ChatGPT(チャットジーピーティー)のイラスト生成機能とは、高品質なビジュアルコンテンツを作成できる機能です。
しかし、適切なプロンプトの作成方法や生成されたイラストの調整方法を知らないと、思い通りのイラストを作成するのは困難です。
このため、イラスト生成のコツを理解しないままでいると、ChatGPTの潜在能力を十分に引き出せず、競合他社に差をつけられてしまう可能性があります。
本記事では、ChatGPTを使って高品質なイラストを生成するためのコツや手順を詳しく解説しています。
本記事を読めば、ChatGPTのイラスト生成機能を自在に操れるようになり、目的に合った高品質なイラストを簡単に作成できるようになるでしょう。
これにより、魅力的なビジュアルコンテンツを活用した効果的なマーケティングやブランディングが可能になります。
その他、ChatGPT-4(GPT-4o)の使い方については、以下の記事でも詳しく解説しています。
|監修者
(株)SHIFT AI 代表取締役 / GMO他複数社AI顧問 / 生成AI活用普及協会理事 / Microsoft Copilot+ PCのCMに出演 / 国内最大級AI活用コミュニティ(会員5,000人超)を運営。
『日本をAI先進国に』実現の為に活動中。Xアカウントのフォロワー数は9万人超え(2024年9月現在)
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ChatGPTのイラスト生成機能(DALL•E 3)の概要
ChatGPTは、テキストの入力だけでなく、高品質なイラストの生成も可能になりました。これは2023年5月に発表された機能です。
ユーザーは自然言語で指示を与えるだけで、希望するイラストをAIで生成できます。
- ChatGPTの有料版ではDALL•E 3(ダリ・スリー)が利用できる
- 高品質なイラストを追加料金無しで生成できる
- 生成されたイラストは商用利用できる
各機能の具体的な内容を確認しましょう。
ChatGPTの有料版ではDALL•E 3が利用できる
ChatGPTのイラスト生成機能は、OpenAI(オープンエーアイ)が開発した画像生成AI「DALL•E 3(ダリ・スリー)」を採用しています。DALL•E 3は、テキストから高解像度の画像を生成できる最新のAIモデルです。
この機能を利用するには、ChatGPTの有料版であるGPT-Plus又はGPT-Team、Enterpriseへの加入が必要です。
GPT-Plusの月額料金は20ドル、GPT-Teamの料金は1ユーザーあたり月額25ドルです。
高品質なイラストを追加料金無しで生成できる
ChatGPTの有料版に加入すれば、DALL•E 3を使ってイラスト生成する際に追加料金は発生しません。
つまり、ChatGPTの月額料金を支払えば、イラストの生成枚数に関係なくDALL•E 3を利用できるのです。イラストの作成枚数に応じて課金される従量課金制とは異なります。
生成されたイラストは商用利用できる
OpenAIの利用規約によると以下の通り掲載されています。
お客様のコンテンツ情報 お客様は、本サービスに情報を入力(以下「インプット」といいます)し、かかるインプットに基づいて本サービスから出力された結果(以下「アウトプット」といいます)を受け取ることができます。
インプット及びアウトプットは総称して「本コンテンツ」といいます。お客様は、本コンテンツが適用法令又は本利用規約に違反していないことを確認することを含め、本コンテンツに対して責任を負います。
お客様は、当社の本サービスに提供するインプットに必要なすべての権利、ライセンス、及び許諾を得ていることを表明し、保証します。
本コンテンツの所有権限 お客様とOpenAIの間において、適用法令で認められる範囲で、お客様は、(a)インプットの所有権限は保持し、(b)アウトプットについての権利を有するものとします。当社はアウトプットに関する権利、権原、及び利益がある場合、これらすべての権限をお客様に譲渡します。
引用:OpenAI 利用規約
つまり、ChatGPTで生成したイラストは、自社のマスコットキャラクターとして使用し、そのキャラクターがデザインされた商品を販売することもできます。
ただし、作成したイラストの著作権は、作成者に帰属する点に注意が必要です。
ChatGPTのDALL•E 3を使ったイラスト生成の手順
ここでは、DALL•Eを使ったイラスト生成の手順について3つのポイントで紹介します。
- GPT-4oを選択する
- プロンプトを入力する
- 生成されたイラストを確認する
それぞれについて、ひとつずつ確認していきましょう。
手順1. GPT-4oを選択する
ChatGPTでイラストを生成するには、まず「GPT-4o」モデルを選択する必要があります。
