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  • 画像・動画生成AI

【著作権完全フリー】画像生成AI「Adobe Firefly」の特徴やできることを解説

「Adobe Fireflyが著作権フリーだと聞いたことがあるが、実際にビジネスで使えるの?」と疑問に思っている方は多いでしょう。

Adobe Fireflyは著作権フリーの画像生成AIであるため、他の生成AIよりも安心して利用できます。しかし、Adobe Fireflyの著作権規約や具体的にできることを知らずに、結局活用を見送っている方もいるでしょう。

本記事では、著作権問題を気にせず安心して使える画像生成AI「Adobe Firefly」の特徴や機能を詳しく解説します。

さらに、具体的な使い方や料金プラン、Adobeの著作権に関する方針についても詳しく説明します。

この記事を読むことで、画像生成AIにおける著作権の不安から解放され、Adobe Fireflyを活用して自信を持ってクリエイティブな作品を生み出せるようになるでしょう。

監修者

SHIFT AI代表 木内翔大

(株)SHIFT AI 代表取締役 / GMO他複数社AI顧問 / 生成AI活用普及協会理事 / Microsoft Copilot+ PCのCMに出演 / 国内最大級AI活用コミュニティ(会員1万人超)を運営。
『日本をAI先進国に』実現のために活動中。Xアカウントのフォロワー数は10万人超え(2025年1月現在)

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Adobe Fireflyは完全著作権フリーの画像生成AI

Adobe Fireflyは著作権周りの知識について、以下の項目を解説します。

  • 著作権フリーの作品のみ学習している
  • エンタープライズ版なら万が一の補償制度がある
  • 商用利用できる

それぞれの項目を確認して、本当にビジネスで活用できるのか知っておきましょう。

また、Adobe Fireflyだけでなく、生成AI全般の著作権侵害リスクを知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

生成AIの著作権侵害について解説

【生成AIが作った画像・文章は著作権を侵害する可能性あり!回避する方法も解説

生成AIで作ったコンテンツは、著作権を侵害する可能性をもっています。著作権を意識せず生成AIを使うことで、思わぬ損失を被ってしまう場合があります。本記事では、生成AI…

著作権フリーの作品のみ学習している

Adobe Fireflyは、著作権問題を回避するために、学習データとしてAdobe Stockの画像、オープンライセンスコンテンツ、および著作権が失効したパブリックドメインコンテンツのみを使用している点が特徴です

この取り組みにより、Adobe Fireflyは安全に商用利用できる画像生成AIとして知られています。

また、Adobe Stockのクリエイターから提供されたコンテンツは、使用許諾契約に基づいてFireflyのトレーニングデータとして使用されていますが、一般のCreative Cloudユーザー※のコンテンツが無断でトレーニングに使用されることはありません
※PhotoshopやLight roomなどを一般的に使っているユーザー

Adobeの著作権侵害を回避する取り組みによって、Adobe Fireflyは著作権侵害リスクを大幅に低減しているのです。

エンタープライズ版なら万が一の補償制度がある

Adobeは、Firefly エンタープライズ版で生成された画像に関して著作権侵害の訴訟が起こされた場合、法的費用を全額補償すると発表しています。
参考:Firefly Legal FAQs – Enterprise Customers

Adobeの資料には、具体的に以下のように記載されています。

  1. Adobeは、Fireflyの出力が第三者の特許、著作権、商標、パブリシティ権、またはプライバシー権を直接侵害または違反しているという申し立てに対して補償を行う
  2. この補償は、Fireflyの画像生成機能に適用されます。
  3. 補償の対象となるのは、既存の契約でAdobeが技術ベースのIP請求※に適用している責任制限と同じものが適用される
    ※知的財産に関する法的請求

なお、以下の場合は補償対象外であるため注意しましょう。

項目内容
顧客による修正Fireflyで生成された画像を顧客が修正した場合、その修正された部分に関する法的問題は補償対象外
他の素材との組み合わせFireflyの出力を他の素材(例:写真、イラスト、テキストなど)と組み合わせて使用した場合、その組み合わせによって生じる法的問題は補償対象外
顧客契約違反Adobeとの契約条件に違反してFireflyの出力を使用した場合、その使用に関する法的問題は補償対象外
使用中止指示後の継続使用Adobeが特定の出力の使用中止を指示したにもかかわらず、顧客がその使用を続けた場合、補償対象外
カスタムトレーニング用コンテンツ顧客が提供したカスタムトレーニングデータを使用してFireflyをトレーニングした場合、そのカスタムモデルの出力に関する法的問題は補償対象外

この補償制度は、Adobeが自社のAIモデルの安全性と合法性に強い自信を持っていることを示しています。エンタープライズ版の利用者は、この補償制度により、生成AIの利用に伴う法的リスクを大幅に軽減できることを知っておくとよいでしょう。

商用利用できる

Adobe Fireflyで生成されたコンテンツは、商用目的で利用できることも利用規約に記載されています。著作権完全フリーかつ、商用利用可能であるため、とくに企業にとって使いやすい画像生成AIといえます。

