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世界最高性能AI「Gemini 2.5 Deep Think」を徹底解説!実際に使った結果も紹介

「Gemini 2.5 Deep Thinkがすごいらしい」と聞いたものの、どんな性能なのか、自分でも使えるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。

Google DeepMindが開発したGemini 2.5 Deep Thinkは、国際数学オリンピックで金メダル級の成績を達成するほどの驚異的な性能を誇ります。

本記事では、Gemini 2.5 Deep Thinkの概要から他社AIとの性能比較、実際の使い方、活用例まで詳しく解説します。

月額249.99ドルという価格設定は決して安くありませんが、業務効率化の可能性を考えれば、十分に検討する価値があるAIツールです。

この記事を読めば、Deep Thinkの全体像を理解し、自分の業務に活かせるか、費用対効果はあるのかなど、課金の判断ができるようになるでしょう。

監修者

SHIFT AI代表 木内翔大

(株)SHIFT AI 代表取締役 / GMO AI & Web3株式会社AI活用顧問 / 生成AI活用普及協会(GUGA)協議員 / Microsoft Copilot+ PCのCMに出演 / 利用者数No.1のAI活用コミュニティ SHIFT AI(会員20,000人超)を運営。
『日本をAI先進国に』実現のために活動中。Xアカウントのフォロワー数は13万人超え(2025年7月現在)

※・GMOリサーチ&AI株式会社調べ ・調査委託先:GMOリサーチ&AI株式会社 ・2023年6月コミュニティ開始・調査時点(2025年2月)における累計登録者13,000名・企業が運営するAI活用事例や実践ノウハウなど、ビジネス目的でのAI活用に関する講義を提供するコミュニティサービスを対象とし、講義を行わないネットコミュニティや個人運営のコミュニティ、ビジネス目的以外のコミュニティサービスは対象外とする

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Gemini 2.5 Deep Thinkとは

Gemini 2.5 Deep Thinkの主な特徴は以下の3点です。

Gemini 2.5 Deep Thinkとは(Google DeepMindが開発した最新AI推論モデル/並列思考技術によるマルチエージェントモデル/国際数学オリンピックで金メダル級の成績を達成)

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

「まずはGeminiがどんなAIなのか知りたい」という方は、本記事と合わせて以下もぜひご覧ください。

Google DeepMindが開発した最新AI推論モデル

Gemini 2.5 Deep Thinkは、Googleが展開するAIモデル群「Gemini 2.5ファミリー」の中で、高度な推論能力※をもつ最上位モデルとして位置づけられています。
※与えられた情報や知識を基に論理的に考え、結論を導き出す能力のこと

推論中のGemini 2.5 Deep Think
推論中のGemini 2.5 Deep Think

開発元のGoogle DeepMindは、囲碁の世界チャンピオンを破った「AlphaGo(アルファ碁)」をはじめ、数々のAI技術を生み出してきた世界トップクラスの研究機関です。

たとえば、新商品の企画会議で「A案はコストがかかるが効果は大きい」「B案は低コストだが効果は限定的」といった情報を整理し、「市場環境を考えると、まずはB案でテストすべきだ」と判断するような能力を指します。

最強の推論能力をもつことで人間では解決に数日かかる問題でも、Gemini 2.5 Deep Thinkでは数分で解くことも可能になるのです。

並列思考技術によるマルチエージェントモデル

Gemini 2.5 Deep Thinkは「並列思考(Parallel Thinking)」技術を採用した「マルチエージェントモデル」です。この技術が、Deep Thinkの高い問題解決能力を支えています。

「マルチエージェントモデル」とは、特定の役割や目標をもった複数のAI(エージェント)が連携してタスクを遂行するシステムを指します。そして「並列思考技術」は、これらのエージェントを同時に稼働させ、複数のアイデアを並行して検討する技術です。

従来のAIモデルは、1人の担当者が順番にタスクを処理するようなものでした。思考の流れは直線的で、一つのアイデアが間違っていると、最初からやり直す必要がありました。

対してDeep Thinkは、複数の専門家チームが同時にブレインストーミングを行い、アイデアを修正・統合しながら最適な結論を導き出すようなアプローチをとります。

たとえば、新しいWebアプリケーションの設計を依頼された場合、Deep Thinkは以下のような複数の観点を同時に検討します。

  • ユーザーインターフェースのデザイン
  • バックエンドの効率的な実装方法
  • セキュリティ面での考慮事項

並列思考によって多くのアイデアを一度に生成し、それらを同時に検討し、異なるアイデアを時間をかけて修正または組み合わせることで、最良の答えに到達できるのです。

国際数学オリンピックで金メダル級の成績を達成

Google DeepMindが発表したところによると、Deep Thinkの研究開発版は2025年のIMOで6問中5問を完璧に解き、金メダルに相当する成績を収めました。

