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  • 生成AIを学ぶ

AI講習会を社内で開催するには?7つのステップで徹底解説!

生成AIの代表格であるChatGPTなどAIツールの活用が、ビジネス現場で急速に広がっています。社内でAI講習会を開催して従業員のAIスキルを向上させようとする企業も増えています。

一方で、上司から「AI講習会を開催してほしい」と指示されて、「ノウハウもないのにどうしよう」と、戸惑っている方もいるでしょう。

この記事では、AI講習会を社内で成功させるための企画準備から当日の運営、フォローアップまで、7つのステップで徹底解説します。

AI講習会の成功によって従業員のAIスキル向上に貢献し、社内の業務効率アップや生産性向上に役立てたいと考えている方は最後までご覧ください。

監修者

SHIFT AI代表 木内翔大

(株)SHIFT AI 代表取締役 / GMO AI & Web3株式会社AI活用顧問 / 生成AI活用普及協会(GUGA)協議員 / Microsoft Copilot+ PCのCMに出演 / 国内最大級AI活用コミュニティ SHIFT AI(会員1万4,000人超)を運営。
『日本をAI先進国に』実現のために活動中。Xアカウントのフォロワー数は11万人超え(2025年4月現在)

なお、AI講習会で行う内容について知識を得たい方は、弊社SHIFT AIが運営する「AI大学」をご検討ください。

リアルタイム講義や動画eラーニング、ウェビナー、コミュニティなどのコンテンツを通じてビジネスに役立つAIの情報をお届けしています。

AI大学の詳細は下記のセミナーにてお伝えしているので、ぜひご参加ください。

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AI講習会とは?

AI講習会とは?

AI講習会とは、社内でAIに関する知識や技術を学ぶための研修イベントです。最近注目されている生成AIツールを題材に、社員が実際に使い方を体験しながら学べるのが特徴です。

社内研修や勉強会の一環として行われ、単なる座学だけでなくデモやハンズオンを交えて進められます。

オンライン開催でも対面でも実施可能で、参加者は数名から十数名程度の小規模なことが多く、講師や参加者同士での対話を通じて理解を深められる点もメリットです。

企業がAI講習会を積極的に実施すれば、従業員のAIリテラシーを向上させ、自社業務へのAI活用が促進されます。

なお、AI講習会を実施する前に、担当者自身のAIリテラシーを向上させたい場合には、以下の記事で紹介するセミナー参加がおすすめです。
関連記事:【初心者OK】生成AIセミナーおすすめ11選!2025年の最新を厳選して紹介

AI講習会の企画・準備

AI講習会の企画・準備

ここではAI講習会の企画・準備をどのように進めればよいか、以下の7つのステップで説明します。

  1. 講習会の目的・ゴールを明確にする
  2. 対象者のスキルレベルとニーズを把握する
  3. 講習会の内容と範囲を決定する
  4. 講師と開催形式を決定する
  5. 教材や使用ツールを準備する
  6. 実施日時と会場を確定する
  7. 参加者へ講習会の案内を行う

順番に詳しく見ていきましょう。

1. 講習会の目的・ゴールを明確にする

まず初めに、社内でAI講習会を開く目的をはっきりさせましょう。

上司から「とにかくAIについて研修してほしい」といわれた場合でも、具体的にどのような成果を期待しているのかを擦り合わせるべきです。

「基本的な使い方を習得し、業務で活用できるようになる」や「AIによるアイデアを皆で考え出す場にする」など、講習会終了後に得たい状態を明確に定義しましょう。

ゴールが明確になれば、それに沿ってコンテンツや進め方を決めやすくなり、講習会の効果も測定しやすくなります。

2. 対象者のスキルレベルとニーズを把握する

次に、講習会の対象となる参加者がどの程度AIに詳しいのか、どのようなことを学びたいのかを把握しましょう。参加者の職種やバックグラウンドによって、求められる内容は異なるからです。

AI未経験の社員が多いなら専門用語の説明から丁寧に行う必要があり、個人でAIを試した経験のある人が多ければ、基本説明は短めにして応用例に時間を割く方がよいでしょう。