ベータ版でない生成AI機能からの出力は商用利用できます。生成AI機能のベータ版からの出力は、製品またはその他の場所で別途指定されていない限り商用利用できますが、これらの出力はベータ版のうちは補償の対象になりません。

引用元:Fireflyの生成AIで画像を作成(Adobe)

上記の記載から、ベータ版と呼ばれるテスト段階の機能を除けば、Adobe Fireflyで生成したコンテンツは商用利用可能であることがわかります。

以上の特徴により、Adobe Fireflyは著作権問題を最小限に抑えつつ、クリエイティブな作業を効率化し、商用利用にも対応した画像生成AIツールとして注目されています。

【著作権を気にしなくてOK】Adobe Fireflyでできること

Adobe Fireflyで主にできることを3つ紹介します。

  • テキストから画像生成
  • 参照画像から画像生成(構成参照)
  • 生成塗りつぶし(挿入・削除・拡張)

Adobe Fireflyを使用する前に、何ができるのかをしっかり理解しておきましょう。

テキストから画像生成

Adobe Fireflyでできる基本的なこととして、テキストから画像を生成する機能があげられます。

Adobe Fireflyを使うためには、まず公式サイトにアクセスして、「テキストから画像生成」を選択します。Adobe Fireflyは無料でも利用可能です。(料金の詳細については後述

Adobe Fireflyのトップ画面
Adobe Fireflyのトップ画面

「テキストから画像生成」をクリックすると、プロンプト(命令文)を入力する画面に移動します。プロンプトを入力すると、以下のように画像が4枚生成されます。

Fireflyで作った柴犬の画像
プロンプト:湖の辺りで犬が一匹いる。天気は晴れで、太陽が湖の水面に反射して輝いている。荘厳な雰囲気。パノラマ。

上記のように、日本語でもリアルで高品質な画像を生成できます。なお、プロンプトの指定以外にも、画像の縦横比やスタイル(リアル風やアート風など)、全体の色味、光の加減など、さまざまな要素を指定できます。

著作権を気にせず、高品質な画像を生成できる点が、Adobe Fireflyの強みです。

供して、思い通りの画像を生成しやすくする機能もあります。

たとえば、以下のように白黒の森の中の道を事前に提供することで、「雪山」というプロンプトを入力しただけで参考画像と似た構図の雪山の道が生成されます。

構成参照した雪山
プロンプト:雪山

この機能は、Adobe Fireflyの画像生成画面の「合成」から使用できます。自分がもっている画像、もしくはAdobe側のデフォルト画像を参照画像として選び、プロンプトを入力するだけです。

構図を参照することで、理想の画像を生成しやすくなります。商用利用可能でここまでの機能が備わっている画像生成AIは少ないため、ビジネスで生成AIを使いたい方はAdobe Fireflyを検討してみてください。

生成塗りつぶし(挿入・削除・拡張)

「生成塗りつぶし」と呼ばれる、既存の画像・写真の一部に新しいオブジェクトを追加したり、削除したりできる機能も使えます。

使用するには、公式サイトの「生成塗りつぶし」をクリックします。

クリックすると、生成塗りつぶしに使う画像をアップロードする画面に移動するため、好きな画像をアップロードしてください。

今回は、前回作成した柴犬の画像を使って、生成塗りつぶしを行います。

上記の動画は、ブラシで塗った画像の一部に、プロンプトに入力したオブジェクトを挿入する機能です。

そして上記の動画は、ブラシで塗った部分のオブジェクトを削除する機能です。

そして最後に、画像のサイズをしていて、もとの画像の外側を拡張する機能です。この機能は、拡張する部分をプロンプトで細かく指示もできます。

このように、生成塗りつぶし機能を使うことで、専門的なスキルがなければ難しい合成・削除などを簡単に行えます。

Adobe Fireflyは著作権フリーの画像を生成できるだけでなく、画像の編集を効率化してくれるツールでもあるのです。

Adobe Fireflyの料金

Adobe Fireflyは、個人向けに4つの料金プランを提供しています。これらのプランは、ユーザーのニーズと予算に合わせて選択できるように設計されています。Adobe Fireflyの料金プランは以下の通りです。

プラン名月額料金生成クレジット特徴
Firefly無料プラン0円毎月25基本機能の利用が可能
Fireflyプレミアムプラン680円毎月100透かしなしの画像ダウンロード可能
Creative Cloud単体プラン1,180円〜毎月最大500対象アプリのいずれか一つが利用可能
Creative Cloudコンプリートプラン7,780円毎月1,00020以上のデスクトップアプリとモバイルアプリが利用可能

Adobe Fireflyの料金体系は、生成クレジットという概念にもとづいています。生成クレジットは、画像生成や生成塗りつぶし、生成再配色などの機能を1回使用するごとに1クレジットが消費されます。

各プランには毎月一定数の生成クレジットが付与され、無料プランでは毎月25クレジット、最上位のCreative Cloudコンプリートプランでは毎月1,000クレジットが提供されます。無料プランは、Adobe Fireflyの基本機能を試してみたい初心者ユーザーに適しています。

