スプレッドシートのAI関数を使ってみてわかった!設定方法から活用方法まで

「SNSでスプレッドシートのAI関数について見かけるけれど、使い方がわからない」「AIを使った作業効率化に取り残されたくない」などの悩みを抱えていませんか。
スプレッドシートのAI関数を使うためには特定の設定が必要なため、設定方法でつまずく人も多くいるようです。
この記事では、実際にAI関数を使ってみた経験をもとに、設定方法から具体的な活用事例まで解説します。
スプレッドシートのAI関数を使って、副業や業務の効率化を実現したい方は、最後までご覧ください。

監修者
SHIFT AI代表 木内翔大
弊社SHIFT AIでは、ChatGPTやGeminiなどの生成AIを活用して、副業で収入を得たり、昇進・転職などに役立つスキルを学んだりするためのセミナーを開催しています。
また、参加者限定で、「初心者が使うべきAIツール20選」や「AI副業案件集」「ChatGPTの教科書」など全12個の資料を無料で配布しています。
「これからAIを学びたい」「AIを使って本業・副業を効率化したい」という方は、ぜひセミナーに参加してみてください。
目次
スプレッドシートのAI関数とは
スプレッドシートのAI関数とは、GoogleスプレッドシートでGoogleのAI「Gemini」を直接利用する機能です。
2025年6月25日にGoogleから正式発表され、セル内で「=AI(“プロンプト”, 範囲)」と入力するだけで、AIによるテキスト生成や分析が可能となりました。
従来は、AIを活用するためにWebサイトやアプリを開く必要がありましたが、AI関数の登場により、スプレッドシート上で直接AIを活用できるようになりました。
AI関数を活用すれば、単純な繰り返し作業から解放され、より創造的で付加価値の高い業務に集中できるでしょう。
ただし現在は英語プロンプトのみに対応しており、日本語での指示は直接サポートされていない点には注意が必要です。
なお、以下の記事ではスプレッドシートでのGemini活用法を解説しています。合わせてご覧ください。
スプレッドシートのAI関数を利用するための条件

スプレッドシートのAI関数を使用するには、GoogleアカウントでGemini for Google Workspaceを有効化しなければなりません。
ここでは以下の2つの観点で、Google Workspaceを有効化する方法を紹介します。
- 仕事用または学校用のGoogleアカウントを使用している場合
- 個人用のGoogleアカウントを使用している場合
自身の環境に当てはまる方を選択して、ご確認ください。
個人用のGoogleアカウントを使用している場合

個人用のGoogleアカウントを使用している場合には、Google OneのGoogle AI Proに加入して、スプレッドシートのAI関数を有効化できます。
Google Oneは、Googleが提供する有料サブスクリプションサービスで、他にも追加のデータ保存容量やドキュメント生成のサポートなどの特典があります。
また、無料の個人用アカウントでもAI関数は設定可能です。設定方法が少々複雑なので、詳細は後述します。
仕事用または学校用のGoogleアカウントを使用している場合

企業や学校のGoogle Workspaceアカウントをお持ちの場合、Business Standard以上のプランでAI関数が利用可能です。
ただし、管理者がGemini機能を有効化している必要があります。自身が管理者でない場合は、管理者にGemini for Google Workspaceの有効化を依頼しましょう。
管理者である場合には、以下の手順で有効化設定を進めてください。
- Google Workspaceの管理コンソールにログインする
- 「アプリとサービスの管理」セクションでGeminiのアクセス権限を有効化
- ユーザーグループや組織単位ごとにGeminiの使用を許可する設定を調整
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【実録】スプレッドシートのAI関数を無料で使えるようになるまで
ここからは、無料の個人アカウントユーザーである筆者が、スプレッドシートのAI関数を使えるようになるまでの手順を、以下の3つのステップで紹介します。
- Google Workspace Labsに登録する
- アカウントの言語設定を英語にする
- プロンプトは英語で書く
無料アカウントでAI関数を使用したい方は参考にしてください。
Google Workspace Labsに登録する
無料の個人アカウントでAI関数を使用するには、Google Workspace Labsへの登録が必須です。
Workspace Labsとは、Googleの最新AI機能を試験的に体験できるプログラムで、無料で参加できます。登録方法は以下のとおりです。
Workspace Labsの公式ページにアクセス
Workspace Labsの公式ページにアクセスし、AI関数を使用するアカウントでサインインします。
サインインが完了すると、Google Workspace Labsの登録を促す画面が表示されます。
チェックを入れて送信
Workspace Labs のプライバシーに関するお知らせや、利用規約の内容を確認しましょう。
確認を終えたら、消費者の承認のチェックボックスにチェックを入れて「送信」をクリックします。
「送信」を押すと、以下の画面が表示されます。
登録直後は機能が反映されていない場合もあります。もし表示されない場合は、ページを再読み込みするか、しばらく時間をおいてから再度確認しましょう。
アカウントの言語設定を英語にする
AI関数を正常に動作させるには、Googleアカウントの言語設定を英語に変更しなければなりません。2025年8月現在では、日本語に対応していないためです。
設定変更は以下の手順で行います。
Googleアカウントにアクセス
Googleアカウントにアクセスして、「個人情報」を選択します。
画面をスクロールして、「その他の情報と Google サービスの設定」から「ウェブ向けの全般設定」→「言語」を選びましょう。
英語を追加して優先順位を上位にする
「他の言語を追加」を選び、「English(英語)」を追加すると、国名を選ぶ画面が表示されるので、「United States」を選びましょう。
「English」が追加されたら、「↑(上矢印)」をクリックして、英語を優先言語に設定します。
言語設定を変更すると、Googleのサービス全体が英語表示になります。日本語に戻したい場合は、同じ手順で日本語を選択してください。
プロンプトは英語で書く
2025年8月時点、日本語のプロンプトはAI関数では使用できません。試しに以下の関数を実行したところ、正しい結果は得られませんでした。
=AI("この果物の色を教えてください",D5)

