【ググる時代終了】ChatGPT search(SearchGPT)とは?使い方や活用例を解説!
2024年7月26日、ChatGPTの開発元であるOpenAIから「SearchGPT(サーチ・ジーピーティー)|」が発表されました。そして2024年11月1日より、「ChatGPT search(チャットジーピーティー・サーチ)」という機能名で、ChatGPT Plus・Teamプランユーザーが利用できるようになりました。
※以降、ChatGPT searchと記載します。
ChatGPT searchはインターネット上の情報をまとめることに特化した機能で、GoogleやYahooでの検索に代わるものとして注目を集めています。
インターネットでの情報収集が日常的になった現代において、AIを活用して検索を行うことは、ビジネスや日常生活の生産性を大きく高めます。
本記事では、ChatGPT searchの基本情報や使用するメリット、Chromeの拡張機能の使い方などについて詳しく解説します。また、メディア運営者向けに、ChatGPT searchのセキュリティ面についても解説しています。
この記事を読むことで、ChatGPT searchの基本がすべてわかり、自分に合った活用方法をイメージできるようになるでしょう。
監修者
SHIFT AI代表 木内翔大
(株)SHIFT AI 代表取締役 / GMO他複数社AI顧問 / 生成AI活用普及協会理事 / Microsoft Copilot+ PCのCMに出演 / 国内最大級AI活用コミュニティ(会員5,000人超)を運営。
『日本をAI先進国に』実現の為に活動中。Xアカウントのフォロワー数は9万人超え(2024年9月現在)
弊社SHIFT AIでは、生成AIに関する資料を配布しています。無料でダウンロードできるため、ぜひこの機会に大ボリュームのAI活用資料を手に入れてみてください。
目次
ChatGPT searchとは?
本章では、まずChatGPT searchの基本知識について解説します。
- Webの情報を簡単にまとめられる
- 情報をわかりやすく視覚化できる
- 情報の引用元を表示できる
- 出版社やクリエイターとの提携により信頼性が高い
上記の項目について、詳しく解説します。ChatGPTの基本を知りたい方は、本記事とあわせて以下の記事も参考にしてみてください。
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Webの情報を簡単にまとめられる
ChatGPT searchの最大の特徴は、Web上の膨大な情報を簡単にまとめられることです。現在のChatGPTのブラウジング機能と似た機能ですが、ChatGPT searchは検索に特化しているAIとして開発されており、情報収集の性能が高くなっています。
GoogleやYahooのような従来の検索エンジンでは、必要な情報を得るために適したキーワードを入力し、関連する情報を自分でまとめる必要がありました。
しかし、ChatGPT searchはAIの力を活用し、ユーザーの質問に対して関連する情報を自動的に収集し、要約してくれます。また、ChatGPTによって、海外の情報を日本語に訳すことも可能です。
たとえば「日本の少子高齢化問題について教えて」という質問に対して、ChatGPT searchは複数の信頼できるソースから情報を集め、現状、原因、影響、対策などを簡潔にまとめた回答を提供します。
ChatGPT searchにより、時間をかけてWebサイトを閲覧する必要がなくなり、より効率的に情報を得られるようになります。
情報をわかりやすく視覚化できる
ChatGPT searchはテキストだけでなく、グラフ、チャート、図表などを用いて回答できます。
たとえば、天気について聞くと、以下のように視覚的にわかりやすい図を出力してくれます。
他にも、複雑なデータや統計情報なども視覚化が可能です。ChatGPT searchによって、検索体験がより良くなるでしょう。
情報の引用元を表示できる
ChatGPT searchは、提供する情報の信頼性を担保するため、引用元を表示します。そのため、提供された情報がどこから得られたものかを即座に確認でき、必要に応じて原典にアクセスできるのです。
たとえば、MLBの本塁打王について検索した場合、ChatGPT searchは回答と共に、その情報源となるメディアを引用してくれます。
引用元を確実に表示することで、ユーザーは情報の信頼性を自分で判断でき、さらに詳しい情報を得たい場合にも簡単にアクセスできるようになります。
出版社やクリエイターとの提携により信頼性が高い
ChatGPT searchの開発にあたり、OpenAIは多くの出版社やコンテンツクリエイターと提携しており、情報の質と信頼性が担保されています。
