ChatGPTを使った文章校正の方法を徹底解説！プロンプト例も紹介

2024-06-262024-10-06

ChatGPT（チャットジーピーティー）は、文章校正をするためのツールとしても役立ちます。ChatGPTは高度な自然言語処理能力を備えているため、ChatGPTを使わない文章校正ツールと比較すると、スピードや質などあらゆる点で優れています。

この記事では、ChatGPTで文章校正をするメリットや使い方、プロンプトの具体例などを解説します。ChatGPTを使いこなして、仕事や日常生活で使う文章の質を簡単に向上させましょう。

以下の記事では、ChatGPTの活用方法や活用事例について、さらに詳しく解説しております。国内・海外企業のChatGPT活用事例に興味がある方は、ぜひこちらもあわせてご一読ください。

ChatGPTは文章校正もできる

ChatGPTの言語能力は、膨大な学習量とパターン認識にもとづいています。さまざまな文章を学習することで言語の規則を理解し、文脈に応じた適切な表現を選ぶことができるのです。これにより、ChatGPTは文章の不備を見抜いて修正し、同時に自然で流暢な表現を生み出すことができます。

日本語の不自然な表現や誤字脱字を指摘する
より適切な言葉選びや表現方法を提案する

これらのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

1. 日本語の不自然な表現や誤字脱字を指摘する

ChatGPTは、文章中の不自然な日本語表現や誤字脱字を的確に見抜き、適切な「修正案」を提示してくれます。以下に例文を示します。

【例文】

以下の文章を修正してください。また、修正内容についても教えてください。

昨日のパーティーは楽しかった。みんなで踊って、笑って、良い時間を過ごしました。

【回答】

以下のように修正しました。修正内容についても説明します。

修正後の文章：
昨日のパーティーはとても楽しかったです。みんなで踊り、笑い合い、とても良い時間を過ごしました。

修正内容：
「とても」を追加: 「楽しかった」を「とても楽しかったです」として、楽しさを強調しました。「です」を追加: 文末を丁寧な表現にするため、「楽しかったです」としました。「踊って、笑って」を「踊り、笑い合い」に変更: 同じ意味を持ちながらも、文章がより自然に流れるように修正しました。
「良い時間を過ごしました」を「とても良い時間を過ごしました」に変更: 「とても」を追加して、過ごした時間の良さを強調しました。

このように、不自然な日本語の修正や誤字脱字の修正を行い、その内容についても解説してくれます。

ポイント2. より適切な言葉選びや表現方法を提案する

ChatGPTは文章のわかりにくいところを指摘して、具体的な改善点を提案してくれます。たとえば、以下のような「命令」で文章の修正をお願いしてみます。

プロンプトの例

#命令
- 不自然な流れや論理の飛躍がある文章の改善点を見つけ、論理的な文章になるように具体的な修正案を示す

#入力
- 不自然な流れや論理の飛躍がある文章
- 主張と根拠の関係性が不明瞭な箇所

#制約条件
- 具体的な修正案を提示する
- 論理的な文章になるように、主張と根拠の関係性を明確にする

#修正文章
私は、毎日の運動が健康に重要だと考えています。なぜなら、運動不足は肥満の原因になるからです。また、ストレス解消にも効果的なので、週に3回以上、ジョギングなどの運動を行うことをおすすめします。

すると、以下のような文章に修正してくれます。

【回答】

私は、毎日の運動が健康に重要だと考えています。なぜなら、運動不足は肥満の原因になるからです。運動不足が続くと、消費カロリーが不足し、体重が増加しやすくなります。

また、運動はストレス解消にも効果的です。運動することで、エンドルフィンという脳内物質が分泌され、リラックス効果が得られます。そのため、週に3回以上、ジョギングなどの運動を行うことをおすすめします。