英語が苦手な場合は、Googleの翻訳機能やGeminiなどを使って日本語から英語に翻訳したプロンプトを使用しましょう。
スプレッドシートのAI関数でできること
スプレッドシートのAI関数でできることは、主に以下の4つです。

各機能の特徴について詳しく見ていきましょう。
テキストの生成
AI関数の最も基本的な機能は、プロンプトに基づいたテキスト生成です。既存のデータを参照しながら、新しい文章やコンテンツを自動生成できます。
たとえば、商品名と特徴のリストから商品紹介文を生成したり、顧客データから個別のメール文面を作成したりといった用途に活用できます。
=AI("Create a product description for", B2)
上記のような関数を実行すれば、B2セルの商品情報をもとに説明文の生成が可能です。
ただし、生成されたテキストは間違いを含む場合があるため、必ず内容を確認してから活用しましょう。
情報の要約
長文のテキストデータを短時間で要約できる機能も便利です。会議の議事録や顧客レビュー、レポートなどの要点を自動的に抽出してくれます。
=AI("Summarize this meeting notes in 3 bullet points", C3)
上記のように指定すれば、C3セルの会議録を3つのポイントにまとめて要約可能です。要約の長さや形式も指定可能で、業務報告書の作成時間を短縮できます。
情報の分類
大量のデータを自動的にカテゴリ分けする分類機能を活用すれば、データ管理業務の効率化につながります。
顧客の問い合わせ内容や商品レビュー、アンケート回答などを瞬時に適切なカテゴリに振り分け可能です。
=AI("Classify this customer inquiry as 'technical', 'billing', or 'general'", D4)
上記の関数を実行すれば、D4セルに記述されている問い合わせ内容を3つのカテゴリのいずれかに分類できます。
従来は人の手で確認していた作業を自動化できるため、時間短縮につながります。
分類の精度は比較的高く、複雑な内容でも適切に判断してくれるものの、境界があいまいなケースでは人による確認作業も併用しましょう。
感情の分析
テキストデータから感情やトーンを読み取る感情分析機能も実装されています。
顧客レビューやSNSの投稿、アンケートの自由記述などからポジティブ・ネガティブな感情を判定可能です。
=AI("Analyze the sentiment of this review as positive, negative, or neutral", E5)
上記の形式で使用すれば、E5セルに記述されたレビュー内容を分析し、ポジティブ、ネガティブ、ニュートラルのいずれかで判定結果を返してくれます。
顧客満足度の測定やブランドイメージの分析に有効です。大量の顧客フィードバックを短時間で分析し、改善点や課題を特定する際の強力なツールとなるでしょう。
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スプレッドシートのAI関数の活用方法
実際の業務でAI関数をどのように活用できるかを、以下の4つの例に沿って解説します。

各活用方法について詳しく見ていきましょう。
XやInstagramなどの投稿文作成
AI関数を活用すると、XやInstagramなどの投稿文を短時間で量産できます。
たとえば、各日付で起こった出来事を紹介する投稿文を量産したい場合、A列に日付を入力し、B列に以下の関数を入力するだけで文章が生成可能です。
=AI(“Please describe a past event that occurred on this date in Japanese in about 140 characters”,A1)
得られた結果は以下のとおりです。

