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  • 生成AIトレンド

xAIの世界最高性能AI「Grok 3」とは?料金プランや使い方を解説

Grok 3(グロック)は、イーロン・マスク率いるxAIによって開発されたAIモデルです。

Grok 3は、ChatGPTのGPT-4やo1、o3といったモデルを上回るテスト結果を示し、世界最高性能であると発表直後から話題となっています。

本記事では、Grok 3の特徴や料金プランなどを網羅的に解説しています。また、Grok 3の使い方や注意点も解説しているので、実際に使う際の参考にもなるでしょう。

本記事を参考に世界最高性能モデルGrok 3を使えるようになって、本業や副業をより効率化させてみましょう。

監修者

SHIFT AI代表 木内翔大

(株)SHIFT AI 代表取締役 / GMO AI & Web3株式会社AI活用顧問 / 生成AI活用普及協会理事 / Microsoft Copilot+ PCのCMに出演 / 国内最大級AI活用コミュニティ SHIFT AI(会員1万人超)を運営。
『日本をAI先進国に』実現のために活動中。Xアカウントのフォロワー数は10万人超え(2025年1月現在)

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Grok 3の特徴

Grok 3の特徴は以下のとおりです。

  • さまざまな分野で世界最高性能を示す
  • 圧倒的な推論能力をもつ
  • 高度なDeep Search機能を搭載している
  • 驚異的なスピードで開発された
  • 思考プロセスを確認できる

さまざまな分野で世界最高性能を示す

Grok 3は、公開されている様々なベンチマークテストにおいて、世界最高レベルの性能を示しています。

具体的には、以下のベンチマークテストで高いスコアを記録し、他の最先端AIモデルと比較しても優れた結果を残しています。

テスト名内容通常正答率
AIME 24数学オリンピックレベルの問題52%
GPQA大学院レベルの科学的問題75%
Codingプログラミング能力を測るテスト57%
AIME 2025最新の数学コンテスト93%
Grok 3のベンチマークテストの結果
ベンチマークテストの結果(出典:Grok 3の公式発表動画

さらに、匿名でAIをテストして、投票を行うChatbot Arenaにおける評価も、OpenAIやGoogleのモデルを大幅に超えています。

チャットボットアリーナのプロット画像
チャットボットアリーナの結果(出典:Grok 3の公式発表動画

性能面では他企業に及んでいなかったGrokが、ついに世界一位になりました。

圧倒的な推論能力をもつ

Grok 3は、単に記憶している知識を出力するだけでなく、その知識を活用して論理的に考え、複雑な問題を解決する「推論能力」が優れています。

実際、推論能力を測るテストでも、高い点数を叩き出しています。

Grok 3の推論テストの棒グラフ
推論モードでのテスト結果(出典:Grok 3の公式発表動画

Grok 3は、この推論能力を実現するために、”Think”ボタンを搭載しています。このボタンを押すことで、AIはより深く思考を重ね、複数のステップを踏んで正解にたどり着こうとします。