事前に簡単なアンケートを実施して、「AIに関して知りたいこと」や「業務上の課題」を聞いておくと、ニーズに合った内容を準備できます。

参加者のスキルレベルと期待を把握すれば、講習会当日に「知っていることばかりで退屈だった」「難しすぎてついていけなかった」といった事態を避けられます。

3. 講習会の内容と範囲を決定する

目的と参加者のニーズが定まったら、講習会で扱うトピックとその範囲を決めましょう。限られた時間内で効果を上げるには、盛り込みすぎず要点を絞ることが大切です。

たとえば講習会の主な内容として、以下のような項目が考えられます。

  • AIの基礎知識(仕組みやできることの概要)
  • AIの基本的な操作デモンストレーション
  • よりよい結果を得るためのプロンプトエンジニアリングのコツ
  • 自社業務へのAI活用例の紹介
  • AIを使う上での注意点
  • ハンズオン演習と質疑応答の時間

上記を参考にして、参加者にとって有益で目的達成に直結する内容に絞りましょう。時間配分も考慮し、各トピックに適切な長さを割り当てます。

4. 講師と開催形式を決定する

講習会の講師は、社内にAIに詳しい人材がいればその人に講師を依頼するのが手軽です。ただし、専門知識に不安がある場合は外部の研修講師やコンサルタントの力を借りるのもいいでしょう。

外部講師は最新事例や専門的なノウハウを提供してくれるメリットがある一方で、その分費用が発生しますので上司と相談して判断しましょう。

開催形式は、オンラインでも対面でもそれぞれメリットがあります。オンライン開催なら地理的に離れたメンバーも参加しやすく準備も比較的簡単ですが、対面開催の方が双方向のやり取りや実習でのサポートが容易です。

参加人数が十名程度までの小規模であれば、ディスカッションも活発に行えるワークショップ形式がおすすめです。自社の状況や参加者の都合に合わせて、最適な形式を選択してください。

5. 教材や使用ツールを準備する

講習内容に合わせて必要な教材やツールを事前に準備します。参加者がスムーズに学べるよう、次のポイントを確認しておきましょう。

  • 資料の用意:講義用のスライド資料や配布用のハンドアウトを準備する。
  • 使用するAIツールの準備:事前に参加者全員が使用するAIにアクセスできる状態にする。
  • 設備・環境のチェック:対面ならプロジェクターやWi-Fi環境、オンラインならZoomやTeamsといった会議ツールの動作を事前に確認する。
  • デモや演習のリハーサル:当日実演するデモンストレーションを事前に確認する。

入念な準備によって、講習会当日の進行がスムーズになり、参加者も安心して学習に集中できます。

6. 実施日時と会場を確定する

準備が整ったら、講習会を行う日時と場所を決定します。参加者の業務に支障が出ない時間帯を選び、主要メンバーの予定を調整しましょう。

たとえば、月初や月末の繁忙期を避け、比較的余裕のある午後の時間を確保するなどの配慮が考えられます。

日時が決まったら、対面であれば会場となる会議室の予約を行い、プロジェクターやホワイトボードなど必要機材が使えるか確認します。

オンライン開催の場合は、事前にZoomやTeamsのミーティングURLを発行し、入室パスコードや参加方法を整理しておきましょう。

社内カレンダーに予定を入れておくとともに、講師や共同担当者がいる場合はリハーサルの時間も別途確保しておくと安心です。

7. 参加者へ講習会の案内を行う

最後に、参加対象の社員に対して講習会の案内を送りましょう。メールや社内ポータルを使って、以下の内容を含めた案内文を作成します。

  • 講習会のタイトルと目的
  • 日時、所要時間、開催方法
  • 対象者と参加のお願い文
  • 当日のアジェンダ概要
  • 事前準備のお願い
  • 問い合わせ先