GPT-4oは、自然言語処理だけでなく、画像生成にも特化したモデルです。
ChatGPTの設定画面で使用するモデルをGPT-4oに切り替えると、DALL•E 3を利用したイラスト生成が可能になります。
手順2. プロンプトを入力する
イラストを生成するには、ChatGPTにプロンプト(指示)を入力します。
プロンプトには、生成したいイラストの内容や特徴を詳細に記述します。
たとえば、「赤い帽子をかぶった少女が、緑の草原で犬と一緒に遊んでいるイラスト」といったように、イラストに含めたい要素を具体的に指定します。
プロンプトが明確で詳細であるほど、意図に沿ったイラストが生成されやすくなります。
手順3. 生成されたイラストを確認する
プロンプトを入力すると、ChatGPTはDALL•E 3を使ってイラストの生成を開始します。
通常、数秒から数十秒ほどで生成が完了し、画面上にイラストが表示されます。
生成されたイラストが意図したものと異なる場合は、プロンプトを修正しましょう。再度、イラストが生成されます。
満足できるイラストが生成されるまで、プロンプトの調整を繰り返すことが重要です。
生成されたイラストは、画面上で直接保存できます。保存したイラストは、自由に編集や加工が可能です。
ChatGPTでイラストを生成するためのプロンプト作成のコツ
ここからは、ChatGPTでイラストを生成するためのプロンプト作成のコツを5つご紹介します。
- 具体的で明確な指示を心掛ける
- 英語を使うと精度が上がる
- 追加のプロンプトを送信して調整する
- 部分修正機能を活用する
- OpenAIが作成したDALL•E GPTsを使う
それぞれのコツについて、ひとつずつ確認していきましょう。
具体的で明確な指示を心掛ける
ChatGPTでイラストを生成する際、具体的で明確な指示が重要です。
詳細な指示を心掛けることで、より希望に近いイラストを生成できます。例文は以下の通りです。
例文
「青い空の下、芝生の上でピクニックをしている家族。父は赤いシャツ、母は青いドレス、子供は黄色の帽子をかぶっている。」
これは単に「青い空の下でピクニックをしている家族」というプロンプトよりも、具体的で明確な指示を与えています。
このように、登場人物の服装や背景の詳細を指定することで、意図したイラストにより近づけられます。
英語を使うと精度が上がる
プロンプトを英語で入力することで、日本語よりも精度の高いイラストを生成できます。
これは、ChatGPTを含めた生成AIは日本語での画像生成が苦手な面があるためです。
AIは元々、英語に基づいて学習・トレーニングをされています。そのため、可能であれば英語でプロンプトを入力しましょう。
下図は英語と日本語で入力した際にどれくらい違うのかを比較した画像です。
日本語で入力した場合の画像
英語で入力した場合の画像
このように、日本語で入力した場合は指示がうまく伝わらない場合があるため、可能な限り英語で入力を行いましょう。
追加のプロンプトを送信して調整する
初回の生成結果が希望通りでない場合、追加のプロンプトを送信して調整しましょう。
一度のプロンプトで完璧な結果を得るのは難しいため、微調整が大切です。
たとえば、以下のように具体的な指示を追加することで、徐々に理想のイラストに近づけられます。
- 「髪の色をもう少し明るくして」
- 「背景にもう少し木を追加して」
このように、一度の命令で完璧なものを作ろうとするのではなく、追加プロンプトで調整しながら生成していきましょう。
部分修正機能を活用する
部分修正機能とは、イラスト全体を再生成するのではなく、特定の部分だけを調整する機能です。
この機能を使うことで、全部作り直すのではなく、必要な部分だけを修正できます。
たとえば、「選択した箇所に赤いりんごを一つ追加して」という指示を入力すると以下の様に修正できます。
このように、部分修正機能を活用することで効率的にイラストを調整できます。
OpenAIが作成したDALL•E GPTsを使う
OpenAIは、DALL•E 3の使用に特化したGPTsを提供しています。
このGPTsを使うことで、イラストのサイズや画風の指定がより簡単になります。
たとえば、「1024×1024のサイズで、水彩画風のイラストを生成して」といった指示を与えるだけで、希望のサイズと画風のイラストを生成できます。
DALL·E GPTsを活用することで、プロンプトの作成がより容易になり、意図したイラストを生成しやすくなります。
プロンプトやGPTsの活用について、さらに詳しい情報をお求めの方は、「AI活用事例集30選」をご利用ください。以下のリンクから無料でダウンロードできますので、貴社のマーケティング施策にお役立ていただけます。
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プロンプト例とイラスト生成結果
