【無料でWeb検索・画像・動画生成ができる?】Qwenの特徴や使い方を解説!

2025年1月28日、Alibaba(アリババ)から最新の大規模言語モデル「Qwen 2.5-Max」がリリースされました。
このモデルは、高度な推論能力と強化された言語理解機能を備え、大規模なデータ処理や専門的なタスクにも対応可能です。これにより、精度の高い応答や柔軟な対話が実現し、AIの活用範囲がさらに広がりました。
とはいえ、「Qwen(クウェン)ってどんなAIなの?」「本当に無料で使えるの?」「どうやって利用すればいいの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
Qwenは、多言語対応かつ高性能なAIで、プログラミングやデータ解析、画像・動画の生成、Web検索などの機能があります。
本記事では、Qwenの特徴や使い方を詳しく解説し、具体的な活用事例も紹介します。さらに、筆者自身がQwenを実際に使った結果も載せているので参考にしてください。

監修者
SHIFT AI代表 木内翔大
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目次
Qwenの特徴
Qwenは、高い処理能力と多様な機能を備えた大規模言語モデル(LLM)です。ここでは、Qwenの性能や機能を紹介します。
- ベンチマークで高いスコアを記録している
- Artifacts機能やWeb検索が搭載している
- 画像や動画の生成ができる
ベンチマークで高いスコアを記録している
Qwenは、複数の評価基準において高いスコアを記録しており、精度と汎用性が証明されています。
とくに、Arena-HardやLiveBench、LiveCodeBench、GPQA-Diamondといったベンチマークでは、GPT-4oやDeepSeek V3を越える結果です。
Arena-Hardでは、複雑な論理推論や問題解決能力が求められますが、Qwenは他の大規模言語モデルと比較してもトップクラスのスコアを獲得しています。また、LiveBenchやLiveCodeBenchのようなプログラミング能力を測る評価指標においても、コードの理解や生成の正確性で高いパフォーマンスを発揮しています。
さらに、GPQA-Diamondのような高度な専門知識を問うベンチマークでも、正確な回答を提供できる能力を示しています。
Web検索やArtifacts機能が搭載している
Qwenには、ユーザーの利便性を向上させるための「Web検索機能」や「Artifacts機能」が搭載されています。これにより、ユーザーはリアルタイムで最新の情報を取得しながら、AIの支援を受けることができます。
大規模言語モデル(LLM)は、トレーニングデータを元に回答を生成するため、新しい情報には対応できないという課題がありました。しかし、QwenはWeb検索機能を活用することで、常に最新の情報を反映した正確な回答を提供できます。
さらに、Artifacts機能を使えば、特定のツールやアプリと連携し、データの整理や管理をより直感的に行うことが可能です。
たとえば、「今日の為替レートは?」と質問すると、QwenはWeb検索を行い、最新のレートを取得して表示します。また、「計算機アプリを作成して」と入力すれば、Artifacts機能を通じてプログラムコードを生成し、計算機のUIを直接表示できます。
このように、Qwenは単なる言語モデルにとどまらず、情報取得やアプリ連携を通じて、より高度なサポートを提供します。
画像や動画の生成ができる
Qwenは、テキストの指示にもとづいて画像や動画を生成する機能を備えており、誰でも手軽に高品質なビジュアルコンテンツを作成できるのが特徴です。
イラストや風景、キャラクターアニメーションなど、多様なジャンルのコンテンツを直感的に生成できるため、デザインや映像制作の経験がない方でも利用できます。
たとえば、Qwenに「夕焼けの海辺の絵を描いて」のように指示することで、それに対応する画像を生成させることができます。また、「猫がピアノを弾いているアニメーションを作って」のように指示することで、動画を生成させることも可能です。
画像・動画生成機能は、クリエイティブな作業を支援するツールとして、さまざまな分野で活用されることが期待されます。
Qwenのモデル一覧
wenは、現在9種類のモデルが利用でき、それぞれ異なる用途に特化した性能を持っています。複雑な推論、言語理解、視覚情報処理など、多岐にわたるタスクに対応しています。
以下の表では、モデルの特徴、最大テキストの長さ、生成の長さ、対応する入力形式をまとめています。
モデル名 | モデルの特徴 | 最大テキストの長さ | 対応する入力形式 |
---|---|---|---|
Qwen2.5-Max | 最も強力なQwenモデル | 32768 | テキスト |
Qwen2.5-Plus | 言語理解と生成において優れている | 131072 | テキスト |
Qwen2.5-VL-72B-Instruct | 画像や動画の理解ができる | 131072 | テキスト 画像 |
Qwen2.5-14B-Instruct-1M | 長文処理に優れている | 1000000 | テキスト |
QVQ-72B-Preview | 複雑な推論に優れている | 32768 | テキスト 画像 |
QwQ-32B-Preview | コーディング、数学、論理的推論に優れている | 131072 | テキスト |
Qwen2.5-Coder-32B-Instruct | コーディング性能が優れている | 131072 | テキスト |
Qwen2.5-Turbo | 高速な長文に対応している | 1000000 | テキスト |
Qwen2.5-72B-Instruct | 言語、コーディング、多言語タスクに優れている | 131072 | テキスト |
長文処理や画像・動画解析、複雑な推論などそれぞれの分野に特化したモデルがあり、目的に応じて最適なものを選ぶことが可能です。必要な機能や性能を考慮し、最も適したモデルを選んで活用してください。
Qwenの始め方
Qwenを使い始めるには、主に2つの方法があります。
- QwenのChat版を利用する
- QwenのAPIを利用する
それぞれの方法について解説します。
QwenのChat版を利用する
QwenのChat版は、簡単な手順で利用を開始できるAIチャットボットです。以下のステップに従って、アカウントを作成し、すぐに利用を開始できます。
- 新規登録「Sign up」を選択
- ログイン方法を選択
- 本人確認(CAPTCHA認証)を実施
それぞれのステップについて画像を用いて解説します。
ログイン方法を選択
GoogleまたはGitHubアカウントでログインするか、メールアドレスとパスワードを入力してアカウントを作成します。今回はGoogleアカウントで登録します。