前年のAIモデルでは、解答までに2〜3日の計算時間が必要でしたが、今回のDeep Thinkは競技時間制限の4.5時間以内に解答(証明)を終えています。

なお、私たちが日常的に利用できる一般公開版のDeep Thinkは、この金メダルモデルを高速化し、使いやすくしたバージョンです。

私たちが使用できるIMOベンチマークではブロンズメダルレベルの性能であるため、上記で解説した金メダルレベルではない点に注意しましょう。

Gemini 2.5 Deep Thinkと他社AIモデルとの性能比較

Gemini 2.5 Deep Thinkは、複数の主要なベンチマークテストにおいて、OpenAIの推論モデルo3やxAIのGrok-4といった他社の最先端AIモデルを上回る性能を記録しています。

ベンチマークテストとは、AIの性能を客観的に測定・比較するための標準的な試験のことです。

とくに、複雑な推論や高度なコーディング能力を必要とする分野でその優位性が顕著です。

Gemini 2.5 Deep Thinkと他社AIモデルのベンチマークテスト比較グラフ
Google公式発表データを基に作成

代表的なベンチマークとして、「Humanity’s Last Exam(HLE)」と「LiveCodeBench V6」が挙げられます。

HLEは、科学や数学を含む多様な分野の専門知識を測定する高難易度のベンチマークです。Deep Thinkはここで他社モデルを大きく引き離すスコアを達成しました。

また、LiveCodeBench V6は、競技プログラミングの能力を測定します。これは、複雑な要件を理解し、効率的で正しいコードを生成する能力が非常に高いことを示しています。

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Gemini 2.5 Deep Thinkの利用はGoogle AI Ultraの加入が必要

Gemini 2.5 Deep Thinkを利用するためには、Googleが提供する最上位のサブスクリプションプラン「Google AI Ultra」への加入が必須です。

Gemini 2.5 Deep Thinkは、従来のAIモデルと比較して非常に高度な計算処理を行うため、膨大な計算リソース(高性能なコンピュータ)が必要です。そのため、現状では有料プランの契約者のみに限定して提供されています。

Google AI Ultraプランの料金は、月額249.99米ドルで、日本円では月額約36,800円です(2025年8月現在)。

このプランに加入することで、Gemini 2.5 Deep Thinkの利用権だけでなく、以下のような特典が含まれます。

Gemini 2.5 Deep Thinkの利用はGoogle AI Ultraの加入が必要(Google AI Ultraプラン-Gemini 2.5 Deep Thinkの利用権以外の特典)

決して安価なプランではなく、ChatGPT Plus(月額約3,000円程度)と比較すると高額です。しかしGemini 2.5 Deep Thinkは、複雑な課題解決や研究開発、高度なコンテンツ制作において、高い投資対効果をもたらす可能性もあります。

現在は、3か月限定で月額約36,800円が月額18,000円になる割引キャンペーンが実施されています。まずは割引期間中にGemini 2.5 Deep Thinkの性能を試し、自社の業務に適合するかどうかを見極めるのがよいでしょう。

Geminiの料金体系については以下の記事を参考にしてみてください。

関連記事: Geminiの料金プランとは?プラン選びの3つのポイントも徹底解説!

Geminiアプリでの基本的な使い方

基本的な使い方は通常のGemini 2.5 Proと同じですが、Deep Thinkモードを有効にするための手順が加わります。

ここでは、最も一般的なGeminiアプリでの使い方と、開発者向けのAPI経由での使い方について解説します。

Geminiアプリでの使い方

Google AI Ultraプランに加入しているアカウントでログインしていれば、数ステップでGemini 2.5 Deep Thinkの高度な推論能力を利用できます。

具体的な手順は以下のとおりです。

  1. Webブラウザで gemini.google.com にアクセスするか、Geminiモバイルアプリを開く
  2. 画面上部のモデル選択ドロップダウンで、[2.5 Pro] が選択されていることを確認する
  3. プロンプト入力欄の近くに表示される「Deep Think」のトグルスイッチをオンにするか、専用の送信アイコンをクリック(タップ)する
  4. 解決したい課題や質問(プロンプト)を入力し、送信する
Deep Think選択画面の図解
Deep Think選択画面

Deep Thinkは並列思考を行うため、通常のGemini 2.5 Proよりも回答生成に時間がかかります(数十秒から数分程度)。

これはAIが裏側で複数のアイデアを検討し、最適な答えを練り上げているためです。回答の準備ができると、Geminiから通知が届き、チャット画面に結果が表示されます。

API経由での使い方

Googleの公式発表によると、Gemini 2.5 Deep ThinkのAPI提供は、Geminiアプリでのリリース後、数週間以内(執筆日:2025年8月6日)に開始される予定とされています。

まずは一部の信頼できるテスターや研究者向けに公開され、フィードバックを基に改善が進められます。

APIの利用にはプログラミングの知識が必要です。利用料金は、処理したトークン(単語や文字の単位)の量や、使用した計算リソースに応じた従量課金制になることが予想されます。

