【実績者インタビューVol.15】「AIに置き換わるなら、使う側に回ればいい」――38歳エンジニアの新事業立ち上げストーリー


【実績者インタビュー】では、SHIFT AIに所属し、AIを活用してユニークな実績を出している方々を『AIシフター』と銘打ち、インタビューを行います。彼らがどのような軌跡をたどり、どんな風にAIを活用しているのか。素朴な疑問をぶつけながら、その成功の秘訣を探ります。
今回登場するのは、システムエンジニアとして企業に務めるかたわら、AI業務効率化の事業を立ち上げた楠悠一さんです。「AIに置き換わるなら、自分がAIを使う側に回ればいい」と考えている楠さんは、どんな未来を描いているのか。そのリアルな軌跡を紐解きます。

職種 | 本業=プログラマー 副業=業務効率・生成AI導入コンサルタント |
SHIFT AI受講歴 | 2024年4月16日入会 |
受講した講座 | ・2024年7月までの興味のある全ウェビナー ・生成AI入門 ・GASなどのシステム系 |
収入before→after | 副業年収 プログラマー期 2021:0 2022:15 2023:150 AI事業期 2024:60 2025:1000 2026:1500(目標) |
目次
工場のクレーンからキーボードへ――キャリア転換の決断
楠さんのキャリアは、少々ユニークです。もともとは工場でクレーン技術者として働いていましたが、プログラマーへ転身、そしてAI事業家と、大胆なキャリアチェンジを繰り返してきました。
「工場では、よく港で目にする、キリンみたいな形の赤いクレーンの運転手を10年ぐらいやっていたんですよ」
国家資格を要する専門職として働いていた楠さんは、仕事中は常に業務効率化のことを考えていました。
「業務効率化が好きだったんですね。命題みたいに考えていたんです」
工場での仕事は、効率化すれば自分の時間が増える環境でした。「わかりやすく言えば、1時間かかる作業を30分で終わらせれば、残りの30分は自由に使える環境です。なら早く仕事を終えてやろうって思うようになりました」
最初の転機は34歳、コロナ禍の2020年でした。
「工場勤務時代からプログラミングスクールに通って勉強していたんです。業務効率化をもっと追求したいという思いもありましたのもあって、プログラマーになりたいなと思うようになったんです」
未経験エンジニアからSHIFT AIへ
プログラミングスクールに3カ月間通い、オンラインで学習していた楠さん。スクールでの積極的な姿勢が評価され、講師としても活動するようになりました。
「質問をいっぱいしたり、自分で案件を取るようにしていたんですが、意欲的なところが評価されて、スクールの講師を任されるようになりました」
講師業と並行して、個人事業主としてプログラミング案件を手がけるようになった楠さんに、人生を変える出会いが訪れます。ChatGPTとの遭遇でした。実際に使ってみた結果は、楠さんの予想を遥かに超えるものでした。
「自分が2時間ぐらいかけて書いたコードより、ChatGPTが本当に2、3分で出したような候補の方が精度良かったんです。びっくりしたと同時に『あ、これ絶対AI来るな』と思って、AIの方に舵を切りました」
エンジニア歴3年という比較的短いキャリアだったことが、逆に楽観的な受け止め方につながりました。
「これが長年続けてきていたら、変に固執してしまったかもしれません。一方で、プログラミングの知識が皆無なのも、出力結果がいいのか悪いのか判断できない。ちょうど3年というキャリアだったのも気軽にAI領域へピボットできる要因だったのかもしれません。」
AIへの関心が高まる中、楠さんはSHIFT AIとの出会いを果たします。きっかけはInstagramの広告でした。
SHIFT AIを選んだ決め手は、技術的なコンテンツの存在でした。「当時のAIスクールはプロンプトエンジニアリングに特化したものが多かったんです、SHIFT AIのは幅広く網羅されていたので、ここしかないな、と」
SHIFT AIに入会してからの3ヶ月間は、主に学習期間に充てていました。
「Xをフォローしたり、動画コンテンツで学習したり、まずは情報のキャッチアップをしていました」
当初は具体的な事業プランがあったわけではありません。しかし、その状況を変える出会いが待っていました。
同級生との再会から始まった”0→1″の挑戦
楠さんに転機をもたらしたのは、高校の同級生との偶然の再会でした。
連絡を取るきっかけとなったのは、ささいなきっかけでした。
「高校の同級生が経営者でバーを経営してて、そのバーのキャッチコピーで悩んでいたんです。そこで『ChatGPTで考えてくれるで』とDMをやり取りするうちに仲良くなって。新しい事業を一緒に立ち上げたいなって」
複数の事業を構築するものの「これだ」と思うものには出会えませんでした。そうした最中、「業務効率化オタク」の楠さんにぴったりな事業と出会います。それは、ターゲットを士業に絞ったeラーニング事業でした。
「特に弁護士業界。まだDXどころか、ファックスを使う文化もあって。AIよりもシュレッダーが活躍してる業界のカルチャーで、まさにこれからDX化、AI化が始まるところだと思ったんです」
現在、楠さんが提供しているのは、弁護士・社労士・税理士向けのAI業務効率化eラーニングです。
「基本的には、AIの基礎から学習を始めて、GoogleのWorkspaceを使ってるんであれば、その中での Geminiの基礎的な使い方ですね。もちろん、大得意な Notionに関してもAIを交えて何が出来るか?をお伝えするコンテンツを網羅しています。あとは画像生成のコンテンツなども、も幅広くありつつ、最後にその士業ごとに特化した応用編も作っています」
特に力を入れているのが、実際の業務に直結するAI活用法です。弁護士にヒアリングすると、日々の業務の中で、裁判やクライアントとの打ち合わせといった日程調整や判例検索に最も手間がかかっていることが明らかになりました。
「そこで、面談日程調整を自動化したり、判例検索もAI使ってできるようにしたり、日々の業務に業務に落とし込んだAIの使い方みたいなのをコンテンツにしてます」
この事業が軌道に乗り、楠さんは副業で月収プラス100万円を達成しています。
“業務効率化オタク”が描く未来
楠さんにとって、事業立ち上げの魅力は収入だけではありません。
「0→1の事業立ち上げって、正解がないんですよ。”これでいいのかな”って思いながらスタートする怖さはあります。0→1道の途中では二度とこんな思いはしたく無いと叫びながら走ってます(笑)!でも、0→1を達成して、事業がスタートすると、次何しようかなって思っている自分がいるんです。ちょっと癖になりそうな楽しさはありますね」
楠さんの成功を支えているのは、方向転換が必要な場面でも躊躇することなく、行動を続けてきた姿勢にあります。
「プログラミングの個人事業をやっていたので、自分で案件を取りに行くのは散々やりました。もちろん、提案しても全然受注できない苦い思いも味わってきました。だから、行動することが必要なんです。オンラインセミナーを見てるだけでは1円にもならないんですよ」
その上で、本気で成果を出したい人には具体的なアドバイスを送ります。
「提案を1件、2件やったけどうまくいかない。じゃあ10件やりましょう、それでもうまくいかない。失注などもある。そこでもうひと踏ん張りして30件積み上がったときに、初めて先輩からの”じゃあここをこうしてみようか”っていうアドバイスが効いてくると思います。そこまでやって見えてくるものはあるんですよね」
そして最後に、楠さんは自身の信念を改めて語ります。
「AIに置き換わるなら、使う側に回ればいい。この業界は、まだまだこれから成長し続けると思います。現状の不満を漏らしたり、未来を心配している暇なんて無い。行動あるのみです」
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記事を書いた人

SHIFT AI TIMES編集部
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