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  • プロンプトエンジニアリング

生成AIのプロンプトとは?書き方やテンプレート例!初心者向けのコツも

生成AIの可能性を最大限に引き出すには、プロンプト(指示文)への理解が不可欠です。

最近生成AIに興味を持ち始めた方の中には、「プロンプトについて理解したい」「プロンプトの書き方を知りたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、プロンプトの基本概念から書き方やコツ・注意点をわかりやすく解説します。さらに、日常業務で活用できるテンプレート例もあわせて紹介しています。

この記事を読めば、プロンプトの基本知識と作成方法を習得し、生成AIを活用した業務効率化や生産性アップを実現できるようになります。ぜひ内容を参考にしてみてください。

監修者

SHIFT AI代表 木内翔大

(株)SHIFT AI 代表取締役 / GMO他複数社AI顧問 / 生成AI活用普及協会理事 / Microsoft Copilot+ PCのCMに出演 / 国内最大級AI活用コミュニティ(会員9,000人超)を運営。
『日本をAI先進国に』実現の為に活動中。Xアカウントのフォロワー数は9.7万人超え(2024年12月現在)

弊社SHIFT AIでは、生成AI活用のための知識・スキルを磨くための無料セミナーを開催しています。

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生成AIのプロンプトとは?

生成AIのプロンプトとは?

プロンプトとは、生成AIに具体的な指示や質問を与えるためのメッセージのことです。生成AIが生み出す結果の質は、このプロンプトの質に大きく依存します。

プロンプトに明確で具体的な指示を含めることで、生成AIからより正確で意図に沿った結果を得ることが可能になります。

一方、曖昧なプロンプトでは、望む結果を得ることが難しくなります。

そのため、生成AIを効果的に活用するためには、適切なプロンプトの設計が不可欠です。

このような生成AIから最適な結果を引き出すためのプロンプト設計技術を「プロンプトエンジニアリング」と呼びます。

生成AIで出力の質を高めるプロンプトの書き方

生成AIで出力の質を高めるプロンプトの書き方

続いては、生成AIの出力の質を高めるプロンプトの書き方を5つ紹介します。

  • 明確に要件を伝える
  • 出力形式を指定する
  • タスクを分割する
  • 参考情報を与える
  • 追加の情報・指示を与えて調整する

これら書き方を意識してプロンプトを作成することで、生成AIの能力を最大限に活用しやすくなります。ぜひ実践してみてください。

明確に要件を伝える

プロンプトでは、指示や命令・質問を具体的に書くことが重要です。

たとえば、「生成AIに関する文章を書いて」という漠然とした指示ではなく、「500文字程度で、中学生向けの生成AIの未来に関するレポートを書いて」のように具体的な要件を示すことで、より適切な出力が得やすくなります。

文章生成でも画像生成でも、スタイルやテイスト、ターゲットなどの具体的な要件を明確に伝えることが大切です。

出力形式を指定する

プロンプト内で、生成AIに望む出力形式を伝えることも非常に重要です。

たとえば、テキスト生成の際は「Markdown形式で出力してください」、画像生成の場合は「PNG形式で透明背景にしてください」といった具体的な形式を指定しましょう。

生成AIが出力方法を正確に理解できるようになり、期待通りの結果を得やすくなります。

タスクを分割する

生成AIに複数の指示を出す場合は、タスクを分割して伝えるのが効果的です。

まずはプロンプトを書き始める前に、伝えたい指示を整理し、分解できる部分がないか検討しましょう。

指示をステップごとに伝えることで、生成AIが意図を正確に理解し、より質の高い出力を得られる可能性が高まります。

参考情報を与える

プロンプトを書く際には、参考情報を含めることも効果的です。

出力したい文章やクリエイティブの具体例を提示することで、生成AIにより正確に意図を伝えることが可能になります。

詳細な指示を書き連ねるよりも、事例を示すことで効率的に望む結果を得られることがあります。

追加の情報・指示を与えて調整する

1回の出力で望む結果を得られない場合は、追加の情報や指示を与えて調整していくとよいでしょう。

出力結果をもとに改善を重ねることで、2回目、3回目にはより精度の高い出力が得られることが多くあります。

効率的な出力を得ることは重要ですが、プロンプト作成に慣れていない場合は、とくに試行錯誤の過程が必要になることも認識しておきましょう。

日常業務で使える!生成AIのプロンプトテンプレート例6選

ここからは、生成AIで使えるプロンプトのテンプレート例を紹介します。日常業務で活用しやすいプロンプトを6つ用意しました。

  • 文章要約
  • メール作成
  • コード生成
  • Excelの関数の作成
  • To Doリスト作成
  • 画像生成

コピー&ペーストして要件を入力することで使えます。ぜひ効果的に活用してください。

文章要約

生成AIを活用して、要点を簡潔にまとめるためのテンプレートです。

文章の意味を損なわず、重要なキーワードを漏らさないよう設計しました。

#命令
あなたはプロの編集者です。以下の制約条件に従って、入力する文章を要約してください。

#制約条件
・重要なキーワードを取りこぼさない。
・文章の意味を変更しない。
・架空の表現や言葉を使用しない。
・入力する文章を句読点を含めて{文字数}文字以内にまとめて出力。
・要約した文章の句読点を含めた文字数を出力。
・文章中の数値には変更を加えない。