Grok 3のTHINKボタンの画像
Grok 3を実際に使っている様子(出典:Grok 3の公式発表動画

推論能力の強化により、まるで人間が難問に取り組むように、Grok3は試行錯誤を繰り返し、最適な答えを導き出すことができるようになりました。

また、Big Brainという、通常のモードよりも多くの計算資源を投入する機能も搭載しています。
※2025年2月20日時点ではBigBrainは使用不可

推論モデルといえば、ChatGPTやGeminiが有名でしたが、そこにGrokも参入してきました。

高度なDeep Search機能を搭載している

Grok 3は「Deep Search」機能を搭載しており、ユーザーの質問の意図を深く理解し、インターネット上の膨大な情報から最適な答えを見つけ出します。

Deep Searchによって、単なるキーワード検索ではなく、文脈を理解した上で深い情報収集ができます。

Deep searchを使っている画像
Deep Searchを使っている様子(出典:Grok 3の公式発表動画

Deep Searchの特徴は以下のとおりです。

項目内容
複数の情報源の比較・検証単一の情報源に頼らず、複数の信頼できる情報源を比較・検証する。
情報の信頼性評価各情報源の信頼性を評価し、より正確で信頼性の高い情報を提供する。
検索結果の根拠提示検索結果の根拠となった情報源を提示し、ユーザーが情報の裏付けを確認できる。
ユーザーの意図に沿った検索表層的なキーワードだけでなく、質問の背後にある意図や文脈を理解し、最適な情報を抽出する。

この機能により、Grok 3はPerplexityのDeepResearchに匹敵し、OpenAIのDeep Researchにも迫る性能を実現していると評価されています。

驚異的なスピードで開発された

Grok 3のGPUの画像
出典:Grok 3の公式発表動画

xAI社はゼロからGrok 3の開発をスタートし、わずか1年程度でこの最先端のAIモデルを開発しました。

通常、このような大規模なAIモデルの開発には数年を要することが一般的ですが、xAI社は10万台規模のGPU(※1)を搭載した巨大な計算機をわずか4ヶ月(122日)で構築し、開発期間を大幅に短縮しました。

このスピード感は、AI開発競争において大きなアドバンテージとなります。さらに今後は、この5倍のパワーを持つ予定であることも明らかにされています。

※1 GPU: Graphics Processing Unitの略。高度な計算処理能力を持つ半導体チップで、AI開発には欠かせない存在。

思考プロセスを確認できる

Grok 3は思考プロセスをユーザーに公開するという特徴も持っています。

AIがどのように考えて答えを導き出しているのかが分かるため、ユーザーはAIの思考過程を理解し、より深くAIを活用することができます。

Grok 3が思考している様子
Grok 3が思考している最中(出典:Grok 3の公式発表動画

また、複雑な問題に対して、どのように考えを進めていけば良いのか、そのヒントを得ることも可能です。

さらに、Grok 3はX(旧Twitter)との連携が強化されており、X上での情報収集や分析にも活用できます。

Grok 3の料金プラン

Grok 3を利用するには、現在のところ、X(旧Twitter)の有料プランである「X Premium+」または、Grok専用の「SuperGrok」に登録する必要があります。

プラン名料金特典
X Premium+(Webサイトから課金)
月額6,080円
年額60,036円
(iOSから課金)
月額8,000円
年額80,000円
(Androidから課金)
月額8,190円
年額80,400円
– Grok-3の利用
– DeepSearchおよび推論機能へのアクセス
– 投稿や会話の使用制限増加(文字数・ポスト数など)
– 広告表示の半減、クリエイター収益分配などX Premium+の全機能
SuperGrok月額約4,500円
年額約45,000円
– Grok-3への優先アクセス
– DeepSearchおよびThink機能
– 今後実装される新機能へのアーリーアクセス
– 画像生成数の上限アップ
– Grok専用アプリ(iOS)
grok.comでの利用が可能
※2025年2月20日時点の情報
※2025年2月20日時点では無料ユーザーにもGrok 3を開放

X Premium+の価格はGrok 3のリリースに伴い、元の価格から2倍程度値上げしたため注意しましょう。

Xをビジネスで活用している方はX Premium+、Grok 3のみを使いたい方はSuperGrokのプランを選択することをおすすめします。

Grok 3の登録方法

Grok 3はX Premium+とSuperGrokのプランで使用できます。本章では、それぞれの登録方法を紹介します。

X Premium+

XでGrok 3を使えるX Premium+への登録は、以下のステップで行います。

  1. Xへアクセス
  2. 「設定とプライバシー」へ移動
  3. プレミアムを選択※
  4. X Premium+を選択
  5. 支払い方法を設定

※すでにX Premiumに登録しているしている場合、ステップ3の「プレミアム」選択後、「プレミアムプラスにアップグレード」というポップアップを選択してください。