具体的には、The AtlanticやNews Corpといった大手メディア企業との提携が進められています。これらの提携により、ChatGPT searchは信頼性の高い最新のニュースや分析を含む回答を提供できるのです。
また、出版社やクリエイターにとっても、ChatGPT searchを通じて新たな読者層にリーチできるというメリットがあります。
ChatGPT searchは、AIの力とウェブ上の豊富な情報、そして信頼できるパートナーとの提携を組み合わせることで、ユーザーに価値ある情報を提供することを目指していると発表されています。
参考:SearchGPT Prototype(OpenAI)
ChatGPT searchはPlus・Teamプランで使用可能(2024年11月時点)
ChatGPT searchは2024年11月1日時点で、有料版のChatGPT PlusとTeamプランでのみ使用可能です。無料ユーザーの場合は、今後数週間以内に提供される予定とされています。
また、EnterpriseおよびEduユーザーには、今後数週間以内に段階的に行われる予定です。
ChatGPT searchの使い方
ChatGPT searchを使う場合に、必要な設定はありません。検索が必要であることをChatGPTが判断すると、自動的に起動します。
ただし、ChatGPT searchを強制的に使用したい場合は、ChatGPTのプロンプト入力画面の地球儀マークをクリックします。地球儀マークをクリックすると「検索する」と表示されます。
このままプロンプトを入力するだけで、ChatGPT searchが起動します。強制的にChatGPT searchが起動するため、通常のChatGPTでは検索が行われないプロンプトでも検索を行い、回答を行います。
なお、推論タスクに特化した、o1-previewとo1-miniではChatGPT searchを使用できない点に注意しましょう。
これで、ChatGPT searchを使えるようになりました。ただし、ChatGPT searchは、ChatGPTそのものを使いこなしてこそ真価を発揮します。ChatGPTを使いこなして、業務効率化を最大限に高めたい方は、ぜひ弊社SHIFT AIが配布している資料をご覧ください。
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ChatGPT searchの拡張機能もある!
ChatGPT searchには、Google Chromeで使用できる拡張機能も用意されています。拡張機能を使うことで、Google検索を行う際にChatGPT searchが強制的に起動するようになります。
拡張機能を使用すると、上記画像のようにGoogleの検索窓がなくなります。そのため、Googleの検索結果を見ることができなくなり、強制的にChatGPTの画面に飛ばされます。
通常のGoogle検索ができなくなることから、普段からChatGPTをメインで調べ物をしている方にのみ推奨される拡張機能といえるでしょう。
ChatGPT searchの拡張機能は、以下のリンクからインストールできます。インストールしたら、Chromeの画面右上の拡張機能マークからオンオフを切り替えられます。
>ChatGPT search拡張機能
【実演】ChatGPT searchの活用例
ChatGPT searchの活用例を4つ紹介します。
- 商品・サービスを比較する
- 旅行計画を立てる
- 業界のトレンドを分析する
- 海外の情報をまとめる
ChatGPT searchが利用する際の参考にしてみてください。
商品・サービスを比較する
ChatGPT searchを使用することで、複数の商品やサービスを効率的に比較できます。従来の検索エンジンでは、ユーザーが複数のウェブサイトを閲覧し、情報を自分でまとめたり、比較サイトの限られた比較対象から商品・サービスを選んだりする必要がありました。
ChatGPT searchは、そういった面倒な作業を大幅に簡略化します。
たとえば「最新のスマートフォンの機能と価格を比較して」と尋ねると、ChatGPT searchは複数の信頼できる情報源から最新の製品情報を収集し、機能、価格、ユーザーレビューなどを整理して提示します。
ユーザーは短時間で商品の特徴を把握し、的確な判断を下せるようになるでしょう。
旅行計画を立てる
ChatGPT searchで旅行先の情報を収集・整理し、自分に合った旅行計画を立てるといった使い方も便利です。インターネット上にある、目的地の情報、交通手段、宿泊施設、観光スポットなど、旅行に必要なさまざまな情報を、 ChatGPT searchを使えば瞬時に収集できます。
