xAIの世界最高性能AI「Grok 3」とは?料金プランや使い方を解説
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Grok 3(グロック)は、イーロン・マスク率いるxAIによって開発されたAIモデルです。
Grok 3は、ChatGPTのGPT-4やo1、o3といったモデルを上回るテスト結果を示し、世界最高性能であると発表直後から話題となっています。
本記事では、Grok 3の特徴や料金プランなどを網羅的に解説しています。また、Grok 3の使い方や注意点も解説しているので、実際に使う際の参考にもなるでしょう。
本記事を参考に世界最高性能モデルGrok 3を使えるようになって、本業や副業をより効率化させてみましょう。
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監修者
SHIFT AI代表 木内翔大
弊社SHIFT AIでは、GrokやChatGPTなどの生成AIを活用して、副業を始めて収入を得るためのロードマップを解説する無料セミナーを開催しています。(週に3〜5回開催)
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目次
Grok 3の特徴
Grok 3の特徴は以下のとおりです。
- さまざまな分野で世界最高性能を示す
- 圧倒的な推論能力をもつ
- 高度なDeep Search機能を搭載している
- 驚異的なスピードで開発された
- 思考プロセスを確認できる
さまざまな分野で世界最高性能を示す
Grok 3は、公開されている様々なベンチマークテストにおいて、世界最高レベルの性能を示しています。
具体的には、以下のベンチマークテストで高いスコアを記録し、他の最先端AIモデルと比較しても優れた結果を残しています。
テスト名 | 内容 | 通常正答率 |
---|---|---|
AIME 24 | 数学オリンピックレベルの問題 | 52% |
GPQA | 大学院レベルの科学的問題 | 75% |
Coding | プログラミング能力を測るテスト | 57% |
AIME 2025 | 最新の数学コンテスト | 93% |

さらに、匿名でAIをテストして、投票を行うChatbot Arenaにおける評価も、OpenAIやGoogleのモデルを大幅に超えています。
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性能面では他企業に及んでいなかったGrokが、ついに世界一位になりました。
圧倒的な推論能力をもつ
Grok 3は、単に記憶している知識を出力するだけでなく、その知識を活用して論理的に考え、複雑な問題を解決する「推論能力」が優れています。
実際、推論能力を測るテストでも、高い点数を叩き出しています。

Grok 3は、この推論能力を実現するために、”Think”ボタンを搭載しています。このボタンを押すことで、AIはより深く思考を重ね、複数のステップを踏んで正解にたどり着こうとします。

推論能力の強化により、まるで人間が難問に取り組むように、Grok3は試行錯誤を繰り返し、最適な答えを導き出すことができるようになりました。
また、Big Brainという、通常のモードよりも多くの計算資源を投入する機能も搭載しています。
※2025年2月20日時点ではBigBrainは使用不可
推論モデルといえば、ChatGPTやGeminiが有名でしたが、そこにGrokも参入してきました。
高度なDeep Search機能を搭載している
Grok 3は「Deep Search」機能を搭載しており、ユーザーの質問の意図を深く理解し、インターネット上の膨大な情報から最適な答えを見つけ出します。
Deep Searchによって、単なるキーワード検索ではなく、文脈を理解した上で深い情報収集ができます。
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Deep Searchの特徴は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
---|---|
複数の情報源の比較・検証 | 単一の情報源に頼らず、複数の信頼できる情報源を比較・検証する。 |
情報の信頼性評価 | 各情報源の信頼性を評価し、より正確で信頼性の高い情報を提供する。 |
検索結果の根拠提示 | 検索結果の根拠となった情報源を提示し、ユーザーが情報の裏付けを確認できる。 |
ユーザーの意図に沿った検索 | 表層的なキーワードだけでなく、質問の背後にある意図や文脈を理解し、最適な情報を抽出する。 |
この機能により、Grok 3はPerplexityのDeepResearchに匹敵し、OpenAIのDeep Researchにも迫る性能を実現していると評価されています。
驚異的なスピードで開発された
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xAI社はゼロからGrok 3の開発をスタートし、わずか1年程度でこの最先端のAIモデルを開発しました。
通常、このような大規模なAIモデルの開発には数年を要することが一般的ですが、xAI社は10万台規模のGPU(※1)を搭載した巨大な計算機をわずか4ヶ月(122日)で構築し、開発期間を大幅に短縮しました。
このスピード感は、AI開発競争において大きなアドバンテージとなります。さらに今後は、この5倍のパワーを持つ予定であることも明らかにされています。
※1 GPU: Graphics Processing Unitの略。高度な計算処理能力を持つ半導体チップで、AI開発には欠かせない存在。
思考プロセスを確認できる
Grok 3は思考プロセスをユーザーに公開するという特徴も持っています。
AIがどのように考えて答えを導き出しているのかが分かるため、ユーザーはAIの思考過程を理解し、より深くAIを活用することができます。

