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  • 画像・動画生成AI

画像生成AIの著作権問題とは?注意するべきポイントを解説

画像生成AIを使ってオリジナルのイラストや画像を作成したいけれど、著作権の問題が気になって踏み出せないでいませんか?

そのまま悩んでいては、創作の幅が狭まり、ビジネスの機会を逃してしまうかもしれません。

本記事では、画像生成AIと著作権の基本的な関係性を解説するとともに、画像生成AIを利用する際の注意点を具体的にお伝えします。

記事を読み終える頃には、画像生成AIと著作権について正しい理解を得て、安心して創作活動に取り組めるようになっているでしょう。

監修者

SHIFT AI代表 木内翔大

(株)SHIFT AI 代表取締役 / GMO他複数社AI顧問 / 生成AI活用普及協会理事 / Microsoft Copilot+ PCのCMに出演 / 国内最大級AI活用コミュニティ(会員9,000人超)を運営。
『日本をAI先進国に』実現の為に活動中。Xアカウントのフォロワー数は9.7万人超え(2024年12月現在)

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画像生成AIとは

AIをイメージした画像


画像生成AIは、テキストによる指示をもとに人工知能が自動的に画像を作成する技術です。

従来の画像編集ソフトとは異なり、専門的なデザインスキルがなくても、文章で表現したイメージを視覚化できることが特徴です。

外部のデータベースから情報を検索して学習を重ねた生成モデルを活用することで、写真のような写実的な画像から、イラストやアート作品まで、幅広い表現が可能になりました。

画像生成AIで作成したコンテンツの著作権はどうなる?

現行の著作権法(2024年12月11日現在)によると、創作意図を持つ人間の作品のみが保護の対象とされているため、AIが自動生成した画像や文章には著作権が発生しないとされています。

ただし、AIの学習データに他者の著作物が含まれている場合は要注意です。

たとえば、著作権で保護された画像を無断で学習データに使用すれば、著作権侵害に問われるリスクがあります。

また、AIが生成したコンテンツが既存の著作物に酷似している場合も、著作権侵害となるおそれがあります。とくに商用利用を検討する際は、入念な確認が不可欠です。

AIの生成物には基本的に著作権が発生しないこと、学習データの利用には著作権者の許諾が必要なこと、生成物が既存の著作物を侵害していないか確認することが重要です。

画像生成AIは創作の可能性を大きく広げる一方で、著作権の問題は避けて通れません。

技術の発展に合わせて、法整備や権利処理の仕組みの構築が急務と言えるでしょう。

画像生成AIの利用が著作権侵害に該当した事例

画像生成AIの利用が著作権侵害に該当するケースは、すでにいくつか報告されています。

AIの学習データに無断で著作権保護コンテンツが含まれていたり、生成された画像が既存の著作物に酷似していたりすることで、権利者との間でトラブルになるリスクがあるのです。

ここでは、画像生成AIをめぐる著作権問題の具体例として、2つの事例を取り上げます。

  • GoogleのImagenに対する訴訟
  • 中国のウルトラマン画像生成事件

これらの事例から、AIと著作権の関係を考える上での重要なポイントを学んでいきましょう。

GoogleのImagenに対する訴訟

GoogleのImagenに対する訴訟に関する記事のスクリーンショット
出典:Google Facing New Copyright Suit Over AI-Powered Image Generator

GoogleのImagenは、テキストから高品質な画像を生成するAIシステムです。その性能の高さが注目を集める一方で、著作権をめぐる問題が浮上しました。

複数の視覚芸術家が、Imagenの学習データに自らの作品が無断で含まれていたとして、カリフォルニア州の連邦裁判所において、Googleを相手取って訴訟を起こしたのです。

原告側は、著作権で保護された芸術作品を許諾なくAIの学習に使用することは、著作権侵害に当たると主張しました。

芸術家たちは、Googleに対して損害賠償を求めるとともに、作品のデータを学習データから完全に削除するよう要求しました。Googleは最終的に、Imagenの学習データを非公開にすることで和解しています。

このケースは、AIの学習データをめぐる著作権問題の複雑さを浮き彫りにしました。たとえ教師データが公開されていても、無断で著作物を機械学習に利用することは、権利侵害のリスクがあることを示唆しています。

画像生成AIの利用者は、モデルがどのようなデータで学習されたかを意識し、権利関係を慎重に確認することが求められます。ブラックボックス化したAIのデータをめぐって、今後も同様の訴訟が起きる可能性は高いでしょう。

技術の発展と法整備のバランスが問われる事例と言えます。

中国のウルトラマン画像生成事件

中国の広州インターネット裁判所では、「ウルトラマン」の画像が無断で生成された事例が問題となりました。

原告は、円谷プロダクションからウルトラマンの画像使用権を独占的に与えられた企業です。

一方の被告は、ユーザーがテキスト入力するとAIがイラストを自動生成するサービスを提供していました。原告は、この被告のAIサービスを利用して、ウルトラマンの画像が無断で作成され、SNSで拡散されたことが著作権侵害に当たると主張したのです。