たとえば「来月の京都3泊4日の旅行プランを立てて」というリクエストに対し、 季節に応じた観光スポット、おすすめの宿泊施設、現地の交通情報、人気のレストランなどを含む詳細な旅程を提案してくれます。
また、ユーザーの好みや予算に応じて計画を調整するといった使い方もできるでしょう。
業界のトレンドを分析する
ChatGPT searchは、最新のニュース、市場調査レポート、専門家の意見など、多様な情報源から関連データを収集し、特定の業界や市場のトレンドを分析できます。
たとえば「世界のAI産業の最新トレンドと今後5年間の予測を教えて」という質問に対し、ChatGPT searchは技術の進歩、市場規模の推移、主要プレイヤーの動向、規制環境の変化など、さまざまな情報源からAI産業の現状と将来予測を提示できます。
ChatGPT searchは検索だけでなく、ChatGPT自身が検索から将来予測を行ったり、アイデアを提案できたりします。検索と生成AIの力を組み合わせて、ビジネスを効率化させることが可能です。
海外の情報をまとめる
ChatGPT searchは、言語の壁を越えて海外の情報を効率的に収集し、まとめる能力をもっています。これは、海外展開を考えている企業や、国際情勢に関心のある方にとって便利な使い方です。
たとえば「フランスの再生可能エネルギー政策について最新情報を教えて。日本以外のメディアから情報を集めて。」という要求をしたとしましょう。
このように、ChatGPT searchはフランス語や英語の情報源から最新のデータを収集し、政策の概要、導入状況、課題、将来の展望などを日本語で分かりやすくまとめて提供します。
AIの力で言語の壁を感じることなく、海外の最新動向を把握できるようになるため、ビジネスをより効率化できるでしょう。
【セキュリティ】ChatGPT searchに情報漏えいリスクはある?
メディアを運営している方は、ChatGPT searchによるコンテンツの学習に懸念をもっている方は多いでしょう。
本章では、ChatGPT searchのセキュリティ面について解説します。
- ChatGPT searchはWebコンテンツの内容を学習しない
- GPTBotが学習を行う可能性がある
- メディア側はChatGPT searchのブラウジングを制御できる
それぞれの項目について詳しく解説します。
ChatGPT searchはWebコンテンツの内容を学習しない
ChatGPT searchでは、検索のために収集したWebコンテンツを、AIモデルの学習に使用しないことが発表されています。
OpenAI社は、ChatGPT search用のクローラー※として「OAI-SearchBot」を使用しています。このクローラーは、検索結果の生成と表示のみを目的としており、OpenAIのAIモデルの訓練には一切使用されません。
※Webサイトを閲覧するボットのこと。クロールがWebサイトを閲覧することを「クロール」と呼ぶ。
つまり、OAI-SearchBotがウェブサイトから収集した情報は、検索結果としてユーザーに提供されるだけで、AIモデルの学習データとしては利用されないのです。
また、ChatGPT searchが検索したコンテンツを学習しない特性上、メディア側がAIの学習をブロックする設定をしていても、ChatGPT searchはサイトを閲覧して情報を確認できます。
この特性のおかげで、ユーザー側の利便性は下げることなく、メディア側は自社のコンテンツがAIモデルの訓練に無断で使用されるリスクを低くしながら読者を獲得できるのです。
GPTBotが学習を行う可能性がある
一方で、OpenAI社は「GPTBot」というボットも使用しており、GPT-4oやGPT-4o miniなどのAIモデルをより有用で安全なものにするために使用しています。このボットは、AIモデルの訓練に使用するためにコンテンツをクロールします。
つまり、GPTBotがウェブサイトをクロールした場合、そのコンテンツがOpenAIのAIモデルの訓練データとして使用される可能性があります。これは、ChatGPT searchとは別の目的で行われる活動です。
たとえば、技術ブログや学術論文のウェブサイトがGPTBotによってクロールされた場合、そこに含まれる情報や知識がAIモデルの訓練に使用され、モデルの性能向上に貢献する可能性があります。
ただし、自社のコンテンツを学習されることに抵抗がある企業は多いでしょう。自社コンテンツの学習を防ぎたい方は、次に解説する方法でGPTbotのクロールをブロックできます。
メディア側はブラウジングや学習を制御できる
メディア側には、OAI-SearchBotやGPTbotによる、ブラウジングや学習を制御する権限が与えられています。
たとえば、以下のような制御が可能です。