また、複雑な問題に対して、どのように考えを進めていけば良いのか、そのヒントを得ることも可能です。
さらに、Grok 3はX(旧Twitter)との連携が強化されており、X上での情報収集や分析にも活用できます。
Grok 3の料金プラン
Grok 3を利用するには、現在のところ、X(旧Twitter)の有料プランである「X Premium+」または、Grok専用の「SuperGrok」に登録する必要があります。
プラン名 | 料金 | 特典 |
---|---|---|
X Premium+ | (Webサイトから課金) 月額6,080円 年額60,036円 (iOSから課金) 月額8,000円 年額80,000円 (Androidから課金) 月額8,190円 年額80,400円 | – Grok-3の利用 – DeepSearchおよび推論機能へのアクセス – 投稿や会話の使用制限増加(文字数・ポスト数など) – 広告表示の半減、クリエイター収益分配などX Premium+の全機能 |
SuperGrok | 月額約4,500円 年額約45,000円 | – Grok-3への優先アクセス – DeepSearchおよびThink機能 – 今後実装される新機能へのアーリーアクセス – 画像生成数の上限アップ – Grok専用アプリ(iOS) – grok.comでの利用が可能 |
※2025年2月20日時点では無料ユーザーにもGrok 3を開放
X Premium+の価格はGrok 3のリリースに伴い、元の価格から2倍程度値上げしたため注意しましょう。
Xをビジネスで活用している方はX Premium+、Grok 3のみを使いたい方はSuperGrokのプランを選択することをおすすめします。
Grok 3の登録方法
Grok 3はX Premium+とSuperGrokのプランで使用できます。本章では、それぞれの登録方法を紹介します。
X Premium+
XでGrok 3を使えるX Premium+への登録は、以下のステップで行います。
- Xへアクセス
- 「設定とプライバシー」へ移動
- プレミアムを選択※
- X Premium+を選択
- 支払い方法を設定
※すでにX Premiumに登録しているしている場合、ステップ3の「プレミアム」選択後、「プレミアムプラスにアップグレード」というポップアップを選択してください。
これでX Premium+への登録は完了です。登録後、Grok 3を使用できるようになります。
SuperGrok
ChatGPTやGeminiのように専用プラットフォーム上でGrok 3を使いたい場合は、SuperGrokに登録しましょう。
以下の手順でSuperGrokに登録できます。
- Grokにアクセス
- 画面左下の「Go Super」をクリック
- 決済方法を選択して「申し込む」をクリック
これで、SuperGrokへの登録は完了です。

Grok 3の使い方
本章では、Grok 3の使い方を紹介します。
X Premium+とSuperGrokのGrok 3は使い方に大差がないため、ここではSuperGrokでの使い方を紹介します。
推論モード
推論モードを使う場合は、「Think」ボタンをクリックします。
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推論モードは、数学や科学、コーディングの複雑な問題を解決する際に有効です。
今回は「太陽系が太陽の周りを回る動きをシミュレーションできるアニメーション付き3Dプロットのコードを生成してください。」という命令をしてみましょう。
20秒ほど推論を行った結果、以下のようなコードを出力しました。

このコードを実行した結果、実際にシミュレーションをプロットできました。

このように、複雑なコーディングや数学問題などを推論モードを使って処理してみてください。
Deep Search
通常のブラウジングよりも多数のソースを検索し、かつユーザーの意図を正しく汲み取り情報をまとめられるDeep Searchは、プロンプト入力フォームの「Deep Search」ボタンから利用できます。

今回は「日本のAI開発事情をまとめたレポートを作成してください。」という命令を実行してみましょう。
表や箇条書き、出典元などが記載されておりわかりやすく、まるでプロのリサーチャーに依頼したかのようです。
Grok 3のDeep Searchの特徴は、Xの情報も検索できることです。ChatGPTやGeminiなどではXのアクセスが難しいため、Xの情報を含めた検索を行いたい場合は、Grok 3を使うとよいでしょう。
Grok 3のユースケース/活用例
本章では、Grok 3のユースケースを4つ紹介します。
本章で紹介する画像は、実際にイーロン・マスクがデモ動画で使用していたものです。
複雑な問題への対応・解決支援
Grok 3は推論能力に優れているため、複雑なタスクや問題への対応が可能です。
たとえば、物理学の問題に対して、Grok 3に「地球からの打ち上げ、火星への着陸、その後次の打ち上げウィンドウで地球に戻るアニメーション付き3Dプロットのコードを生成してください。」と質問すると、適切なコーディングを行います。