#入力する文章
{要約する文章}

#出力形式
要約した文章:
出力した文章の句読点を含めた文字数:

メール作成

メールの目的に応じて、プロフェッショナルなトーンを保ちながら内容を整理するためのテンプレートです。

宛先や目的に合わせた適切な形式で作成できます。

#命令
- {特定の目的やテーマ}に関するメールを作成する。{メールの送信対象}に向けた適切なトーンで内容を構成する。

#入力
- メールの目的(例: 提案、報告、質問、依頼など)
- 宛先(個人名、役職、会社名など)
- 主要な内容や伝えたいポイント
- 添付するファイルやリンクの有無
- 返信期限やアクションの締め切りがある場合、その日程

#制約条件
- プロフェッショナルなトーンを保ちつつ、内容が簡潔かつ明瞭であること
- 宛先に応じて、適切な敬語や礼儀を守る
- 重要な情報を見逃されないよう、段落を分けて整理する
- 必要であれば件名も指定し、注意を引くものにする

#出力形式
- メール形式(宛名、本文、署名など)

コード生成

プログラムのバグ修正、新機能の実装、または最適化をサポートするコード生成のためのテンプレートです。

明確な指示と具体的なコード出力が得られるように設計しました。

#命令
- あなたは{特定の役割(例: コードレビューア、デバッガー、アーキテクトなど)}です。{具体的なプログラミングタスクや目的}に関するサポートを行う。

#入力
- プログラミング言語(例: Python、JavaScript、C++など)
- 対象のコードやプログラムの目的(例: アルゴリズム最適化、バグ修正、新機能の実装など)
- 現在の状況や問題点(例: エラーメッセージ、パフォーマンス問題、機能追加の要件など)
- 使用しているフレームワークやライブラリ(例: Django、React、TensorFlowなど)
- 出力結果や期待される動作

#制約条件
- 提案する解決策は、コードがパフォーマンスや可読性の観点から最適化されていること
- セキュリティに関する考慮が必要な場合、それを重視する
- コード例はシンプルかつ動作確認済みのものであること
- 依存ライブラリやバージョンに関しても適切に考慮する

#出力形式
- {コード例、エラーの原因分析、リファクタリング提案、または設計図などの具体的なアウトプット形式}

Microsoft Excel(またはGoogleスプレッドシート)の関数の提案

Microsoft Excel(またはGoogleスプレッドシート)での効率的な作業を支援するための関数式提案用テンプレートです。

条件に応じた柔軟な数式を提案できます。

以下の目的を達成するためのExcelの関数式を出力してください。

#目的:

{列}に{目的}を出力したい。



#条件:

・{数値}以上の場合は{出力項目}と出力

・{数値}未満の場合は{出力項目}と出力

To Doリスト作成

目標達成のための具体的なTo Doをリストアップし、テーブル形式で期限や説明を明確にするためのテンプレートです。

#命令
あなたは私が入力した期限内に目標を達成するために必要な具体的なタスクをリストアップして、以下の制約条件に従ってToDoリストを作成してください。

#目標
{目標}

#期限
{期限}

#制約条件
・タスク毎に期限を設定する。[例: 5日以内、2時間以内] ・タスクに関して50字以内で解説を出力する。
・架空の情報は使用しない。
・各項目ごとにテーブル形式で出力する。

#出力形式
|タスク|期限|解説|

画像生成

生成AIで画像を作り出すためのテンプレートです。目的やコンセプトに応じたオリジナル画像を生成できます。

以下の条件に基づき、{作成したい画像}を作成してください。

#条件:

・{作成したい画像のイメージ}

・{○○}調(アニメ調、リアリスティックなど)

・縦:横={1:2}

初心者がプロンプトを効率よく作成するコツ

初心者がプロンプトを効率よく作成するコツ

生成AIに慣れていない初心者の場合、0から自分でプロンプトを考えるのは難しいものです。

そこで、初心者がプロンプトを効率よく作成するコツを解説します。

  • プロンプトの型を活用する
  • 生成AIに考えてもらう
  • プロンプト集を活用する

慣れてきたら、ぜひ自分独自のプロンプト作成にも挑戦してください。

プロンプトの型を活用する

AIの専門家や開発会社が考案し公開されているプロンプトの型を利用することで、効果的なプロンプトを作成できます。

代表的な型には以下のようなものがあります。

深津式プロンプト:生成AIに明確で的確な指示を与えるために構造化したプロンプトの型

#命令書:
あなたは{役割}です。以下の制約条件に基づいて結果を出力してください。

#制約条件:
・文字数は{文字数}
・{その他の制約}

#入力文:
{入力文}

#出力文:

ゴールシークプロンプト:目標達成のために生成AIに逆算で解を導かせるプロンプトの型

あなたは{役割}です。私のニーズに合わせて、最高の結果を得るためにプロンプトを一緒に考えてください。以下の手順に従ってください。

1. まず、何についてのプロンプトかを確認してください。
2. 私の入力に基づいて、3つのセクションを生成してください。
   A. 改訂されたプロンプト
   B. 改善のための提案
   C. 必要な追加情報の質問

3. 私が「完了」と言うまで続けてください。

こういった型に自身の要件を当てはめながら作成してみると、生成AIが高精度な出力をできるプロンプトを作ることが可能です。

特に初心者の方は、これらの定型フォーマットを活用することで、より効率的にプロンプトを作成できるでしょう。

生成AIにプロンプトを考えてもらう

質の高いプロンプトを効率的に作成する方法として、生成AI自体に協力を求めるのも効果的です。

以下のように、具体的な要件を箇条書きにしてプロンプトの作成を依頼してみましょう。

以下の要件を満たすプロンプトを作成してください。
- 要件1
- 要件2
- 要件3

要件は明確で具体的であればあるほど、生成AIがより精度の高いプロンプトを提案してくれます。

また、自分で作成したプロンプトを生成AIに改善してもらうことも可能です。

「このプロンプトをより効果的にするためのアドバイスをください」「このプロンプトの問題点は何ですか?」といった形で依頼すると、具体的な改善点を提案してくれます。

こういった方法でプロンプトの質を段階的に向上させるのもおすすめです。

生成AI開発会社のプロンプト集を参考にする

ChatGPT提供のOpenAI、Gemini提供のGoogle、Claude提供のAnthropicなどが公式に公開しているプロンプト集を参考にすることで、効果的なプロンプトの作成に役立てる手もあります。

これらのプロンプト集は、各企業のAIの特性を最大限に活かすためのベストプラクティスが詰まっています。

各リソースには、多様なタスクや目的に応じたプロンプトの例が豊富に含まれているため、良いプロンプトのためのアイデアの源として活用できるでしょう。

>OpenAIのプロンプト集はこちら
>Googleのプロンプト集はこちら
>Anthropicのプロンプト集はこちら

プロンプトを書く際の3つの注意点

プロンプトを書く際の3つの注意点

最後に、プロンプトを書く際の注意点を3つ紹介します。

  • プロンプトに個人情報や機密情報は含めない
  • 著作権・肖像権などの権利侵害のリスクを避ける
  • 良いプロンプトを書いても出力は誤る場合がある

生成AIは正しく活用しなければ、思わぬトラブルを招く可能性があります。ぜひ内容を確認して活用してみてください。

プロンプトに個人情報や機密情報は含めない

生成AIのプロンプトを作成する際は、個人情報や機密情報などの重要な情報を含めないように注意が必要です。

生成AIは入力された文章をもとに出力を生成するため、情報が予期せぬ形で他のユーザーと共有されたり、悪意のあるユーザーに抽出されたりする可能性があります。

漏えいのリスクは完全には排除できません。

重要な情報を含むデータを扱う場合は、暗号化などの対策を講じましょう。

著作権・肖像権などの権利侵害のリスクを避ける

プロンプトを作成する際には、著作権や肖像権の侵害を避けることが重要です。

とくに、プロンプトで特定の人物やキャラクターに言及することで、権利侵害のリスクが高くなるため注意してください。

生成されたコンテンツをインターネットで公開したり商用利用したりする場合、法的トラブルに発展する可能性があるため、十分な注意が必要です。

責任は利用者自身にあることを理解し、適切な利用を心がけましょう。

良いプロンプトを書いても出力は誤る場合がある

優れたプロンプトを作成しても、生成AIが誤った情報を出力する可能性は避けられません。

どれほど高性能な生成AIでも完璧ではないため、出力内容を無批判に受け入れると、誤った判断や意思決定を招くおそれがあります。

そのため、必ず人間の目で出力結果を確認し、適宜修正を加えることが重要です。

プロンプトを理解して生成AIを効果的に活用しよう

本記事では、生成AIのプロンプトについて、概要や書き方、コツ、具体例、注意点などを詳しく解説してきました。

生成AIを効果的に活用するには、プロンプトへの理解が不可欠です。

最初から良いプロンプトを作成するのは難しく感じるかもしれませんが、まずは本記事で紹介したポイントを意識しながら実践してみましょう。

プロンプトの質が向上し、望み通りの出力が得られるようになれば、日常業務やクリエイティブ作業を大幅に効率化できるだけでなく、これまで自分1人ではこなせなかったタスクも遂行可能になるでしょう。

弊社SHIFT AIでは、生成AI活用のための知識・スキルを磨くための無料セミナーを開催しています。

「生成AI活用をマスターしたい」「AIでキャリアアップを目指したい」という方は、ぜひ以下のボタンからご確認ください。

【無料】AI人材の一歩目!

記事を書いた人

福原瑶子

SEO&ライティング歴5年以上。
ChatGPTやClaude、Notion AIのような文章生成AIツールやMidjourneyのような画像生成AIツールを駆使し、記事作成やプライベートにも積極的に活用。
生産性をアップできる便利なアプリやツール・拡張機能の情報を探すのが好き。