また、読み手に伝わりにくい表現や冗長な言い回しについても指摘し、よりシンプルでわかりやすい文章にブラッシュアップしてくれます。

つまり、ChatGPTは文章の質的向上において、効果的な校正・推敲ツールとして機能するのです。

文章校正にChatGPTを活用する3つのメリット

ChatGPTで文章校正を行ったときに得られるメリットは、主に3つあります。

文章作成の時間を短縮できる
多言語対応で幅広い活用が期待できる
自身の校正力も同時に高められる

それぞれのメリットを解説していきます。

メリット1. 文章作成の時間を短縮できる

ChatGPTを使えば、文章校正にかかる時間を大幅に短縮できます。人が手作業で行っていた文章校正は、膨大な時間と労力がかかっていました。

しかし、ChatGPTを使うと多くの場合、文章全体のチェックが数秒〜数十秒で完了します。文章全体の流れや論理構成もチェックできるため、推敲作業も効率化できます。

ChatGPTの活用により、文章校正の時間を飛躍的に短縮し、他の重要な業務に時間を割けるのです。

メリット2. 多言語対応で幅広い活用が期待できる

ChatGPTは、50以上の言語に対応しているため、グローバルなビジネスシーンで求められる多言語の文章校正への幅広い活用が期待できます。

企業の海外進出や国際的な事業展開が加速する中、外国語での正確なコミュニケーションは不可欠です。

ChatGPTを活用することで、非母語話者の社員が作成した文章も洗練させられます。具体的には、文法ミスや不自然な表現を自動的に検出し、適切な修正案を提示してくれるため、質の高い成果物が得られるのです。

また、機械翻訳と組み合わせると、より自然で正確な翻訳が可能です。

今後、ますますビジネスのグローバル化が進展する中で、ChatGPTは多言語の文書作成に欠かせないツールとなっていくでしょう。

参考：「How to change your language setting in ChatGPT」（OpenAIヘルプセンター）

メリット3. 自身の校正力も同時に高められる

ChatGPTを使って文章を推敲する過程で、自身の文章力を向上させることもできます。たとえば、ChatGPTに次のように依頼してみます。

プロンプトの例

以下の文章の「主張」と「根拠」の関係性が不明瞭です。より論理的につながりのある文章になるよう修正してください。

【文章】
私は、最近の若者の読書離れについて懸念を抱いています。スマートフォンの普及により、活字離れが加速しているように感じます。だから、読書習慣を身につけることが大切だと思います。

すると、以下のように具体的な修正案を提示してくれます。

【回答】

近年、若者の読書離れが深刻化しています。スマートフォンの普及が主な原因の一つと考えられ、活字媒体から目が離れる傾向にあります。

しかし、読書は単なる知識の獲得にとどまらず、想像力を豊かにする効果も期待できます。そのため、若い世代が読書習慣を身につけることは非常に重要だと言えるでしょう。

ChatGPTからのフィードバックを繰り返し受けると、自分が書いた文章の問題点を認識できます。

例えば、主張と根拠の関係を明確にし、具体例を用いて説明することの効果と重要性を学ぶことで、自身の校正力を高められるでしょう。

ChatGPTは、文章校正だけでなくライティングスキルの向上にも役立ちます。

ChatGPTを使ったライティング活用術をもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
関連記事：ChatGPTのライティング活用術8選！プロンプトやコツも紹介