ここではプロンプト例とイラスト生成結果について、3つのポイントでまとめました。
- 人物のポートレート風プロンプト
- ファンタジー風の風景プロンプト
- 抽象的なアブストラクト風プロンプト
それぞれのプロンプト例と結果について、ひとつずつ確認していきましょう。
人物のポートレート風プロンプト
明確な人物の特徴や背景を指定することで、リアリティのあるポートレートが作成されます。
【プロンプト例】
「A young woman with long, curly brown hair, wearing a red dress, standing in front of a window with sunlight streaming in」
このプロンプトを使用すると、長い茶色の巻き毛をもつ若い女性が、赤いドレスを着て、日差しの差し込む窓辺に立っている笑顔のポートレートが生成されました。
女性の表情や髪の質感、ドレスの色合い、背景の光の加減などが非常にリアルに表現されており、まるで写真のような仕上がりになっています。
ファンタジー風の風景プロンプト
異世界の雰囲気や非現実的な要素を加えることで、魅力的なファンタジー風景が生成されます。
【プロンプト例】
「A mystical forest with glowing mushrooms, towering ancient trees, and a crystal-clear river running through it.」
このプロンプトからは、神秘的な雰囲気漂う森の風景が生成されました。キノコが幻想的な光を放ち、背の高い古代の木々が林立しています。
そして、透き通った川が森の中を流れています。現実には存在しない要素が組み合わさることで、ファンタジーならではの魅惑的な世界観が表現されています。
抽象的なアブストラクト風プロンプト
抽象的な指示は、AIに自由な解釈を許し、独創的で予測不能な結果を生み出すことがあります。
【プロンプト例】
「An abstract composition with swirling colors, geometric shapes, and a sense of movement.」
このプロンプトでは、渦巻く色彩と幾何学的な形が組み合わさり、動きを感じさせる抽象的なアートが生成されました。
色彩の組み合わせや形の配置はAIの自由な解釈によるものであり、予測不可能な結果となっています。
抽象的なプロンプトはAIのクリエイティビティを刺激しますが、意図した結果を得ることが難しい場合もあります。
ChatGPTで作成したイラスト生成の活用例
本章では、ChatGPTで作成したイラスト生成の活用例を3つのポイントにまとめました。
- 広告画像
- SNS画像
- キャラクターデザイン
それぞれの活用例について、ひとつずつ確認してみましょう。
広告画像
ChatGPTで生成したイラストは、効果的な広告画像として活用できます。
独自性のある視覚コンテンツを簡単に作成できるため、広告キャンペーンで注目を集めやすくなります。
AIが生成するユニークなイラストを使うことで、競合他社との差別化を図り、消費者の興味を引き付けられます。
また、広告制作にかかる時間とコストを大幅に削減できるのも大きなメリットです。
SNS画像
魅力的なコンテンツは、SNSでのエンゲージメントを高める効果があります。
ChatGPTで生成したイラストを使って、Instagramの投稿画像やTwitterのヘッダー画像、Facebookのイベントページなどを作成することで、フォロワーの関心を引き付けられます。
視覚的に印象的なイラストは、SNSユーザーの目を引き、アカウントやブランドの認知度向上につながります。
キャラクターデザイン
ChatGPTを使えば、特定のコンセプトやテーマに基づいたキャラクターを迅速に作成できます。
- ゲームのキャラクターデザイン
- アニメのキャラクターコンセプトアート
- マーケティングのマスコットキャラクターなど
さまざまなプロジェクトの初期段階でのイメージ作りに役立ちます。
アイデアをすぐにビジュアル化できるため、クリエイティブな工程がスムーズになり、制作時間の短縮にもつながります。
さらに、ChatGPTのイラスト生成機能は、広告やSNS、キャラクターデザインなどの幅広い分野で活用できます。たとえば、以下の用途に応用できます
- Webサイトのヒーローイメージ
- 商品パッケージのデザイン
- 書籍の表紙イラストなど
ChatGPTを使いこなすことで、クリエイティブな表現の可能性が大きく広がるでしょう。
ChatGPTを使ったイラスト生成の活用例をご覧になり、導入を検討される方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。
関連記事:ChatGPTを企業に導入する方法やメリットを解説!国内の導入事例も紹介