裁判所は、被告のAIサービスがウルトラマンの画像を不正に生成したことを認定し、原告の主張を認めました。その上で、被告企業に対して経済的損失の賠償を命じる判決を下しました。

この事件は、キャラクターの無断使用という わかりやすい著作権侵害の構図に、AIによる画像生成という新しい論点が加わった点で注目を集めました。

AIの生成物をめぐる著作権問題は、日本でも同様に起こり得る状況にあります。

画像生成AIを活用する際は、常に著作権法の観点からの検討が不可欠だと言えるでしょう。

画像生成AIの利用による著作権侵害を避けるためのポイント

著作権をイメージした画像

画像生成AIを利用する際は、著作権侵害のリスクを可能な限り回避することが重要です。

そのためには、AIの学習データや生成物の権利関係を慎重に見極める必要があります。

とはいえ、法律の専門家でもない一般のユーザーにとって、AIと著作権の関係を正しく理解することは容易ではありません。

  • オリジナルコンテンツの使用
  • 商用利用の注意
  • 著作権侵害の確認を徹底

本章では、画像生成AIを安全に活用するための実践的なポイントを3つ紹介します。

オリジナルコンテンツの使用

画像生成AIを利用する際は、オリジナルコンテンツの活用が著作権侵害のリスクを下げる上で重要です。他者の著作物をそのまま学習データとしたり、既存の作品に酷似した画像を生成したりすることは避けるべきでしょう。

代わりに、自分自身のアイデアやスタイルをベースにしたプロンプトをAIに与えることで、独自性の高い画像の生成を促すことができます。

また、自作のイラストや写真をAIの追加学習に用いるのも有効な手段の一つです。

ただし、AIの生成物を著作権侵害のリスクから完全に切り離すことは不可能だと理解しておく必要があります。

オリジナルコンテンツを最大限活用し、常に著作権への意識を持ち続けることが著作権侵害を避けるための重要なポイントとなるでしょう。

商用利用の注意

AIで生成した画像を商用利用する際は、権利侵害に問われるリスクがあるため、細心の注意を払う必要があります。

たとえば、AIが生成した画像を広告などに使用する場合、その画像が他者の作品に酷似していたり、無断で改変されたものだったりすると、著作権侵害の責任を問われる可能性があります。

そのため、商用利用に際しては、AIの生成物が既存の著作物に依拠していないか詳細に確認したり、弁護士など法律の専門家にアドバイスを求めることも重要です。

また、AIの生成画像を使用する際の社内ルールを設けておくことも有効でしょう。

たとえば、商用利用する前に必ず上司の承認を得るといった手順を定めておけば、トラブルを未然に防ぐことができます。

AIの活用はビジネスに大きな変革をもたらす可能性を秘めていますが、法的問題への適切な対処が求められます。

リスクを最小限に抑えつつ、AIの力を事業に活かしていくバランス感覚が重要です。

著作権侵害の確認を徹底

画像生成AIを利用する際は、著作権侵害の確認を徹底することが極めて重要です。

学習データや生成物に他者の著作物が含まれていないか、慎重にチェックする必要があるのです。

使用するデータの出所を明確にし、ライセンスを確認する作業は欠かせません。

たとえば、オープンソースのデータセットやパブリックドメインの画像を学習に用いれば、権利をクリアできる可能性が高まります。

加えて、AIの生成物自体が著作権を侵害していないかを確かめるプロセスも重要です。

生成画像を公開する前に、類似画像の有無を入念に調査することが求められます。

こうした確認作業は、手間と時間がかかるものです。しかし、AIの利用が社会に浸透するにつれ、その重要性はますます高まるでしょう。

著作権侵害のリスクを避けるために、画像生成AIの安全な利用を心がけよう

画像生成AIの普及に伴い、著作権侵害のリスクが大きな課題となっています。学習データの無断使用や、生成物の商用利用など、法的な問題が指摘されているのです。

これらのリスクを避けるためには、利用者一人ひとりの意識と行動が鍵を握ります。

オリジナルコンテンツの活用、商用利用時の慎重な確認、ライセンスの徹底したチェックなど、具体的な対策を講じることが求められます。

たとえ、AIによる画像生成を著作権侵害のリスクから完全に切り離すことは難しくても、最善の努力を重ねることが重要です。

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記事を書いた人

Chie Suzuki

SEO・インタビューライター歴4年以上。
AIを活用し、情報収集やライティングの時間を半分以上削減。
最近は動画生成AIで遊ぶのが趣味です。