これでX Premium+への登録は完了です。登録後、Grok 3を使用できるようになります。

SuperGrok

ChatGPTやGeminiのように専用プラットフォーム上でGrok 3を使いたい場合は、SuperGrokに登録しましょう。

以下の手順でSuperGrokに登録できます。

  1. Grokにアクセス
  2. 画面左下の「Go Super」をクリック
  3. 決済方法を選択して「申し込む」をクリック

これで、SuperGrokへの登録は完了です。

「Go Grok」をクリックする場所を図示した画像
「Go Grok」をクリックする場所

Grok 3の使い方

本章では、Grok 3の使い方を紹介します。

X Premium+とSuperGrokのGrok 3は使い方に大差がないため、ここではSuperGrokでの使い方を紹介します。

推論モード

推論モードを使う場合は、「Think」ボタンをクリックします。

推論モードは、数学や科学、コーディングの複雑な問題を解決する際に有効です。

今回は「太陽系が太陽の周りを回る動きをシミュレーションできるアニメーション付き3Dプロットのコードを生成してください。」という命令をしてみましょう。

20秒ほど推論を行った結果、以下のようなコードを出力しました。

Grok 3がコードを生成している画像

このコードを実行した結果、実際にシミュレーションをプロットできました。

Grok 3が生成したコードで再現した太陽系

このように、複雑なコーディングや数学問題などを推論モードを使って処理してみてください。

Deep Search

通常のブラウジングよりも多数のソースを検索し、かつユーザーの意図を正しく汲み取り情報をまとめられるDeep Searchは、プロンプト入力フォームの「Deep Search」ボタンから利用できます。

Deep Searchを使う方法を図示した画像

今回は「日本のAI開発事情をまとめたレポートを作成してください。」という命令を実行してみましょう。

表や箇条書き、出典元などが記載されておりわかりやすく、まるでプロのリサーチャーに依頼したかのようです。

Grok 3のDeep Searchの特徴は、Xの情報も検索できることです。ChatGPTやGeminiなどではXのアクセスが難しいため、Xの情報を含めた検索を行いたい場合は、Grok 3を使うとよいでしょう。

Grok 3のユースケース/活用例

本章では、Grok 3のユースケースを4つ紹介します。

本章で紹介する画像は、実際にイーロン・マスクがデモ動画で使用していたものです。

複雑な問題への対応・解決支援

Grok 3は推論能力に優れているため、複雑なタスクや問題への対応が可能です。

たとえば、物理学の問題に対して、Grok 3に「地球からの打ち上げ、火星への着陸、その後次の打ち上げウィンドウで地球に戻るアニメーション付き3Dプロットのコードを生成してください。」と質問すると、適切なコーディングを行います。

Grok 3で生成したコードを実装した画像

Grok 3は、”Think”機能を活用して、必要な物理法則や計算式を理解し、複雑な計算を複数ステップに分けて実行し、最終的な答えと図を生成します。

専門知識がない人でも、高度な問題を解決する手助けとなるでしょう。

詳細なリサーチ

Deep Searchを使えば、以下のようなプロンプトで高度なリサーチも行えます。

最新のAI技術の動向について、主要な研究機関と資金調達額、従業員数の推定を含めたレポートを作成してください。

このように、コンサルタントに依頼するような内容でも、Grok 3は適切なレポートを作成してくれます。

また、Grok 3はXの情報も参照できます。OpenAIのDeep ResearchはXの情報を取得できないため、この点ではGrok 3に軍配が上がります。

日常生活での活用

Grok 3では、「今週末に開催されるイベントで、家族連れにおすすめのものはありますか?」といった日常的な質問にも対応できます。

Grok 3は、インターネット上の情報を検索し、イベントの内容や場所、時間などを比較検討し、ユーザーのニーズに合ったイベントを提案します。

さらにDeep Searchを使えば、単なる情報検索だけでなく、質問の意図を汲み取り、よりパーソナライズされた回答を提示できます。

プログラミング支援

Grok 3は、コードの生成やエラーの特定、改善などをおこなえます。

たとえば、以下のように指示すると、Grok 3は要件を満たすコードを生成します。

Pygameを使って、テトリスとビジュエルドを組み合わせたゲームを作ってください。コードは非常に長くても構いません。一つのファイルとして出力してください。とてつもなく素晴らしいものにしてください。