プロンプトを工夫すれば、複数のキーワードを指定したテキスト生成もできます。
定期的にXやInstagramなどで投稿を行っている人にとって、作業の効率化を図るうえで、強い味方となるでしょう。
会議内容の要約
時間のかかる会議内容の要約も、AI関数を使えば効率的に実行できます。会議の文字起こしデータをもとに、重要なポイントを抽出可能です。
会議の内容をA列に記載し、B列に以下の関数を入力します。
=AI("Summarize this meeting content and extract 3 key action items", A1)
関数を実行すると、以下のように会議の要約と具体的なアクションアイテムが抽出できます。

長時間の会議でも短時間で要点をまとめられるため、会議後のフォローアップが速くなります。
参加者への共有資料作成時間も短縮されるため、建設的な議論に時間を割けるようになるでしょう。
メール内容の分類
大量のメールを効率的に管理する際に、AI関数による自動分類は効果的です。
メール内容をA列に記載し、B列に以下の関数を入力します。
=AI("Classify this email as 'urgent', 'normal', or 'low priority' based on content", A1)
結果は以下のとおりです。

メールの優先度が自動で判定されるため、緊急性の高いメールを見失うリスクが低減できます。
カスタマーサポート業務で活用すれば、初期対応が効率化され、顧客満足度の向上も期待できます。
アンケート結果の感情分析
顧客アンケートや従業員サーベイの自由記述回答を分析する際、AI関数の感情分析機能が有効です。
自由記述回答をA列に記載し、B列に以下の関数を入力しましょう。
=AI("Analyze the sentiment of this feedback and categorize as positive, negative, or neutral with brief reasoning in Japanese", A1)
実行した結果は以下のとおりです。

各回答の感情を判定し、その理由も含めて分析結果が得られました。
従来は人が読んで判断していた作業を自動化できるため、より多くのデータを分析対象にできます。
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スプレッドシートのAI関数を使う場合の注意点
AI関数を効果的に活用するには、以下の4つの点に注意しましょう。

各注意点について詳しく解説します。
画像や数式生成には非対応
現在のAI関数は、テキストベースの処理のみに対応しており、画像の生成や複雑な数式の生成には対応していません。
画像に関する処理が必要な場合は、別のAIツールを使用するか、従来の方法を併用する必要があります。
数式についても、基本的な計算式は提案してくれますが、高度な統計処理や財務計算には限界があります。
将来的には機能追加される可能性もあるものの、現時点では機能が限定的である点に注意しましょう。
プロンプトは具体的に記述
AI関数から期待した結果を得るためには、プロンプトの記述方法が重要です。あいまいな指示では、期待と異なる結果が返ってくるでしょう。
良い例
=AI(“Summarize this customer feedback in 2 sentences focusing on main concerns”, A2)
悪い例
=AI(“Analyze this”, A2)
効果的なプロンプトを作成するには、出力形式や文字数制限、着目すべきポイントを明確に指定します。
一度で完璧なプロンプトを作ろうとせず、何度か試行錯誤を重ねて最適なプロンプトを見つけてください。
日本語には非対応
現時点で、AI関数は日本語のプロンプトに対応していません。ただし、日本語テキストの分析や処理は可能です。
以下のように英語でプロンプトの内容を記述します。
=AI("Analyze this Japanese text and classify the sentiment as positive, negative, or neutral", A2)
ただし、上記のプロンプトの場合、結果も英語で返ってくる場合があります。
日本語の返答を希望する場合には、「in Japanese」などの文言をプロンプトの語尾に追加しましょう。
手動で更新が必要
AI関数の結果は自動更新されないため、参照セルの内容が変更されても関数の出力は自動的に更新されません。
変更を反映させるには、該当セルを選択して手動で「Generate and Insert」をクリックして更新する必要があります。

リアルタイムでのデータ分析には適さないため、動的なダッシュボードの作成には工夫が必要です。
スプレッドシートのAI関数を使いこなして効率化を実現しよう
スプレッドシートのAI関数は、テキスト処理や分析業務を効率化できる機能です。
設定には少し手間がかかるものの、一度使えるようになれば業務の生産性を向上させられます。
無料のアカウントでもWorkspace Labsに登録すれば利用可能であり、個人事業主の方でも十分に活用可能です。
本記事の内容を参考に、AI関数の得意分野と制約を理解して適切な場面で活用すれば、従来は時間のかかっていた作業を自動化できるでしょう。あなたの業務にもAI関数を取り入れて、効率化を実現してください。
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セミナーでは、主に以下の内容を学習できます。
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完全無料で参加できるため、ご興味のある方は、ぜひセミナーに申し込んでみてください。
記事を書いた人

中島正雄
Webライター、ITコンサルタント、パーソナルトレーナーとして大阪を拠点に活動中。
自身はAIを活用して執筆時間をおよそ半分に削減。またコンサル先からもAIで業務改善につながったと喜ばれている。
SHIFT AIではSEOメディアにライターとして関わる。趣味はプロレス観戦。
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