参加者にはできるだけ早めに案内を出し、予定を確保してもらいましょう。開催前日にはリマインドの連絡を送ると出席率向上に効果的です。

丁寧な案内によって、参加者も安心して講習会に臨めます。

もしAI講習会に前のめりな従業員がいたら、事前にSHIFT AIの無料セミナーへの参加を促してもいいでしょう。

AIに関する知識を事前に習得できれば、講習会でも良質な情報を提供してくれるはずです。ぜひ以下のセミナーをご案内ください。

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AI講習会当日の進行ポイント

AI講習会当日の進行ポイント

企画と準備が滞りなく進み、AI講習会当日を迎えたら以下3つの視点に注意して進行しましょう。

  • 実例を交えてわかりやすく解説する
  • ハンズオン演習でAIを実体験させる
  • 質問やディスカッションを促す

参加者の満足度に関わる重要なポイントなので、順番に詳しく解説します。

実例を交えてわかりやすく解説する

講習会当日は、できるだけ具体的な実例を示しながら解説することを心がけましょう。

抽象的な概念の説明ばかりでは参加者の理解が深まりにくいため、AIが実際に業務で役立つ場面をイメージできる例を取り上げます。

自社の過去の業務課題を題材に「AIを使うとこのように解決策を提案してくれる」とデモを見せたり、他社でのAI活用成功事例を紹介したりすると効果的です。

身近な例に触れると、「自分たちの仕事でもAIが使えそうだ」という実感を持ってもらいやすくなります。

専門用語や難しい理論を説明する際には、できるだけ噛み砕いて平易な言葉に置き換え、図解を用いるなどの工夫でわかりやすさを意識しましょう。

ハンズオン演習でAIを実体験させる

講義部分で知識を得たら、実際にAIを使ってみるハンズオン演習の時間を設けましょう。参加者自身がAIにプロンプトを入力し、回答を得るプロセスを体験すれば理解が深まります。

簡単な演習課題を用意し、各自のPCで実践してもらいます。講師は各人の画面を見て回ったり質問に答えたりしてサポートしましょう。

オンライン開催の場合はブレイクアウトルームを活用したり、画面共有してもらったりして進捗を確認します。

自分で操作してみることで、「思った答えと違うがプロンプトを変えたら改善した」などの発見が得られ、単なる聞くだけの研修より定着率が高まります。

最後に演習の結果や気付きを参加者同士で共有してもらうのもおすすめです。

質問やディスカッションを促す

講習会では、一方的に話すだけでなく、参加者からの質問や意見を積極的に引き出しましょう。

「ここまでで不明な点はありますか?」と問いかけたり、チャット機能を使って質問を受け付けたりして、双方向のコミュニケーションを心がけましょう。

もし参加者が遠慮がちであれば、講師側から業務への応用アイデアを質問形式で投げかけ、ディスカッションを促すのも効果的です。

参加者同士で意見交換すれば、新たな発想が生まれたり理解が深まったりします。質問が出た際には丁寧に答え、不明点を残さないようにして参加者の満足度を高めましょう。

AI講習会後に行うべきフォローアップ

AI講習会後に行うべきフォローアップ

AI講習会が終わった後は、参加者へのフォローアップを忘れてはいけません。「いい講習会だった」で終わらせずに、現場の活用につながるフォローアップを行いましょう。フォローアップの際には以下の3つの点に注意します。

  • 講習会の効果を測定する
  • 上司や関係部門に結果を報告する
  • 参加者の継続的な学習を支援する

各ポイントについて順番に見ていきましょう。

講習会の効果を測定する

講習会が終わったら、その効果をきちんと評価しましょう。せっかく時間とリソースを投じた研修ですから、どれだけ目的を達成できたかを測定することが大切です。

参加者に対してアンケートを実施し、満足度や理解度、業務に活かせそうかといった項目をフィードバックしてもらいます。

「研修内容は役に立ちましたか」「明日からChatGPTを使ってみようと思いますか」などの質問で定量的なデータを集めるとよいでしょう。

可能であれば研修前後で参加者の知識テストや演習の出来を比較したり、研修後しばらくしてから実際にAIを業務で活用した事例が出ているか確認したりすれば、定性的な効果も把握できます。