Grok 3でテトリスを作っている画像
出典:Grok 3の公式発表動画


また、既存のコードを提示して改善点を尋ねることも可能です。

Grok 3を使う際の注意点

次に、Grok 3を使う際の注意点について解説します。

ベータ版であること

Grok 3はまだベータ版※であり、完璧ではありません。
※ ベータ版:正式リリース前の試用版のこと。

時には不正確な情報を生成したり、質問の意図を正しく理解できない場合があります。

そのため、Grok 3の回答を鵜呑みにせず、他の情報源と照らし合わせるなどして、情報の真偽を確認することが重要です。

Xの情報を優先してしまう

Grok 3は、デフォルト設定ではX(旧Twitter)上の情報を優先的に参照する傾向があります。

より幅広い情報を得るためには、他の情報源も参照するように指示する、あるいは、ユーザー自身が他の検索エンジンなどを併用する必要があります。

ハルシネーションが起こる

Grok 3は、事実とは異なる情報を生成してしまう「ハルシネーション」と呼ばれる現象を起こす可能性があります。

特に、複雑な質問や、情報が不足している質問に対しては、この現象が起こりやすくなります。

Grok 3の回答はあくまで参考情報として扱い、最終的な判断はユーザー自身が行うようにしましょう。

Grok 3の今後の展望

Grok 3は、今後さらに機能が拡充され、性能が向上していくことが期待されています。

具体的には、以下のような機能が追加される予定です。

項目内容
音声対話機能ユーザーはGrok 3と音声で会話できるようになり、より自然なコミュニケーションが可能。
推論能力の向上強化学習を取り入れることで、より高度な推論能力を実装し、複雑な問題への対応が可能に。
ツール連携ウェブブラウザ、検索エンジン、コードインタープリターなど、より多くの外部ツールと連携し、活用の幅が拡大。
マルチモーダル対応テキストだけでなく、画像や動画など多様な形式の情報を理解・処理できるように。
GrokエージェントGrokの能力を最大限活用する自律エージェントの開発が進行中。

Grok 3はChatGPTやGeminiなどにも引けを取らないAIになりつつあります。

世界最高性能モデル「Grok 3」の今後に期待!

xAIが発表したGrok 3は、これまで生成AI界で王者だったChatGPTや、巨大企業GoogleのAIであるGeminiを上回る性能を示しています。

Grok 3が一般ユーザーにも使えるようになれば、今の生成AI界隈の勢力図が変わるかもしれません。

Grok 3が世界をどのように変えるのか、今後の動向に注目しましょう。

弊社SHIFT AIでは、Xアカウント(フォロワー約10万人)や、本メディア「SHIFT AI TIMES」で今回のような最新AIの情報を発信しています。

また、週に3〜5回程度、生成AIを活用した副業や転職などで収入をアップさせるノウハウをお伝えする無料セミナーを開催しています。

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記事を書いた人

SHIFT AI TIMES編集長

大城一輝

フリーランスとしてライター、ディレクター、生成AIコンサルタントとして活動している。AI活用の講師も多数経験。
SHIFT AIではオウンドメディア(SHIFT AI TIMES)の編集長を担当。
また、SHIFT AIのモデレーターとしてコミュニティ運営や講師にも携わっている。
G検定・生成AIパスポート・Generative AI Test合格
Google AI Essentials修了
ノーコード生成AIツール「Create.xyz」公式アンバサダー
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