一方、プロフェッショナルなクリエイターや頻繁に画像生成を行う必要がある場合は、より多くの生成クレジットが付与される有料プランの選択が推奨されます。また、PhotoshopやIllustratorなど他のAdobe製品も併せて使用したい場合は、Creative Cloud単体プランやCreative Cloudコンプリートプランが適しています。

これらのプランでは、Adobe Fireflyの機能に加えて、他のAdobe製品も利用できるため、より総合的なタスクが可能です。Adobe Fireflyの料金プランは、ユーザーの使用頻度や目的に応じて柔軟に選択できるため、個人のニーズに合わせた最適なプランを選びましょう。

Adobeと著作権に関するよくある質問

Adobe製品と著作権に関するよくある質問を3つまとめます。

  • Photoshopは著作権侵害の可能性はありますか?
  • Photoshopで生成したコンテンツは商用利用可能ですか?
  • Adobeの生成AIに関するユーザーガイドラインはありますか?

Adobe Fireflyだけでなく、その他の製品と著作権の関係についても知っておきましょう。

Photoshopは著作権侵害の可能性はありますか?

Photoshopそのものは著作権侵害を引き起こすツールではありませんが、使用方法によっては著作権侵害のリスクが生じます。

Photoshopは画像編集ソフトウェアであり、ユーザーが他人の著作物を無断で使用したり改変したりすることで、著作権侵害が発生する可能性があります。著作権侵害を避けるためには、以下の点に注意しましょう。

  1. 他人の著作物を使用する際は、著作者の許可を得るか、適切なライセンスを取得する
  2. フリー素材を使用する場合でも、利用規約をよく確認し、商用利用や改変が許可されているか確認する
  3. 写真に写っている人物の肖像権にも配慮する

Photoshopの最新バージョンに搭載されているAdobe Fireflyの生成AI機能を使用する場合、著作権侵害のリスクは大幅に低減されます。これは、Fireflyが著作権フリーの作品のみを学習データとして使用しているためです

Photoshopで生成したコンテンツは商用利用可能ですか?

Adobe Fireflyを使用してPhotoshopで生成したコンテンツは、商用利用が可能です2023年9月13日以降、Adobe ExpressでFireflyの生成AI機能が商用利用可能になりました。

Photoshopで利用できる生成AIはAdobe Fireflyであるため、前述したように、商用利用できて、かつ著作権侵害リスクがありません。

ただし、Photoshopの通常の機能を使用して作成したコンテンツの商用利用については、使用した素材や画像の著作権に応じて判断する必要があります。自作の画像や適切にライセンスを取得した素材を使用している場合は、商用利用が可能です。

Adobeの生成AIに関するユーザーガイドラインはありますか?

Adobeは「Adobe生成AIユーザーガイドライン」を公式に公開していますこのガイドラインは、ユーザーがAdobeの生成AI機能を使用する際に適用されるものです。主な内容は以下の通りです。

項目内容
商用利用について一般に、生成AI機能からの出力は商業的に使用可能。ただし、ベータ版など一部の機能では商用利用が制限される場合がある
禁止事項・人工知能/機械学習(AI/ML)モデルのトレーニング目的での使用は禁止。
・虐待的、違法、他者の権利を侵害するコンテンツの作成は禁止
品位と安全性の確保ポルノ的素材、憎悪表現、暴力表現、違法行為の助長は禁止
知的財産権の尊重第三者の知的財産権を侵害するコンテンツの作成は禁止
個人情報の取り扱い個人情報を含むコンテンツの作成には、適用されるデータ保護およびプライバシー法令の遵守が求められる
コンテンツ認証情報生成されたコンテンツには自動的に「コンテンツクレデンシャル」が付与され、生成情報が記録される

このガイドラインは、Adobeの生成AI機能を安全かつ責任を持って使用するための指針です。ユーザーは、これらのガイドラインを遵守しながら、創造的かつ生産的に生成AI機能を活用することが求められています。

なお、このガイドラインは随時更新される可能性があるため、最新の情報については公式サイトを確認することをお勧めします。
参考:Adobe 生成 AI ユーザーガイドライン(Adobe)

著作権侵害リスクなしのAdobe Fireflyで画像生成AIを利用しよう

Adobe Fireflyは著作権侵害の心配がないだけではなく、MidjourneyやStable Diffusionにも引けを取らないクオリティの画像を生成できます。

もし、画像生成AIを使いたいと考えているなら、導入も利用も簡単であるAdobe Fireflyを検討してみてもよいでしょう。

ただし、生成AIを導入しても、利用者のスキルが伴わないなら導入効果を最大化できません。

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記事を書いた人

SHIFT AI TIMES編集長

大城一輝

フリーランスとしてライター、ディレクター、生成AIコンサルタントとして活動している。AI活用の講師も多数経験。
SHIFT AIではオウンドメディア(SHIFT AI TIMES)の編集長を担当。
また、SHIFT AIのモデレーターとしてコミュニティ運営や講師にも携わっている。
G検定・生成AIパスポート・Generative AI Test合格
Google AI Essentials修了
ノーコード生成AIツール「Create.xyz」公式アンバサダー
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