GeminiのAPI料金に関する情報は、以下の記事を参考にしてみてください。

関連記事: Gemini APIの料金は?無料で使える範囲や使い方、3つの事例を紹介

【実際に使ってみた】Gemini 2.5 Deep Thinkの活用例

今回は、実際にGemini AI Ultraに課金して、Gemini 2.5 Deep Thinkを使用してみました。

ブラウザゲームの開発

次に3Dのシューティングゲームを作成してみました。

プロンプトは「Webブラウザで動かせる3Dシューティングゲームのコードを生成してください。」のみです。初回はエラーが発生しましたが、2回目の出力で以下のゲームが生成されました。

3Dは複雑性が増すため生成が難しく、これまでならプロンプトの工夫や複数回の対話が必要でしたが、Gemini 2.5 Deep Thinkは2回の対話で上記のゲームが生成されました。

研究における仮説検証での活用

最後に、筆者が大学院時代に共著者として参画した論文を基に、仮説から今後の研究ロードマップを展開してもらいました。

提供した論文だけでなく、関連論文も複数リサーチし、包括的な情報を基に仮説立案とロードマップを出力してくれました。

Geminiの活用方法をもっと詳しく知りたい方は、Google公式やAI関連企業が行なっているセミナーに参加することを推奨します。

以下の記事ではGemini活用法を学べるおすすめのセミナーを紹介しているので、参考にしてみてください。

Gemini 2.5 Deep Thinkの回数・機能制限

Gemini 2.5 Deep Thinkは1回の応答生成に多くの計算能力を必要とするため、サーバーへの負荷を考慮して、Google AI Ultra加入者であっても、1日に利用できるプロンプトの回数には上限が設定されています。

具体的な回数は公表されていませんが、筆者の場合、午前9時から午後2時の間にGemini 2.5 Deep Thinkを5回程度使用すると制限にかかり、当日の午後4時まで利用できなくなりました。

ざっくり5時間に5回程度で制限にかかると考えてよいでしょう。

また、GeminiにはGitHubのリポジトリやローカルのコードフォルダを読み込める機能がありますが、執筆時点のGemini 2.5 Deep Thinkでは併用できません。

本記事ではコードファイル提供機能を活用し、フォルダ全体のバグ修正からリファクタリング※を行う予定でしたが、現状ではできないようなので注意しましょう。
※ソフトウェアの外部的な振る舞いを変えずに、内部のコード構造を改善する作業のこと

Gemini 2.5 Deep ThinkとGemini 2.5 Proとの使い分けのススメ

利用制限や応答速度を考慮すると、すべてのタスクでGemini 2.5 Deep Thinkを使うのが最適とは限りません。

日常的なタスクやスピードが求められる作業には、同じく高性能なモデルである「Gemini 2.5 Pro」を使い分けることが重要です。Gemini 2.5 Proも優れた性能であり、多くの業務を効率化できます。

以下のような基準で使い分けることをお勧めします。

Gemini 2.5 Deep ThinkとGemini 2.5 Proとの使い分けのススメ(Gemini 2.5 Deep Thinkを使うべき場面Gemini 2.5 Proを使うべき場面)

たとえば、会議の議事録の要約はGemini 2.5 Proに任せ、その要約を基に次のアクションプランを深く検討する際にはGemini 2.5 Deep Thinkを使う、といった使い分けが効果的です。

Gemini 2.5 Deep Thinkは、ここぞという重要な場面で、時間をかけてでも最高の答えを導き出したい場合に使う「切り札」として位置づけるのがよいでしょう。

Gemini 2.5 Proについては以下の記事で詳しく解説しているので、使い分けの参考にしてみてください。

関連記事: Gemini 2.5が登場!従来のモデルとの違いや特徴、活用事例を解説

最高峰のAI「Gemini 2.5 Deep Think」で研究・開発を加速させよう

Gemini 2.5 Deep Thinkは、並列思考技術により、人間のようにじっくりと多角的に考え、最適な結論を導き出す能力をもっています。

また、国際数学オリンピックで金メダル級の成績を収めるなど、その性能は従来のAIモデルを圧倒しています。

Gemini 2.5 Deep Thinkの主なポイントは以下のとおりです。

Gemini 2.5 Deep Thinkの主なポイント(並列思考とマルチエージェントによる高度な問題解決能力/主要なベンチマークで他社AIモデルを上回る最高性能/複雑なWeb開発、デザイン設計、研究開発の仮説検証などに効果的/Google AI Ultraプランへの加入が必要(月額約36,800円)/1日の利用回数制限と応答に時間がかかることに注意)

高価なプランではありますが、最先端のAIを活用してビジネスの課題解決や研究開発を加速させたい方にとって、Gemini 2.5 Deep Thinkは費用対効果が高い可能性があります。

世界最高峰の性能をもつGemini 2.5 Deep Thinkを活用し、研究・開発、そしてビジネスをさらに加速させていきましょう。

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