Grok 3は、”Think”機能を活用して、必要な物理法則や計算式を理解し、複雑な計算を複数ステップに分けて実行し、最終的な答えと図を生成します。
専門知識がない人でも、高度な問題を解決する手助けとなるでしょう。
詳細なリサーチ
Deep Searchを使えば、以下のようなプロンプトで高度なリサーチも行えます。
最新のAI技術の動向について、主要な研究機関と資金調達額、従業員数の推定を含めたレポートを作成してください。
このように、コンサルタントに依頼するような内容でも、Grok 3は適切なレポートを作成してくれます。
また、Grok 3はXの情報も参照できます。OpenAIのDeep ResearchはXの情報を取得できないため、この点ではGrok 3に軍配が上がります。
日常生活での活用
Grok 3では、「今週末に開催されるイベントで、家族連れにおすすめのものはありますか?」といった日常的な質問にも対応できます。
Grok 3は、インターネット上の情報を検索し、イベントの内容や場所、時間などを比較検討し、ユーザーのニーズに合ったイベントを提案します。
さらにDeep Searchを使えば、単なる情報検索だけでなく、質問の意図を汲み取り、よりパーソナライズされた回答を提示できます。
プログラミング支援
Grok 3は、コードの生成やエラーの特定、改善などをおこなえます。
たとえば、以下のように指示すると、Grok 3は要件を満たすコードを生成します。
Pygameを使って、テトリスとビジュエルドを組み合わせたゲームを作ってください。コードは非常に長くても構いません。一つのファイルとして出力してください。とてつもなく素晴らしいものにしてください。

また、既存のコードを提示して改善点を尋ねることも可能です。
Grok 3を使う際の注意点
次に、Grok 3を使う際の注意点について解説します。
ベータ版であること
Grok 3はまだベータ版※であり、完璧ではありません。
※ ベータ版:正式リリース前の試用版のこと。
時には不正確な情報を生成したり、質問の意図を正しく理解できない場合があります。
そのため、Grok 3の回答を鵜呑みにせず、他の情報源と照らし合わせるなどして、情報の真偽を確認することが重要です。
Xの情報を優先してしまう
Grok 3は、デフォルト設定ではX(旧Twitter)上の情報を優先的に参照する傾向があります。
より幅広い情報を得るためには、他の情報源も参照するように指示する、あるいは、ユーザー自身が他の検索エンジンなどを併用する必要があります。
ハルシネーションが起こる
Grok 3は、事実とは異なる情報を生成してしまう「ハルシネーション」と呼ばれる現象を起こす可能性があります。
特に、複雑な質問や、情報が不足している質問に対しては、この現象が起こりやすくなります。
Grok 3の回答はあくまで参考情報として扱い、最終的な判断はユーザー自身が行うようにしましょう。
Grok 3の今後の展望
Grok 3は、今後さらに機能が拡充され、性能が向上していくことが期待されています。
具体的には、以下のような機能が追加される予定です。
項目 | 内容 |
---|---|
音声対話機能 | ユーザーはGrok 3と音声で会話できるようになり、より自然なコミュニケーションが可能。 |
推論能力の向上 | 強化学習を取り入れることで、より高度な推論能力を実装し、複雑な問題への対応が可能に。 |
ツール連携 | ウェブブラウザ、検索エンジン、コードインタープリターなど、より多くの外部ツールと連携し、活用の幅が拡大。 |
マルチモーダル対応 | テキストだけでなく、画像や動画など多様な形式の情報を理解・処理できるように。 |
Grokエージェント | Grokの能力を最大限活用する自律エージェントの開発が進行中。 |
Grok 3はChatGPTやGeminiなどにも引けを取らないAIになりつつあります。
世界最高性能モデル「Grok 3」の今後に期待!
xAIが発表したGrok 3は、これまで生成AI界で王者だったChatGPTや、巨大企業GoogleのAIであるGeminiを上回る性能を示しています。
Grok 3が一般ユーザーにも使えるようになれば、今の生成AI界隈の勢力図が変わるかもしれません。
Grok 3が世界をどのように変えるのか、今後の動向に注目しましょう。
弊社SHIFT AIでは、Xアカウント(フォロワー約10万人)や、本メディア「SHIFT AI TIMES」で今回のような最新AIの情報を発信しています。
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記事を書いた人
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SHIFT AI TIMES編集長
大城一輝
フリーランスとしてライター、ディレクター、生成AIコンサルタントとして活動している。AI活用の講師も多数経験。
SHIFT AIではオウンドメディア(SHIFT AI TIMES)の編集長を担当。
また、SHIFT AIのモデレーターとしてコミュニティ運営や講師にも携わっている。
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