ChatGPTで文章校正をする手順

ChatGPTを使って文章を校正する手順は、大きく3つのステップに分かれます。

校正したい文章を入力
プロンプトで具体的な指示を出す
ChatGPTの提案を確認し、適宜反映する

具体的な手順を見てみましょう。

手順1. 校正したい文章をChatGPTに入力する

まずは、ChatGPTのチャット画面を開き、校正したい文章を入力します。

入力したい文章が長文の場合は、段落ごとに分けて読み込ませると良いでしょう。

そうすることで、文字数制限の影響を回避できるだけでなく、ChatGPTが各段落の文脈を的確に捉えて校正を行います。

一例として、以下の文章を校正してみます。

校正前の元文章

私は、今日の会議に遅刻するところでした。でも、なんとか時間通りに到着できました。

会議に遅考したので、上司から褒められました。私は会議に遅刻しないように心がける。

ChatGPTにログインし、赤枠内にテキストを入力します。

ChatGPTのチャット画面下部に文章を入力 — チャット画面の下部に文章入力ボックスがあります

チャット画面の下部に文章入力ボックスがあります

文章入力ボックスに校正したい文章を打ち込んで決定 — 校正したい文章を入力して矢印を押下します

テキストを入力して、テキスト入力欄の右側にある矢印を押すと、チャットが始まります。

校正したい文章を入力して矢印を押下します。

手順2. プロンプトで具体的な指示を出す

次に、プロンプト（生成AIに対して与える命令や指示文）を使ってChatGPTに具体的な指示を出し、校正を依頼します。

プロンプトの主な役割は3つあります。

AIに実行してほしいタスクや生成してほしいコンテンツを指定する
出力の形式や制約条件を示す
文脈や背景情報を提供する

それでは、実際にプロンプトで指示を出してみます。

依頼したい内容にもとづいてプロンプトを考えます。プロンプトはあらかじめ何パターンかテンプレートを用意しておくと便利です。

プロンプトの例

#命令書:
あなたは、プロの編集者です。
以下に入力した文章の中から誤字脱字と文法の間違いを見つけて修正してください。

#入力文:
私は、今日の会議に遅刻するところでした。でも、なんとか時間通りに到着できました。会議に遅考したので、上司から褒められました。私は会議に遅刻しないように心がける。

プロンプトを入力すると、チャット画面の右側（赤枠で示した部分）に反映されます。それに対するAIの回答が左側（青枠で示した部分）に表示されます。

校正を依頼する命令書を入力 — 「命令書」を入力して決定すると修正後の文章が反映されます

「命令書」を入力して決定すると修正後の文章が反映されます

ChatGPTの回答

以下のように修正しました。

修正後の文:
私は、今日の会議に遅刻するところでした。でも、なんとか時間通りに到着できました。会議に間に合ったので、上司から褒められました。私は会議に遅刻しないように心がけます。

手順3. ChatGPTの提案を確認し、適宜反映する

ChatGPTが提案した修正内容に従い、必要に応じて反映します。

しかし、ChatGPTの提案内容は完全ではありません。内容を確認しながら進めていきましょう。

ChatGPTの提案を確認します。

ChatGPTの回答

以下のように修正しました。

修正後の文:
私は、今日の会議に遅刻するところでした。でも、なんとか時間通りに到着できました。会議に間に合ったので、上司から褒められました。私は会議に遅刻しないように心がけます。

内容を確認して、さらに指示を出します。

おかしいところを指摘して調整を促します。

校正前（元文章）と校正後（修正文章）の比較してみましょう。

校正前（元文章）

私は、今日の会議に遅刻するところでした。でも、なんとか時間通りに到着できました。会議に遅考したので、上司から褒められました。私は会議に遅刻しないように心がける。

校正後（修正文章）

今日の会議に遅刻しそうでしたが、なんとか間に合いました。上司にも褒められたので、これからも遅刻しないように心がけます。

はじめに提案された内容は必ずしも完全ではないため、ChatGPTの提案を基に文章を修正して調整を加えていくことで、より自然で正確な文章を作成できます。

ChatGPTで文章校正をする際のコツ

ChatGPTを使って文章校正するときには、以下のようなポイントに気をつけると、より良い結果を得られます。

明確な指示を出す
複数回指示を出して徐々に改善する

明確な指示を出す

より精度の高い校正結果を得るためには、ChatGPTに対して明確で具体的な指示を与えましょう。

たとえば、「この文章を校正してください」だけでは的確な校正をしてもらえません。以下のような指示を出すようにしましょう。

「読み手に伝わりやすい表現に変更してください」
「専門用語の使い方が適切かどうかチェックしてください」
「文章中の誤字脱字をすべて修正し、正しい表記に直してください」
「この文章の主語と述語の対応を確認し、不適切な箇所を修正してください」

明確で具体的な指示を与えると、ChatGPTは意図を正確に理解し、求められる校正を的確に行ってくれるでしょう。

漠然とした指示では、期待通りの結果が得られない可能性があるため、できるだけ具体的に依頼内容を伝えることが肝要です。

複数回指示を出して徐々に改善する

ChatGPTで文章を校正する際は、複数回指示を出して徐々に改善させていきます。元の文章が抱えている課題を段階的に解決させ、最終的に高品質な文章に近づけます。

たとえば、次のように修正作業を進めると良いでしょう。

「文章全体の誤字脱字を修正してください」と指示する
結果を確認して、適宜修正内容を反映させる
「各段落の主張と根拠の関係性を明確にするよう、文章を修正してください」と依頼する
結果を確認して、適宜修正内容を反映させる
読み手に伝わりやすい表現に変更してください」と指示する
結果を確認して、適宜修正内容を反映させる