Googleアカウントを使用する場合、Qwenにアクセスを許可する確認画面が表示されます。ここで「Confirm」ボタンをクリックすると、Googleアカウントの情報がQwenに連携されます。

本人確認(CAPTCHA認証)を実施
セキュリティ確認のため、スライドバーを動かしてロボットではないことを証明します。

プロンプトを入力
セキュリティ確認のため、スライドバーを動かしてロボットではないことを証明します。

認証後、QwenのChat版のトップページに移動し、すぐに利用を開始できます。
QwenのAPIを利用する
Qwenは、APIを通じて外部アプリケーションやシステムと連携できるため、より柔軟な活用が可能です。ここでは、QwenのAPIの利用手順を紹介します。
Alibaba Cloudの公式サイトにアクセスし、APIキーを取得
QwenのAPIを使用するには、Alibaba Cloudのアカウントが必要です。公式サイトにアクセスし、Alibaba Cloudアカウントを登録しましょう。
ログイン画面でメールアドレスとパスワードを入力するか、GoogleまたはGitHubアカウントを使用してログインします。

※過去に作成済みの方はサインインを行ってください
必要な情報を入力し、登録を完了させます。

Alibaba Cloud Model Studioコンソール にアクセス
アカウント登録後、Alibaba Cloud Model Studioコンソールにアクセスします。

APIキーの作成
Model Studioの右上メニューを開き、「API-KEY」を選択します。

画面右上の 「Create My API Key」 ボタンをクリックし、「Model service is not activated」というメッセージが表示された場合、「Activate」 ボタンをクリックして有効化を行います。

事前にAlibaba Cloudの支払い設定を行っていない場合、そのままActivateボタンをクリックしても有効化できません。Activateをクリックすると、登録メールアドレスに支払い案内のメールが送信されます。
まずは、メールのリンクから1ドルを支払い、有効化を完了させましょう。
モデルサービスが有効化されると、新しいAPIキーが発行されます。「AccessKey ID」と「AccessKey Secret」 を取得し、安全に保管してください。
APIキーを使用してQwenのAPIを呼び出すことで、Qwenの機能を利用できます。
Qwenの使い方
ここでは、Qwenの基本的な使い方を解説します
4つの機能
Qwenは、Web検索やArtifacts、画像生成、動画生成の4つの主要機能を搭載しており、情報収集やコンテンツ制作を効率的に行えます。

利用方法はシンプルで、使いたい機能を選択し、中央のプロンプト入力フォームに指示を入力するだけです。実際にQwenを使用して生成した結果については、この後に記載している「【実演】Qwenを試してみよう」に詳しく紹介しています。
複数のモデルを組み合わせる
Qwenでは、複数のAIモデルを組み合わせて使用することが可能です。これにより、異なる特性を持つモデルを活用し、より高度なタスク処理が行えます。
①左上のアイコンを選択

画面左上のモデル名の横にあるアイコンをクリックすると、利用可能なモデル一覧が表示されます。
②使用するモデルを選択

一覧から目的に応じたモデルを選択し、同時に複数のモデルを有効化できます。
組み合わせ例
Qwen2.5-Max + Qwen2.5-VL-72B-Instruct:言語処理と視覚情報解析を組み合わせて、画像の説明や内容の要約を生成する
Qwen2.5-14B-Instruct-1M + Qwen2.5-Plus:長文処理と高度なタスク処理を統合し、より論理的な文章生成する
このように、Qwenのモデルを適切に組み合わせることで、それぞれの強みを活かした高度な情報処理ができます。
ファイルや画像の添付
Qwenでは、ファイルや画像を添付して解析・処理することもできます。
①添付アイコンをクリック
Qwenのチャット入力欄の横にあるクリップアイコンまたはカメラアイコンをクリックします。

