【実績者インタビューVol.11】安定を手放し“経営×AIコンサルタント”へ――25年の公務員生活から独立、挑戦の先に見つけた「感謝される仕事」


【実績者インタビュー】では、SHIFT AIに所属し、AIを活用してユニークな実績を出している方々を『AIシフター』と銘打ち、インタビューを行います。彼らがどのような軌跡をたどり、どんな風にAIを活用しているのか。素朴な疑問をぶつけながら、その成功の秘訣を探ります。
今回登場するのは、25年の公務員生活を経て2024年11月に独立し、経営コンサルタントとして活動を始めた木田貴志さん。中小企業の“一人社長”たちを支え、AIを駆使した業務効率化や経営支援で日々成果をあげています。SHIFT AIに加入したのは独立からわずか1か月後のこと。新しいスキルと挑戦、そして家族の変化が重なった怒涛の日々を、木田さんはどのように乗り越えてきたのでしょうか。

目次
25年の安定を手放し、未知の道へ
「安定はしていました。でも、心からやりがいを感じられなかったんです。25年間、官僚として国を支える仕事にやりがいを感じてきました。ただ、組織の仕組みや働き方はとても安定している一方で、新しい挑戦やスピード感ある改善が難しい環境でもありました。もっと自由に、自分の経験を生かして社会や地域に貢献できる場を作りたいと思い、思い切って新しいステージに進むことを決めました」
転機は2024年に訪れました。人生の節目を迎えるタイミングで、木田さんは25年間歩んだ公務員のキャリアに終止符を打ちます。そして11月、経営コンサルタントとして独立を果たしました。相手にするのは、中小企業の“一人社長”たちがほとんどです。彼らは経営から営業、バックオフィス業務まで、すべてを自ら背負い、日々奔走している人たちです。
「一人で何役もこなしている社長は本当に忙しい。経営計画どころか、目の前の業務に追われて身動きが取れないことも多いんです。そういう人たちをサポートし、“ありがとう”と言ってもらえる瞬間は、公務員時代にはなかった喜びですね」。
ちょうどその頃、木田さんには第一子が誕生しました。公私ともに大きな変化が重なり、すべてが新しい環境での挑戦が始まりました。

SHIFT AIで学んだ、“AIコンサルタント”としての武器
独立してすぐ、セミナーを通してSHIFT AIと出会います。
「それまでは、仕事柄、AIの今後の可能性については十分に理解はしていましたが、業務利用ができず、プライベートで細々と触っている程度でした。SHIFT AIのセミナーを見て、日本の中小企業の“一人社長”は、まだまだ生成AIを使いこなせていないので、そうした方々のために貢献できることがたくさんあるのでは…?と感じたんです」
独立から1ヶ月後の12月にはSHIFT AIに入会、動画講座を片っ端から視聴しました。もちろん子どもの世話もしなければなりません。仕事に育児に多忙を極める中、毎日2,3時間を捻出し、AIスキルを身に着けました。
「ほぼ毎日講座を見ていました。子供が夜泣きで起きてくるので、ミルクをあげたり、オムツを変えて、寝静まったあとに、動画講座を見たり。睡眠時間を削ることもありましたが、やりたいことをやれている感覚があったので不思議と辛さよりも楽しさが勝っていました。1ヶ月半ほどAIスキルを徹底的に勉強して、AIコンサルタント講座をはじめ、経営に使えるツールやワークフローを叩き込みました」
そこで得たスキルは、今のコンサルティング業務に直結しています。例えば、”一人社長”が補助金を申請する場面で、木田さんのAIスキルは発揮されます。
「一人社長なので、何かしらの補助金を使って、お得に事業を進めたいという方がほとんどなのですが、国や自治体の公募要領は50〜100ページにも及ぶことがあり、経営者が一から読み込むのは現実的ではありませんし、実際、補助金は欲しいけど難しくてよくわからないという人がほとんどです。そこでChatGPTに補助金について申請要件など細かく記載されている公募要領、その会社の事業内容、経営者個人のそれまでの略歴などを読み込ませて、申請書を通りやすくするストーリーを一緒に考えます」
他にも、契約書も同様で、リスク要因をリストアップして、クライアントに報告したり、資料作成や調査分析もAIを使って大幅に時間を削減できます。クライアントからは、「業務時間が大幅に減った」「申請や資料作りのストレスがなくなった」と感謝されることも多いといいます。

中小企業が元気になれば、日本は変わる
コンサルティングを続ける中で、木田さんにはある確信が生まれました。
「昨今、”日本はもう終わりだ”という論調が強いですが、全然そんなことはないと思っています。日本の企業の大半は中小企業。彼らがAIを活用し、生産性を上げて元気になれば、日本全体がもっと良くなるはずです」。
そのために、木田さんは今後、個別支援に加え、オンラインスクールのような形でAI活用や経営の基本を教える場をつくりたいと考えています。
「AIツールの使い方だけではなく、課題を見つけて解決する“ビジネスマインド”を身につけることが重要です。そこがないと、AIに仕事を奪われる側になってしまう。そうならないための支援をしていきたいですね」。

一歩を踏み出す勇気が、未来を変える
最後に、SHIFT AIへの参加を迷っている人へのメッセージをもらいました。
「AIはダイエットみたいなもので、”やらなきゃな”で済ませてる人が多いんですよ。そりゃ最初の一歩が億劫なのは、みんな同じです。でもやれば、できるようになります。僕も20年以上同じ世界にいて、まったく違う世界に飛び込みました。でも、一歩を踏み出してとにかくガムシャラに動いていれば、意外と道は開けるものです。ぜひ飛び込んだら面白い景色が広がっています」
木田さんは今日もクライアントと向き合いながら、日本の中小企業を元気にする挑戦を続けています。
撮影:栗原洋平
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