一度にすべてを完璧にするのではなく、ChatGPTとの対話を重ねて文章を磨くことが重要です。

ChatGPTで文章校正する際の注意点

ChatGptで文章校正するうえで、2つの注意点があります。

長文には対応していない
ChatGPTの回答を鵜呑みにしない

それぞれ詳しく説明します。

長文には対応していない

ChatGPTは、長文には対応していません。ChatGptには入力できる文字数の上限があります。

具体的な文字数がOpenAIから明示されているわけではないため、見解が分かれるところです。

バージョン	トークン数制限	日本語の文字数制限
ChatGPT 無料版（GPT-3.5）	約4096トークン	約3000文字
ChatGPT 有料版（GPT-4o）	約128000トークン	約96000文字

そのため、ChatGPTで長文を校正する際は、文章を段落ごとに分割して入力する必要があります。

一度に大量のテキストを読み込ませるのではなく、文脈を維持しながら適度な長さに区切ることで、ChatGPTはより的確に文章を理解し、精度の高い校正ができます。

たとえば、1万字の文章を校正する場合、以下のようなステップを踏むと効果的です。

STEP

段落分けして入力

1万字の文章を、1000字程度の段落に分けて順番にChatGPTに入力

STEP

段落ごとに修正

各段落の校正結果を確認し、必要に応じて修正を加える

STEP

つなぎ合わせる

最後に、校正済みの段落をつなぎ合わせる

ただし、分割の仕方によっては文脈が損なわれてしまうため、適切な区切り方を見極めることが重要です。

ChatGPTの回答を鵜呑みにしない

ChatGPTの校正結果を鵜呑みにするのは危険です。なぜなら、文脈に合わない不適切な修正や、専門用語の誤った変更などがあるからです。

AIの提案は参考程度に留め、必ず自分でも内容を確認しましょう。なぜその修正が示されたのかを考え、学びを得ることが重要です。

ChatGPTで文章校正する際のプロンプト例

ChatGPTで文章校正をするうえで、おさえておきたい基本のプロンプト例は以下の6つです。

文法エラーの修正プロンプト
表現の適切さを確認するプロンプト
スペルミスを修正させるプロンプト
整合性と論理性の確認するプロンプト
読みやすさを向上させるプロンプト
文脈やテーマに基づくプロンプト

プロンプトはコピーできるので、ぜひ文章校正時に役立ててください。

文法エラーの修正プロンプト

#命令書：
あなたは優秀な編集者です。
以下の文章に含まれる文法的な誤りをすべて指摘し、修正案を提示してください。

#入力文：
[校正したい文章を入力]

表現の適切さを確認するプロンプト

#命令書：
あなたは経験豊富な編集者です。
以下の文章の表現で不適切だと感じる箇所はありますか。より適切な言い回しがあれば教えてください。

#入力文：
[校正したい文章を入力]

スペルミスを修正させるプロンプト

#命令書：
あなたはプロの校正者です。
添付の文章に含まれるスペルミスをすべて修正し、正しい表記の文章を作成してください。

#入力文：
[校正したい文章を入力]

整合性と論理性の確認するプロンプト

#命令書：
あなたは論理の専門家です。
この文章の主張と根拠に論理的な飛躍や矛盾はないでしょうか。
改善すべき点があれば具体的に指摘してください。

#入力文：
[校正したい文章を入力]

読みやすさを向上させるプロンプト

#命令書：
あなたは読みやすい文章作成のエキスパートです。
以下の文章をより読みやすくするために、文章構成の改善案を提案してください。

#入力文：
[校正したい文章を入力]

文脈やテーマに基づくプロンプト

文脈やテーマを反映させたプロンプトを作成するときは、以下のように複数の命令を箇条書きにすると効果的です。

ビジネス文書の文章校正する際のプロンプトを挙げます。

この文章はビジネス文書の一部です。以下の点に注意して校正してください。
- 文章が明確で理解しやすいか確認してください。
- 不必要に複雑な表現や冗長な部分がないか評価してください。
- 重要なポイントが適切に強調されているか確認してください。

以下の文章を校正してください：
[ここに校正したい文章を挿入]

文脈やテーマの部分や注意点の文章を変更すれば、学術論文や広告文章、マニュアル文章の作成にも役立ちます。

これらのプロンプトを参考に、校正したい文章の種類や目的に合わせてカスタマイズすると、より効果的な文章校正が可能になります。

ChatGPTに具体的で明確な指示を与えることが、高品質な校正結果を得るために重要です。