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  • 生成AIトレンド

Gemini 2.0シリーズの主要3モデルが開放!with appsでGoogleサービスと連携も!

2025年2月6日、GoogleからGemini 2.0シリーズの一般提供開始が発表されました。

Gemini 2.0シリーズに含まれる3つのモデルは、これまで主流であったGemini 1.5の性能を大きく上回るものです。

また、使えるモデルが増えただけでなく、Google AI StudioやVertex AIでの利用も開放されています。

本記事では、今回発表されたGemini 2.0シリーズについて、性能の調査結果や各モデルの特徴を解説します。

「最近よくGeminiを使っている」という方は、ぜひ最後まで読み進めて、Geminiの最新の進化をキャッチしてください。

監修者

SHIFT AI代表 木内翔大

(株)SHIFT AI 代表取締役 / GMO AI & Web3株式会社AI活用顧問 / 生成AI活用普及協会理事 / Microsoft Copilot+ PCのCMに出演 / 国内最大級AI活用コミュニティ SHIFT AI(会員1万人超)を運営。
『日本をAI先進国に』実現のために活動中。Xアカウントのフォロワー数は11万人超え(2025年3月現在)

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Gemini 2.0シリーズが全ユーザーに提供開始

2025年2月6日(日本時間)、GoogleはGemini 2.0シリーズの一般提供を発表しました。Gemini 2.0シリーズは、Googleの最先端AIモデルであるGeminiシリーズの最新版です。

今回、以下4つのモデルに関する情報が発表されました。

2025年2月6日にGoogleから発表されたGemini 2.0シリーズの内容
2025年2月6日にGoogleから発表されたGemini 2.0シリーズの内容
参照:Google公式のX
  • Gemini 2.0 Flash
  • Gemini 2.0 Pro
  • Gemini 2.0 Flash-Lite
  • Gemini 2.0 Flash Thinking Experimental

「Gemini 1.5 Flash」をもとにした新世代モデル「Gemini 2.0」自体、2024年12月には発表されていましたが、一般公開されていたのは「Gemini 2.0 Flash」のみでした。

しかし、今回の発表により、主要モデルの「Gemini 2.0 Flash・Pro・Flash-Lite」が使えるようになり、日常的なタスクや開発など、幅広いシーンでの活用が期待されています。

また、「2.0 Flash Thinking Experimental」は「Gemini 2.0 Flash」の派生モデルで、名前に「Thinking」とあるとおり推論が得意です。

今回発表されたモデルは、いずれもマルチモーダル入力(テキスト・音声・画像・動画の入力)に対応しています。

従来モデルより性能が向上

Gemini 2.0シリーズは、従来モデルであるGemini 1.5 Proと比較して性能向上を実現しました。以下は、Gemini 1.5 Flash・Proの2モデルとの比較表です。

Gemini 1.5 Flash・Proの2モデルとGemini 2.0シリーズの比較表
Gemini 1.5 Flash・Proの2モデルとGemini 2.0シリーズの比較表
参照:Gemini 2.0 is now available to everyone(Google)

表を見ると、多くの項目でGemini 2.0シリーズの性能が向上しているとわかります。

また、huggingfaceのによるベンチマークテストによると、全体では「Gemini 2.0 Flash Thinking Experimental」、コーディングにおいては「Gemini 2.0」が1位を獲得しました。

huggingfaceのによるベンチマークテスト(Overall)
huggingfaceのによるベンチマークテスト(Overall)
参照:Chatbot Arena LLM Leaderboard(Haggingface)
huggingfaceのによるベンチマークテスト(Coding)
huggingfaceのによるベンチマークテスト(Coding)

以上のことから、Gemini 2.0シリーズは現在、他のモデルと比較しても高い性能を誇っているとわかります。

Gemini 2.0シリーズの主要モデルは3種類

Gemini 2.0シリーズは、用途とニーズに合わせて最適化された3つの主要モデルで構成されています。

  • Gemini 2.0 Flash
  • Gemini 2.0 Flash-Lite
  • Gemini 2.0 Pro

多様なユーザーの要求に応えるため、性能・速度・効率性の異なるモデルが用意されました。それぞれのモデルについて解説します。

Gemini 2.0 Flash

Gemini 2.0 Flashは、日常的なタスクに最適化されたモデルです。高速な応答と低遅延を実現し、複雑な指示に対する理解力が向上しています。

100万トークンもの大量のテキストデータを処理できるため、まるで人間が一度に本を何冊も読むような処理能力を持っています。
※1トークン=英語で約4文字分に相当

Googleドライブとの連携やコードのフォルダ入力も可能なので、たとえば、リアルタイムでの検索やデータ分析、レポート作成など、複雑なデータを扱う場面に最適です。

さらにマルチモーダル出力にも対応するとされており、Google公式ページによると、画像や音声での出力が可能になると記載があります。

Gemini 2.0 Flashは、Geminiのブラウザ版・アプリ版に加え、Google AI StudioVertex AI(Gemini APIを通じて)でも利用できるようになりました。

Gemini 2.0 Flash-Lite

Gemini 2.0 Flash-Liteは、 Gemini 2.0 Flashをさらに軽量化したモデルです。

軽量ながら、複雑な推論や高度な言語理解、クリエイティブなコンテンツ生成などの高度なタスクをこなします。

Gemini 2.0 Flashと同様に、100万トークンのテキストデータを処理可能です。

現在Gemini 2.0 Flash-Lite はプレビュー版のみのリリースで、Google AI StudioVertex AIのGemini APIを通じて利用できます。

