速度・コストともに申し分ないAIモデルです。
また、Artifactsによって視覚的な表現も可能になり、処理できるタスクの幅が大きく広がりました。
Claude 3.5 Sonnetは無料でも利用できるため、業務を効率化したい方は、本記事を参考にして気軽にアカウントを作成してみてください。
また、弊社SHIFT AIでは、Claudeを使った業務効率化の方法や、生成AIを使える人材になるためのセミナーを提供しています。
Claude 3.5 Sonnetを活用して生産性を高め、キャリアアップを目指したい方は、ぜひ無料のセミナーにご参加ください。
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