- OAI-SearchBotを許可し、検索結果に表示されるようにする。
- GPTBotを拒否し、コンテンツがAIモデルの訓練に使用されないようにする。
- ChatGPT-User※を許可し、ウェブサイトの情報を参照できるようにする。
※ChatGPTを利用している一般ユーザー
OpenAI社は、robots.txtタグを使用して制御することを推奨しています。具体的には、以下のコードを入力することが効果的です。
制御項目 | 設定内容 | 例 |
---|---|---|
OAI-SearchBot | サイトのクロールとChatGPT searchの検索結果表示を制御 | 全体を許可する場合: User-agent: OAI-SearchBot Allow: / 特定ディレクトリのみを許可する場合: User-agent: OAI-SearchBot Allow: /public/ Disallow: / |
GPTBot | サイトのクロールとAIモデルの訓練に使用されるコンテンツを制御 | 全体を拒否する場合: User-agent: GPTBot Disallow: / 特定ディレクトリのみを許可する場合: User-agent: GPTBot Allow: /ai-training/ Disallow: / |
ChatGPT-User | ChatGPTユーザーのサイト情報参照を制御 | 全体を許可する場合: User-agent: ChatGPT-User Allow: / 特定ページへのアクセスを制限する場合: User-agent: ChatGPT-User Disallow: /private/ Allow: / |
複合設定の例 | 各ボットごとに異なる制御を組み合わせる | User-agent: OAI-SearchBot Allow: / User-agent: GPTBot Disallow: / User-agent: ChatGPT-User Allow: /public/ Disallow: / |
IPベースのフィルタリング | OpenAIの各ボットのIPアドレス範囲を使用してサーバー側でアクセスを制御 | Apacheサーバーの.htaccessファイル例: <IfModule mod_rewrite.c> RewriteEngine On RewriteCond %{HTTP_USER_AGENT} GPTBot [NC] RewriteRule ^ – [F] </IfModule> |
たとえば、ニュースサイトの運営者の方は、自社のコンテンツがChatGPT searchの検索結果に表示されることを望むかもしれません。その場合、robots.txtファイルでOAI-SearchBotを許可し、GPTBotを拒否することで、検索可能性を維持しつつ、コンテンツの独自性を保護できます。
上記の制御オプションにより、Webサイト運営者やメディア企業は、自社のコンテンツが生成AIとどのように相互作用するかを細かく管理できます。ボットの制御について、さらに詳細を確認したい方は、公式サイトを確認してみてください。
ChatGPT searchを使ってリサーチ業務を高速に!
ChatGPT searchはネット検索に特化しており、GoogleやYahoo!での検索よりも瞬時に情報を収集できます。
また、AIを活用するため、単なる情報収集ではなく、集めた情報をもとにしたレポート・コンテンツ作成も可能です。
PerplexityやFeloといった検索特化のAIも使いやすいですが、ChatGPTはAdvanced Data AnalysisやGPTs、DALL•E 3などのその他の機能も多様であり、ChatGPT searchはそれらと組み合わせることもできます。自分のニーズに合わせて、ChatGPT searchやその他検索AIを使い分けてもよいでしょう。
本記事を参考にChatGPT searchを使用して、リサーチ業務を効率化させてみてください。
弊社SHIFT AIでは、生成AIの使い方をまとめた資料を配布しています。無料でダウンロードできるため、ぜひこの機会に大ボリュームのAI活用資料を手に入れてみてください。
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記事を書いた人
SEOメディア責任者
大城一輝
フリーランスとしてライター、ディレクター、生成AIコンサルタントとして活動している。AI活用の講師も多数経験。
SHIFT AIではSEOメディア運用を担当。
また、SHIFT AIのモデレーターとしてコミュニティ運営や講師にも携わっている。
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