Gemini 2.0 Pro

Gemini 2.0 Proは、プログラミングや複雑なタスクに特化したモデルで、Gemini 2.0シリーズの中で最高レベルの性能です。

処理できるトークン数は200万で、Gemini 2.0 Flash-Lite・Flash-Liteの倍となっています。

このモデルは一般というより開発者向けで、コードの生成やデバッグ、データ分析、市場調査において、深く複雑な推論を行う場面で役立ちます。

Gemini 2.0 Proは現在テスト版(Experimental)の公開のみです。Google AI StudioVertex AIのほか、Geminiのブラウザ版・アプリ版(Gemini Advancedユーザー限定)でも利用できます。

また、Googleの公式ページによると、Google 検索やコード実行などのツールを呼び出す機能も利用可能です。

ただし、これらの機能はGeminiのブラウザ版・アプリ版では使えませんでした。使いたい場合は、Google AI StudioVertex AIを利用する必要があります。

思考プロセスが見える2.0 Flash Thinking Experimental

「2.0 Flash Thinking Experimental」は「Gemini 2.0 Flash」の派生モデルで、推論を得意としています。AIの思考プロセスを表示してくれるので、アイデア出しや施策考案でAIの思考を追いながら一緒に作業できるでしょう。

以下の画像は、Gemini 2.0 Flash・Thinking Experimentalのそれぞれで、同一のプロンプト(以下)を送信した例です。

大人6人と子供10人に十分な量のスパゲティを、2回目も食べられるようにするには、何箱購入すればいいですか?

Gemini 2.0 Flashがすぐさま回答するのに対し、2.0 Flash Thinking Experimentalは「何をどのように考えたのか」を見せてくれています。

Gemini 2.0 Flashに推論を行う質問を投げかけた時の回答
Gemini 2.0 Flashに推論を行う質問を投げかけた時の回答
Gemini 2.0 Flash Thinking Experimentalに推論を行う質問を投げかけた時の回答
Gemini 2.0 Flash Thinking Experimentalに推論を行う質問を投げかけた時の回答

また、2.0 Flash Thinking Experimentalには、さらに派生した「Gemini 2.0 Flash Thinking Experimental with apps」があります。

「with apps」」と名前にあるように、Googleの以下のサービスと連携した回答が可能です。

  • YouTube
  • Google検索
  • Googleマップ

たとえば「Google検索で、最新の株価について教えてください。」と質問すると、ソースも示しながら以下のように回答します。

Gemini 2.0 Flash Thinking Experimental with appsでのGoogle検索を用いた回答
Gemini 2.0 Flash Thinking Experimental with appsでのGoogle検索を用いた回答

回答の前には、ユーザーの質問の意図や回答内容を推論しているので、詳細で求める形の回答を得られます。

別の例として、Googleマップを利用した情報収集をしてみました。質問は「東京駅から一番近いApple Storeはどこですか?」のみで、以下の回答が得られました。

Gemini 2.0 Flash Thinking Experimental with appsでのGoogleマップを用いた回答
Gemini 2.0 Flash Thinking Experimental with appsでのGoogleマップを用いた回答

Googleマップを使用した上で、もっとも近い「Apple 丸の内」を的確に回答できていることがわかります。

YouTubeやGoogle検索、Googleマップは今や身近なツールなので、調べ物や日常生活への活用がより広がるでしょう。

なお、2.0 Flash Thinking Experimental・with appsは、Geminiのブラウザ版・アプリ版で使用可能です。

Gemini 2.0シリーズのAPI料金は?

Gemini 2.0シリーズのAPI料金は従量課金制で、利用モデルと使用量によって料金が変動します。Google公式ページによるAPI料金は以下のとおりです。

Gemini 2.0シリーズのAPI料金
Gemini 2.0シリーズのAPI料金
参照:Gemini 2.0: Flash、Flash-Lite、Pro(Google)

たとえば「Gemini 2.0 Flash」では、100 万トークンあたりの料金が以下のようにかかります。

  • 入力(テキスト・画像・動画):0.10ドル
  • 入力(音声):0.70ドル
  • 出力(テキスト):0.40ドル
  • コンテキストキャッシュ(テキスト・画像・動画):0.025ドル
  • コンテキストキャッシュ(音声):0.175ドル

トークンあたりで料金がかかるため、APIの利用にハードルを感じる方もいるでしょう。

しかし、Gemini APIには無料利用枠があるので安心してください。無料利用枠は毎日午前0時(米国太平洋時間)にリセットされ、使用するモデルごとで以下のように異なります。

1分あたりのリクエスト数1日あたりのリクエスト数1分あたりのトークン制限
Gemini 2.0 Flash最大15回最大1,500回最大100万トークン
Gemini 2.0 Flash-Lite最大10回
Gemini 1.5 Flash最大15回

「APIをまだ使ったことがない」という方は、ぜひ上記の無料利用枠を活用して使ってみてください。

Gemini 2.0シリーズの主要3モデルが一般提供に

Gemini 2.0シリーズの発表は、AI技術の民主化を大きく前進させる画期的な出来事です。

コーディングに強いGemini 2.0 Proに加え、思考プロセスを表示できるGemini 2.0 Flash Thinking Experimentalなどの登場により、Geminiはより多くの人々にとって身近で強力なツールとなるでしょう。

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記事を書いた人

木村凛日

フリーランスのSEOライター・ディレクター。
AIツールを活用したリサーチ・画像生成を日々行っています。
200名以上のWebライターの育成経験あり。
メディア分析・リライトも担当しています(他メディア)。
パンダが好きです。