上司や関係部門に結果を報告する

講習会の実施後は、依頼者である上司や人事部門など関係者に対し、結果を報告しましょう。報告内容には、参加者数や実施日時などの基本情報に加え、アンケート結果のサマリーや研修の成果を含めます。

「参加者10名中8名が『非常に有用だった』と回答」「研修後、〇〇部でAIを使った業務改善事例が見られた」など、具体的な数字やエピソードを盛り込むと説得力が増します。

研修で浮かび上がった課題や、今後のフォローアップ計画についても触れておくとよいでしょう。

このような報告により、上司や関係部門に講習会の価値を理解してもらえ、今後の支援や追加施策の検討にもつながります。

参加者の継続的な学習を支援する

講習会が一度きりで終わりにならないよう、参加者のその後の学習やAI活用をサポートしましょう。

研修後に資料や録画を共有して振り返りに役立ててもらうほか、参考になるウェブサイトや書籍、eラーニングコースなどの情報を提供するといい刺激になります。

社内でAI活用の情報共有の場を作るのもおすすめです。研修参加者同士で成果や疑問点を共有できるチャットグループを立ち上げたり、定期的なフォローアップ勉強会を開催したりすると、習った知識の定着と発展につながります。

上司の後押しが得られるなら、小規模なプロジェクトでAIツールを試行する機会を作るのもよいでしょう。AIスキルが社内に根付き、業務への実装が着実に進むよう継続的な学習環境を整えてください。

社内でAI講習会を実施するメリット

最後に社内でAI講習会を実施するメリットを紹介します。

  • 企業のメリット
  • 従業員のメリット

双方のメリットを理解してAI講習会を実施すれば、より効果的な内容となるでしょう。順番に説明します。

企業のメリット

社内でAI講習会を行うことは、企業側にも多くのメリットをもたらします。主なメリットとして、次のような点が挙げられます。

  • 業務効率の向上:社員がAIツールを使いこなせるようになる。
  • イノベーションの促進:新しいテクノロジーへの理解が深まる。
  • 人材育成と定着:社員に最新スキル習得の機会を提供できる。
  • リスクとガバナンスへの対応:講習会で正しい使い方や情報管理上の注意点を共有できる。

上記のメリットを企画段階で上司に伝えれば、より積極的な支援が得られるでしょう。

従業員のメリット

社内講習会でAIスキルを身につけることは、参加した従業員一人ひとりにとっても大きなメリットがあります。

  • 業務負担の軽減:AIを使えば、単調な作業に費やす時間が減る。
  • スキルアップとキャリア向上:自身の市場価値が高まり、キャリアアップにもつながる。
  • AIへの不安解消:AIを味方につけて業務を進める自信がつく。
  • 社内コミュニケーション活性化:知見を共有したり、アイデアを話し合ったりする機会が増える。

参加者に上記のメリットを伝えて、より多くの従業員を巻き込みましょう。

社内で講習会を開催してAI活用を推進しよう!

この記事では、AI講習会の企画・実施のステップから当日の進め方、そしてフォローアップまで、一通りの流れをご紹介しました。

準備段階では綿密な計画が必要ですが、今回解説した7つのステップに沿って進めれば、初めての担当でもスムーズに講習会を運営できるはずです。

AI技術は日進月歩で進化しているため、小さな一歩でも社内での学びを積み重ねていきましょう。

講習会をきっかけに社員がAIへの理解を深め、自発的に活用アイデアを試すようになれば、組織全体でのDXも加速します。ぜひ本記事のポイントを参考に、自社でAI講習会を開催してください。

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記事を書いた人

中島正雄

Webライター、ITコンサルタント、パーソナルトレーナーとして大阪を拠点に活動中。
自身はAIを活用して執筆時間をおよそ半分に削減。またコンサル先からもAIで業務改善につながったと喜ばれている。
SHIFT AIではSEOメディアにライターとして関わる。趣味はプロレス観戦。