②ファイルまたは画像を選択
ローカルPCやデバイスから、添付したいPDF、画像(JPG、PNGなど)、テキストファイルを選択します。

③送信して解析を依頼
「この画像の内容を説明して」「PDFの要点をまとめて」などの指示を入力し、Qwenに解析を依頼します。

ただし、すべてのモデルが画像やファイルの解析に対応しているわけではないため、使用するモデルの特性に注意が必要です。
【実演】Qwenを試してみた!
ここでは、筆者自身がQwenを実際に機能を使った結果を記載しています。
①Web検索
QwenのWeb検索機能を使って、リアルタイムの情報を取得し、最新のトレンドやニュースを素早く確認できます。ここでは、「最新のAI技術のトレンドを教えて」と質問し、その検索結果を確認しました。

検索結果には、生成AIの進化、大規模言語モデル(LLM)の発展、AIエージェントの普及といった最新動向が簡潔にまとめられていました。
さらに、Qwenは情報ソースのリンクも提示し、元のWebサイトで詳細を確認できました。
②Artifacts機能
QwenのArtifacts機能を活用すると、計算機アプリの作成やスケジュール管理、データ処理を簡単に行えます。今回は、「計算機アプリを作成して」と指示し、Qwenの応答を検証しました。
※映像は2倍速
実際に、7+ 9
を入力して「=」を押すと 16 が表示されました。Artifacts機能を利用すれば、単なるコード生成だけでなく、実際に動作するアプリを手軽に作成できることが確認できました。
③画像生成
Qwenの画像生成機能を活用すると、テキストの指示にもとづいて高品質な画像を生成できます。今回は、「幻想的な未来都市の夜景を描いて」と指示し、Qwenがどのような画像を生成するかを検証しました。
※映像は2倍速
指示を入力してから約45秒で画像が生成されました。完成した画像には、ネオンライトが輝く近未来的な高層ビルが立ち並び、都市全体が幻想的な光に包まれたサイバーパンク風の風景が描かれていました。
④動画生成
Qwenの動画生成機能を活用すると、テキストの指示に基づいて短時間で動画を作成できます。今回は、「猫がピアノを弾いているアニメーションを作って」と指示し、Qwenがどのような映像を生成するかを検証しました。
指示を入力すると、約20分で動画が生成されました。完成した映像では、猫がピアノの前に座り、鍵盤を押しながら演奏する様子が描かれていました。
Qwenを使用する際の注意点
ここでは、Qwenを利用する際の注意点を解説します。
- 利用制限がある
- 中国のサーバーにデータが送信されるリスクがある
利用制限がある
Qwenには一定の利用制限が設定されており、短時間に大量のリクエストを送信すると制限に達することがあります。
とくに、API利用時にはリクエスト数や実行時間に制限があるため、利用頻度を調整することが重要です。
また、一部の機能(画像・動画生成など)は特定のモデルでのみ利用可能です。たとえば、画像や動画を扱うにはQwen2.5-VL-72B-Instructなどのビジュアル対応モデルを選択する必要があります。
利用するモデルによって機能が異なるため、事前に確認しておきましょう。
中国のサーバーにデータが送信されるリスクがある
QwenはAlibaba Cloudのインフラ上で動作しており、処理されたデータは中国のサーバーに送信される可能性があります。
そのため、機密情報や個人情報を扱う際には、データのプライバシーやセキュリティ対策を十分に考慮することが必要です。
企業や組織でQwenを使用する場合、データの送信先や保存ポリシーを確認し、コンプライアンスに準拠しているかを検討することが求められます。
とくに、個人情報や機密情報を扱う場合は、適切なデータ管理を徹底することが重要です。
QwenでWeb検索・画像・動画生成を試してみよう!
Qwenは、高度な言語処理能力に加え、Web検索、画像生成、動画生成などの機能を無料で利用できます。
まずは本記事を参考に、QwenのChat版を試してみましょう。対話形式で簡単に利用できるため、初心者でも手軽に始められます。
Qwen 2.5-Maxのような最先端AIを活用すれば、業務の効率化や副業での収益化、キャリアアップの可能性が広がります。
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記事を書いた人

西啓汰
大学での学びと並行して活動するフリーランスのSEO/Webライター。
研究テーマは「Music to Video」。音楽の歌詞や曲調を分析し、自動で映像を生成する仕組みの開発中。
生成AIツールを実際に触れ、体験を通じて得た知見を活かし、価値を届けるライティングを実践。
趣味は野球観戦とラジオ聴取。
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