ChatGPTでイラスト生成する際の注意点
ここではChatGPTでイラストを生成する際の注意点を3つのポイントでまとめました。
- データ形式とサイズの制約を考慮する
- 著作権に注意する
- 倫理面に配慮する
それぞれの注意点について、ひとつずつ確認していきましょう。
データ形式とサイズの制約を考慮する
DALL•Eで生成が可能な画像には、画像のデータ形式と画像のサイズに制約があります。
現在、DALL•Eが生成できる画像はwebp形式のみとなっています。
また、生成される画像のサイズは以下の3種類に限定されています。
- 1024×1024ピクセル
- 1792×1024ピクセル
- 1024×1792ピクセル
これらの制約を理解した上で、用途に合わせて適切なサイズを選択する必要があります。
著作権に注意する
ChatGPTで生成したイラストは商用利用が可能ですが、著作権が完全にフリーというわけではありません。
OpenAIの利用規約によると、生成されたイラストの使用に関する責任はユーザーにあり、OpenAIは一切の責任を負わないとされています。
そのため、イラストを使用する際は自己責任で行う必要があります。とくに商用利用する場合は、著作権の扱いに十分注意しましょう。
倫理面に配慮する
ChatGPTは、入力するプロンプトによっては、差別的、攻撃的、あるいは不適切な内容を含むイラストを生成する可能性があります。
公共の場で使用する場合や、広く公開されるメディアにおいては、生成されるイラストが倫理的に問題ないかどうかの事前確認が重要です。
不適切なイラストを使用することで、意図せず他者を傷つけたり、社会的な問題を引き起こしたりする可能性があるため、十分な配慮が必要です。
ChatGPTを利用する前に、OpenAIが提供するガイドラインを確認しておきましょう。
ガイドラインでは、ChatGPTの適切な使用方法や、避けるべき行為などが詳しく説明されています。ガイドラインを理解すると、ChatGPTをより安全かつ効果的に活用できます。
ChatGPTのイラスト生成に関するよくある質問
ここでは、ChatGPTのイラスト生成に関するよくある質問について3つのポイントでまとめました。
- ChatGPTでイラストは何枚まで作れますか?
- ChatGPTで写真をイラスト化することはできますか?
- ChatGPTでイラスト生成ができない時はどうすればいいですか?
それぞれの質問について、ひとつずつ確認していきましょう。
ChatGPTでイラストは何枚まで作れますか?
ChatGPTでは、1リクエストにつき最大4枚の画像を生成できます。
つまり、1回のプロンプト入力で、4枚までのイラストを同時に生成できます。
これにより、複数のバリエーションを比較したり、異なるアングルやスタイルのイラストが一度に作成が可能です。
ChatGPTで写真をイラスト化することはできますか?
はい、ChatGPTで写真をイラスト化できます。
写真をイラスト化する際は、具体的なスタイルや希望するアート形式を伝える必要があります。
たとえば、「写真を水彩画風のイラストに変換して」や「写真をアニメ風のキャラクターイラストにして」といったプロンプトを入力することで、写真をベースにしたイラストを生成できます。
ただし、写真の詳細な情報が失われる可能性があるため、結果は写真と完全に一致しない場合があります。
ChatGPTでイラスト生成ができない時はどうすればいいですか?
ChatGPTでイラスト生成ができない場合、以下の方法を試してみてください。
- リクエスト内容を再確認する
- 有料プランの支払い忘れを確認する
- 一時的な問題を確認する
- サポートにお問合せをする
サポートに対するお問い合わせは返答まで時間がかかる可能性があります。
ステップ1から順番に確認することで、効率よく原因を解決できるでしょう。
ChatGPTでイラスト生成を行いさまざまな用途で活用しよう
ChatGPTのイラスト生成機能では、高品質なビジュアルコンテンツを作成できます。
適切なプロンプトの作成方法や生成されたイラストの調整方法を理解すると、思い通りのイラストを作成できます。
また、ChatGPTのイラスト生成機能を使いこなせれば、ビジュアルコンテンツ制作の効率化や高品質化を実現できます。
本記事を参考にしたうえで、ChatGPTのイラスト生成機能を活用し、効率的に高品質なイラストを生成してください。
その他、ChatGPTの活用方法については以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:ChatGPTの活用方法17選!国内企業や海外企業の活用事例も解説
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